歯磨きをするにあたって、正しい知識を持つことはとても大切です。
磨く方法やタイミング、アイテムの使い方などが間違っていると、正しい虫歯・歯周病予防ができなくなるからです。
ここからは、歯磨きに関する正しい知識をいくつかお教えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
歯磨きは必ず1日3回しなければいけない?
子どもの頃、「歯磨きは必ず1日3回しなさい」と教えられた方は少なくないと思います。
しかし、こちらは歯磨きの知識として正しくありません。
虫歯や歯周病を防ぐための歯磨きにおいて肝心なのは回数ではなく、歯と歯間や歯と歯茎の境目にあるプラークを丁寧に落とし、口内をリセットすることです。
つまり、しっかり汚れさえ落とせていれば、1日1回磨くだけでも十分効果はあるということです。
逆に、1日に何度も歯を磨いていたとしても、1回1回が丁寧でなかったり、磨く頻度以上に間食が多かったりすると、虫歯や歯周病のリスクは高まります。
柔らかい歯ブラシは汚れを落としにくい?
歯ブラシには、毛先が硬いものと柔らかいものがありますが、実際選ぶときには「汚れが落としにくそう」という理由で、柔らかい歯ブラシを避けている方もいるかと思います。
しかし、こちらも歯磨き関連の知識としては間違っています。
毛先がハードであっても、ソフトであっても、口内の汚れを落とす効果に変わりはありません。
なぜなら、歯ブラシで落とすのはあくまでプラークという柔らかい汚れだからです。
そもそも、歯石など口内で硬くなってしまったものは、毛先が硬い歯ブラシでも落とすことはできません。
フロスだけで歯周病予防はできる?
歯周病を予防するために、フロスで歯間を清掃している方は多いかと思います。
また、しっかり汚れが取れていれば、フロスだけで歯周病ができると考えている方もいるかもしれませんが、こちらは正しい知識ではありません。
歯周病を予防するには、歯と歯茎の間にある汚れを除去する必要がありますが、フロスだけでは歯と歯の間だけしか汚れを落とせません。
つまり、予防のために一番除去しなければいけない汚れを除去できないということです。
歯ブラシは同じものを使い続けても良い?
ブラッシングに使用する歯ブラシについては、1ヶ月に1回は交換しなければいけません。
そのため、同じものを使い続けて良いという考えは間違いです。
毛先が広がった歯ブラシは、プラークの除去率が著しく低下するため、そのまま使い続けると虫歯のリスクが上昇します。
また毛先が広がっていないように見えたとしても、長く使い続けていると毛先のコシがなくなったり、菌が繁殖したりします。
こちらも、1ヶ月に1回を目安に交換すべき理由です。
ちなみに歯ブラシの毛先がすぐに広がってしまう方は、磨くときに力を入れすぎている可能性があります。
軽く鉛筆を握るように歯ブラシを持ち、優しく小刻みに動かすようにしましょう。
朝の歯磨きは食後に行うべき?
朝の歯磨きについては、どちらかというと食後ではなく、起きてすぐのタイミングで行うべきです。
人は夜寝ている間に唾液の分泌量が著しく減少し、口内は細菌で溢れているような状態になります。
朝起きたとき、口臭が強くなるのはこちらが理由です。
またこのような状態で朝食を摂ると、大量の細菌を体内に取り込んでしまうことになります。
そのため、朝起きてすぐにブラッシングを行い、リフレッシュした状態で食事を摂るのが望ましいです。
ただし、朝食後のブラッシングがダメだというわけではありません。
食後はプラークが付着するため、可能であれば朝起きてすぐ、朝食後の2回磨くことをおすすめします。
歯ブラシを使用するときは必ず毛先を濡らさなければいけない?
歯ブラシを使用する際、先に毛先を濡らしてから歯磨き粉をつけるという方は多いかと思います。
しかし、実際は濡らさない方が清掃効率はアップします。
なぜなら、水を含ませると歯磨き粉が泡立ちすぎてしまい、食べカスやプラークが付着している部分を確認しにくくなるからです。
また泡立ちが強い場合、口内がスッキリするため、しっかり磨けていないにもかかわらず磨けたような気になってしまうこともあります。
さらに水を含ませすぎると、歯磨き粉に含まれるフッ素などの成分が流れてしまうことも考えられます。
手動の歯ブラシよりも電動歯ブラシの方が汚れは取れる?
手動の歯ブラシより、電動歯ブラシの方がしっかり汚れを落とせると思われがちですが、実際はそうとは限りません。
どちらが優れているかについては、磨き方によって変わってきます。
手動・電動を問わず、歯ブラシは力を入れすぎず、毛先を歯と歯茎の間にしっかり当てなければいけません。
このような使い方ができていない場合、電動歯ブラシでも磨き残しが増えることはあります。
ただし電動歯ブラシは自動的に振動や回転を伴うため、力が弱い子どもや高齢者の方にとっては、プラークを落としやすいアイテムだと言えます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・丁寧な歯磨きであれば、1日1回でも十分効果を得ることができる
・1日何回も歯を磨いても、間食が多ければ虫歯のリスクは高まる
・硬い歯ブラシでも柔らかい歯ブラシでも、プラークを落とす効果に変わりはない
・フロスだけで歯周病予防ができるというのは、歯磨き関連の間違った知識
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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