気を付けたい口腔内のできもの~種類や特徴について~

口の中のできものと言えば、やはり“口内炎”のイメージが強いですよね。

しかし、実際は他にも数多くのできものがあり、当然種類によって原因や特徴なども異なります。

ここからは、皆さんに注意していただきたい口腔内のできものについて解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

水疱

口腔内のできものの1つに、“水疱(すいほう)”が挙げられます。

こちらは、簡単にいうと“水ぶくれ”のことであり、あらゆる原因で発生します。

例えば、火傷によって口内の粘膜が傷付くと、その下に体液が溜まり、水疱ができることがあります。

その他では、体内に潜んでいた“水疱瘡(みずぼうそう)”のウイルスが再活性化し、水疱の形成に繋がることも珍しくありません。

入れ歯や矯正器具を使用している方は、それによる刺激によって粘膜が傷付き、できた水疱がつぶれ、潰瘍になる可能性もあるため注意しましょう。

嚢胞

口腔内のできものには、“嚢胞(のうほう)”も挙げられます。

こちらは、身体の至るところに生じる袋状のできものであり、口腔内にできるものとしては、“歯根嚢胞”が代表的です。

虫歯が進行すると、歯髄に感染が発生しますが、それが歯根の先端にまで波及すると、顎の骨に膿が溜まり、歯根嚢胞を形成してしまいます。

一度この症状が出ると、歯茎から膿が出たり、食事の際に痛みが発生したりするため、快適な生活が送れません。

放置していると、歯周辺の顎の骨を大きく溶かすこともあるため、早急に治療しましょう。

前癌病変

口腔内のできものには、“前癌病変(ぜんがんびょうへん)”も挙げられます。
こちらは、現時点では癌ではないものの、将来的に癌化する可能性のある病変を指しています。

口腔内の粘膜に発生する前癌病変には、“白板症”“紅板症”の2種類があります。

白板症は、舌や歯肉などに見られる白い角化症の病変で、こすっても剝離しません。

特に舌にできるものは、悪性化する可能性が高いとされています。

一方、紅板症は、口の粘膜が赤くなり、潰瘍や患部の隆起を伴うこともある症状です。

触れたり、刺激物を食べたりすると痛みがあり、白板症よりも悪性率が高く、およそ半分は癌化すると言われています。

腫瘍

気を付けるべき口内のできものとしては、“腫瘍”も挙げられます。

腫瘍は、細胞の遺伝子に異常が生じ、制御機構が働かなくなることで過剰に増殖した細胞の集まりです。
発生過程はさまざまで、原因としては遺伝的要因や環境要因、生活習慣などさまざまなことが該当します。

また腫瘍は、良性腫瘍と悪性腫瘍の大きく2種類に分かれます。

良性腫瘍は、他の組織に広がったり転移したりすることがなく、なおかつ増殖速度も遅いです。
こちらには血管腫や線維腫などが該当します。

一方、悪性腫瘍は浸潤や転移が見られることがあり、なおかつ急速に増殖します。
さらに、手術で摘出しても再発する可能性が高いです。
悪性腫瘍には、主に口腔がんがあります。

口内にできものができたときの対処法について

種類に限らず、口内にできものができてしまった場合、刺激を避けることや清潔を保つことを意識しましょう。

熱いものや辛いもの、酸っぱいものなど、刺激の強い飲食物は避け、やわらかく薄味のものを食べるようにしましょう。
また、よく噛んで食べることも大切です。

さらに、口内を清潔に保つために、丁寧なブラッシングやうがいも心掛けましょう。
これらのケアにより、多少はできものの症状が軽減されることもあります。

対処できない場合は専門医を受診しよう

口内にできものができてしまい、セルフケアではなかなか対処できない場合、歯科クリニックなどの専門医を受診しましょう。

歯科クリニックの場合は口腔外科がおすすめで、他のクリニックの場合は耳鼻咽喉科や皮膚科を訪れるのが良いです。
もしできものが原因で発熱や全身症状が出ているのであれば、内科を受診した方が良いこともあります。

具体的にはできものが2週間以上治らない場合や、痛み・出血・腫れ・膿などの症状がある場合、通院することをおすすめします。

その他、できものが徐々に大きくなる場合や、発熱などの全身症状を伴う場合も、通院を検討しましょう。
もちろん、できものが再発を繰り返す場合も、早急な処置が求められます。

口内にできものができた場合の注意点

口内にできものができたとき、自己判断で潰さないように注意してください。
例えば、水疱を潰すと感染のリスクが高まり、治癒が遅れる可能性があります。

またウイルス性の場合は感染にも注意しなければいけません。
例えばヘルペスウイルスや手足口病など、ウイルス性のできものは他の人に感染する可能性があります。
そのため、できものがある本人は手洗いやうがいを徹底することが求められます。

さらに家族へのウイルス感染を防ぐには、タオルや食器などの共有も控えましょう。
ちなみにこれらの共有は、歯周病の感染を引き起こすこともあります。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・口腔内のできもの1つである水疱は、火傷などさまざまな原因で発症する

・嚢胞の1つである“歯根嚢胞”を放置すると、顎の骨を大きく溶かすこともある

・前癌病変の1つである白板症は、舌にできると悪性化する可能性が高い

・もう1つの前癌病変である紅板症は、白板症よりも悪性率が高い

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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