虫歯で頭痛が起こったときに疑うべき3つの症状について

皆さんもご存知の通り、虫歯は歯の痛みを伴う症状であり、時には耐えがたいほどの激痛に襲われます。
そこで痛みがあるにもかかわらず放っておくと、歯だけでなく、頭にも痛みが走る可能性があります。
今回は、虫歯で頭痛が発生したときに疑うべき3つの症状について解説しましょう。

歯髄炎

虫歯で頭痛が発生した際に疑うべき症状としては、まず“歯髄炎(しずいえん)”が挙げられます。
こちらは、神経と血管が通る歯髄において起こる炎症であり、ズキズキとした痛みが特徴です。

軽度の炎症であれば、歯に永続的な損傷が残ることはないですし、頭痛も起こりません。
しかし、長年虫歯を放置したことで重度の炎症が起こっている場合は、強い頭痛が起こったり、歯髄が壊死してしまったりする可能性もあります。

もっと言えば、歯髄炎から感染症に至り、歯の根幹に腫瘍ができるおそれもあるため、決して放置してはいけません。

歯性上顎洞炎

虫歯で頭痛が起こったときに疑うべき症状には、“歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)”も挙げられます。
こちらは、奥歯の虫歯を放置したり、根管治療が不十分であったりした場合に起こる症状で、歯の根幹部分における炎症により、副鼻腔炎を発症させるというものです。

頭痛が起こるのはもちろん、頬にも同様の痛みが出るのが特徴であり、他にも以下に該当する場合は、歯性上顎洞炎の可能性が高いと言えるでしょう。

・黄色、緑の鼻水が出る
・口内から悪臭がする
・後鼻漏(鼻水が前方から出ず、絶えず喉に流れ込んでしまう症状)

脳炎

“脳炎(のうえん)”も、虫歯で頭痛が発生したときに疑うべき症状の1つです。

こちらは、脳内に白血球が入り込んで炎症を起こし、障害される症状をいいます。
具体的には“感染性脳炎”と呼ばれるものであり、その名の通り細菌が脳に感染することが原因です。

主な症状としては、頭痛や発熱などが挙げられますが、意識障害やけいれん、異常な言動や麻痺など、日常生活に支障をきたす症状が出る可能性もゼロではありません。

虫歯を放っておくことで、脳炎を発症するというケースは決して多くありませんが、疑うべき症状の1つだということは覚えておきましょう。

緊張性頭痛

虫歯で頭痛が起きたときに疑うべき症状としては、緊張性頭痛も挙げられます。

緊張性頭痛は、虫歯によって起こる噛み合わせのずれが原因で発生する虫歯です。
虫歯ができて噛み合わせが悪くなると、顎の筋肉が均等に使用されず、片側が緊張した状態になります。

また虫歯ができているときは、無意識に片方の歯しか使用しないことが多く、このような状況が続くと、歯が擦り減ってさらに噛み合わせがずれてきます。

噛み合わせの不調が続くと頭にまで不調がおよび、やがて頭痛が引き起こされます。

頭痛を引き起こす虫歯以外の症状について

頭痛を引き起こす虫歯以外の症状としては、以下の3つが挙げられます。

・歯周病
・顎関節症
・非歯原性歯痛

歯周病は、口内のプラークや歯石などによって引き起こされる感染症の一種です。
歯周病によって歯茎が炎症を起こすと、頭痛の原因になる可能性があります。

また顎関節症は、顎が痛んだり、口を開けにくくなったりする病気です。
こちらも顎だけでなく、頭や歯にも痛みを感じることがあります。

虫歯があると、虫歯がない反対側の顎で噛む癖がつき顎関節症につながりやすくなります。
つまり顎関節症は、緊張性頭痛の延長線上にあるということです。

さらに非歯原性歯痛は、歯に原因がないにもかかわらず、歯や頭に痛みを感じる症状の総称です。
例えば筋・筋膜性歯痛や神経障害性歯痛が当てはまります。

これらの非歯原性歯痛は原因の特定が非常に難しいため、症状が継続する期間も長引いてしまいがちです。
症状の慢性化を防止するためにも、できるだけ早い段階で歯科クリニックの定期検診を受けるべきです。

虫歯で頭痛が起こったときの治療法

虫歯で頭痛が発生した場合には、虫歯治療もしくは噛み合わせの治療を受けることになります。

虫歯を放置すると頭痛が激しくなったり、その他の症状につながったりするおそれがあるため、まずは歯科クリニックで虫歯治療を受けましょう。

また噛み合わせのバランスが崩れている場合、虫歯治療と同時に噛み合わせの治療を受けることも大切です。
噛み合わせが悪い状態が続けば、虫歯の痛みがなくなっても頭痛が持続する可能性があります。

噛み合わせの治療には、マウスピースを装着する治療などがあります。

ちなみに、どうしてもすぐ歯科クリニックに通院できないというのであれば、患部を冷やす方法がおすすめです。
氷や保冷剤をタオルで包み、痛みを感じる歯の部分に当てましょう。
それでも頭痛がひどいようなら、同じように頭にも当てます。

患部を冷やすと血流が抑えられ、痛みを感じにくくなります。
ただし氷を直接口に含むなどして、急激に冷やしすぎないように気をつけてください。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・虫歯でズキズキとした痛み、頭痛の症状がある場合、歯髄炎を発症している可能性がある

・奥歯の虫歯を放置した場合、歯性上顎洞炎が起こる可能性がある

・虫歯を放置することで、頭痛だけでなく意識障害や異常な言動などを伴う脳炎につながることもある

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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