虫歯を治療せずそのままにしていると、激しい痛みや炎症、口臭などさまざまな症状につながります。
当然、これらの症状が、日常生活に支障をきたす可能性もあります。
皆さんは、虫歯を放置すると“肥満”にもつながりやすいって、ご存知でしたか?
今回は、虫歯の方が太る原因について解説しましょう。
噛むことを避けるから
虫歯を放置している方が太る原因には、まず“噛むことを避ける”ということが挙げられます。
虫歯が進行すると、冷たいものや熱いものがしみるため、食べものを噛みたくてもなかなか思うように噛めません。
さらに重度の虫歯になると、歯と歯が触れ合っただけで痛かったり、何もしていなくても常に痛かったりすることもあります。
このような状況になると、多くの方は噛むことを避けるようになります。
そして、十分噛まずに飲み込むことで早食いになり、満腹感を感じるまでに時間がかかるため、ついつい食べる量が増え、太ってしまうという仕組みです。
これこそ、虫歯が引き起こす悪循環と言えるでしょう。
十分に噛めていないから
虫歯を放置すると太る理由には、“十分に噛めていない”ということも挙げられます。
“早食い=太る”ということを理解できている方は、虫歯があるとわかっていても、何とか逆側の歯でゆっくり食べものを噛み、飲み込もうとするでしょう。
しかし、片側の歯で噛むだけでは、十分に食べ物を細かく砕くことができません。
その結果、時間をかけて食事をしているにもかかわらず、太ることがあります。
ちなみに、よく噛まずに食事をすると、胃に大きな負担がかかり、胃痛や胃酸の出すぎによる胃潰瘍、胃食道逆流症などを引き起こす可能性もあります。
ストレスが溜まるから
”ストレスが溜まる“ということも、虫歯を放置すると太る原因の1つです。
“思い通りに食事ができない”ということは、普段食べるのが好きな方にとって、非常に大きなストレスでしょう。
そのような方は、なるべく歯にしみにくい、高カロリーのものを大量に摂取し、自由に食べられないストレスを発散しようとしがちです。
つまり、普段より美味しさが半減する分、たくさん量を食べて満足しようと考えるわけです。
虫歯の放置は運動不足につながることも
虫歯を放置している方は、重度に進行するまで、常に痛みと戦いながら生活することになります。
そのため、身体を動かす気が起きず、運動不足になってしまうこともあります。
また、運動不足だと消費カロリーが少なくなるため、肥満に陥りやすくなります。
具体的には、食事などから摂取したカロリーが消費カロリーを上回る状態が続くと、体脂肪が蓄積されて肥満につながります。
さらに運動不足で筋力が低下すると、基礎代謝が低下してカロリーが蓄積されやすくなり、肥満のリスクは増大します。
基礎代謝とは、安静な状態で呼吸や心拍、体温維持など生命を保つために消費される必要最小限のエネルギーのことをいいます。
全エネルギー消費量の約60%は基礎代謝が占めているため、こちらが低下するのは肥満の大きな原因になります。
虫歯による自律神経の乱れも肥満につながる
虫歯によってストレスが溜まると、自律神経が乱れて太りやすい体質になります。
自律神経が乱れると、体内の脂肪の燃焼と貯蔵をコントロールしている交感神経の働きが低下し、アドレナリンの分泌量が減少します。
すると活動量が落ち、消費カロリーも減少するため、結果的に脂肪がつきやすい身体になってしまいます。
奥歯の虫歯は特に注意が必要
奥歯はものを咀嚼するにあたって、なくてはならない歯の一つです。
そのため奥歯が虫歯になっている方は、著しく咀嚼能力が低下し、太りやすくなってしまいます。
また、奥歯の虫歯を放置することにより、健康状態の悪化にもつながります。
虫歯で奥歯が痛む場合、必然的にやわらかい食事を好むようになります。
その結果、糖質過多や低タンパク質、低ビタミンや低ミネラルにつながります。
ちなみにタンパク質の摂取が不足すると、サルコペニア(骨格筋減少症)になるリスクもあります。
サルコペニアは、筋肉の量が減少し、筋力と身体機能が低下した状態です。
こちらはつまずきや転倒の原因になり、高齢者の方はフレイルと呼ばれる要介護状態への前段階に直結します。
虫歯の放置と咀嚼の問題によるその他の症状
虫歯を放置すると噛む力が弱くなり、血糖コントロールを乱しやすくなります。
こちらは、糖尿病リスクが高まることにつながります。
また、虫歯をそのままにしていると、歯の内部にまで進行します。
歯の内部にまで進むと歯が崩れたり、折れたりする可能性があるため、食べ物を噛むことができなくなります。
さらに、虫歯菌が顎の骨にまで広がると、骨髄炎という病気を起こすこともあります。
こちらは顎の骨に起こる感染症であり、激しい痛みや発熱、しびれや膿などの症状を伴います。
ここまで症状が悪化すると、食事どころではありません。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・虫歯が痛む場合、噛むことを避けるため、早食いや肥満につながりやすい
・虫歯と逆側の歯で噛むだけだと、十分に消化できずに太る場合がある
・消化不良は胃の負担や病気にもつながる
・虫歯で思い通りに食事ができないと、ストレスが溜まって食べる量が増えやすい
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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