主に食事を行う際、頬や舌など、口内をよく噛んでしまうという方は少なくないと思います。
もちろん、こちらは誰しもに起こり得ることですが、あまりに頻度が多い場合、何かしらの問題が発生している可能性が高いです。
ここからは、頻繁に口内を噛んでしまう主な原因について解説します。
噛み合わせの悪化
頻繫に口内を噛む原因としてまず挙げられるのは、噛み合わせの悪化です。
歯は使用するごとに少しずつ擦り減っていくものであり、擦り減った分だけ歯は低くなります。
これにより、頬の内側の肉が余り、噛みやすくなってしまうことがあります。
特に、寝ている間に歯ぎしりをしている方や、歯を食いしばる癖がある方は擦り減るスピードが早いため、注意してください。
ちなみに、歯ぎしりのダメージを軽減するためには、就寝中だけでもマウスピースを装着することをおすすめします。
詰め物、被せ物の装着
頻繫に口内を噛んでしまう原因には、虫歯治療後の詰め物や被せ物の装着も挙げられます。
詰め物や被せ物は、虫歯治療で削った部分を補うものであり、極力治療前に近い形状になるように配慮されています。
しかし、装着したばかりの頃は少なからず違和感があり、噛み合わせに慣れるまでの間、頬や舌を噛んでしまうことがあります。
ちなみに、詰め物や被せ物の感覚に慣れてくると、徐々に口内を噛むことは少なくなってきますが、場合によってはいつまでも噛みやすい状態が続くこともあります。
このような場合、装着された位置が悪く、頬や舌を巻き込みやすくなっている可能性もあるため、早急に歯科クリニックに相談しましょう。
疲労やストレスの蓄積
疲労やストレスが蓄積することも、頻繫に口内を噛んでしまう原因の1つです。
正常な状態であれば、自然と口内を噛まないようなアゴの動きができますが、疲れていたり、イライラしたりしている状態だと、アゴの運動の制御がうまくできなくなり、口内を噛みやすくなります。
また、ストレスが溜まることで、無意識に口内を噛む癖が出るというケースもあるため、少しでもアゴの動きに異常を感じたら、しっかりと休養を取ったり、医師に相談したりしましょう。
頬のたるみ
頬がたるむことも、頻繁に口内を噛む原因の一つです。
年齢を重ねた方などは、少しずつ頬の表面がたるんできます。
またこのような影響は、頬の表面だけでなく内側がたるむことにもつながります。
頬の内側にハリがある場合、そこまで歯が当たることはありせんが、たるんでいる場合は歯に当たりやすくなり、何度も噛んでしまうリスクがあります。
ちなみに頬のたるみの原因には、加齢だけでなく紫外線や乾燥なども挙げられます。
紫外線対策を怠ると肌の老化を早め、たるみを悪化させますし、乾燥した肌は紫外線などの外部刺激に弱くなります。
その他睡眠不足や偏った食事、過度の飲酒や喫煙などの生活習慣も、肌の老化やたるみを加速させます。
肥満
以前より体重が増加してしまった方も、頬の内側などを頻繁に噛みやすくなります。
先ほど、頬の内側にハリがある場合は噛みやすくなるという話をしました。
しかしハリがあったとしても、太りすぎによって頬の脂肪が増えてしまった場合、口の中を噛んでしまうリスクは高まります。
つまり急に口の中を良く噛むようになった場合、以前よりも太っている可能性が高いということです。
顎関節症
顎関節症も、口内を頻繫に噛む原因になり得ます。
顎関節症を発症すると、口の開閉が難しくなったり、痛みや異音などが生じたりとさまざまな症状に見舞われます。
また顎関節症の場合、これらの症状の影響により、顎の動きが極端に悪くなることも考えられます。
こちらはいわば患者さんの思い通りに動かせない状態であり、そのまま食事を摂ることで口内を噛みやすくなってしまいます。
もちろん顎関節症の状態で口内を噛んでしまうと、顎関節の痛みと口内の痛みで二重に悩まされることになります。
頻繁に口内を噛んでしまうデメリット
頻繫に口内を噛んでしまう状態を放置していると、当然痛みは強くなります。
噛んでしまった部分は一時的な痛みだけでなく、違和感や不快感が続くことがあります。
噛んだことによって傷ついた粘膜は、細菌の侵入口となり、口内炎だけでなく感染症のリスクも高まります。
さらに、慢性的な刺激が口腔ガンのリスクを高めることも考えられます。
ちなみに、顎関節症が口内を頻繫に噛む原因になるという話をしましたが、その逆の現象が起こることもあります。
口内をよく噛むということは、理由はどうであれ顎の筋肉や関節に負担がかかっている状態です。
このような過度な負担が続くと、顎関節症を引き起こす可能性があります。
もちろん顎関節症を発症した場合、以前よりもさらに口内を噛みやすくなるという悪循環につながります。
また頬の内側などを噛むだけでなく、舌も頻繁に噛んでしまう場合は、食事や会話が著しく不自由になります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯がすり減ることで頬の内側の肉が余り、口内を噛みやすくなることがある
・歯ぎしりをする方は特に歯がすり減りやすい
・詰め物や被せ物の感覚に慣れていないことも、口内を噛んでしまう原因の1つ
・疲労やストレスが溜まると、アゴの動きに異常をきたし、口内を噛みやすくなることがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。