【和光市の歯医者】小児歯科が教える離乳食の与え方について

赤ちゃんは、生後数ヶ月経過すると、ミルクだけでは栄養が足りなくなります。

そのため、適宜離乳食を与える必要がありますが、こちらはいつ頃から始めれば良いのでしょうか?

また、離乳食を与える際のポイントには、どのようなことが挙げられるのでしょうか?

今回は、小児歯科の観点から離乳食の与え方について解説します。

【小児歯科が解説】離乳食は何歳から始めれば良い?

離乳食を与え始める月齢の目安は、生後5~6ヶ月程度です。

この頃になると、赤ちゃんは周りの大人などが食事をしているのをじっと見つめたり、口をモグモグ動かしたりします。

こちらのサインが現れたら、離乳食を開始するのにちょうど良い時期です。

また、よだれがよく出るようになったり、支えてあげることで座れるようになったりすることも、そろそろ離乳食を与えて良いと判断できるサインの1つです。

小児歯科の観点で見る適切な離乳食の与え方

離乳食を与える際には、スプーンを赤ちゃんの下唇に置き、自ら上唇で挟んで食べるまで待たなければいけません。

口腔内にスプーンを押し込むように与えると、正しい摂食嚥下の機能を得ることができず、低位舌や口唇閉鎖不全を引き起こし、下顎前突などにつながるおそれがあります。

また、離乳食が硬すぎたり、一口の量が多すぎたりすると、丸飲みや水分による流し食べになり、こちらも不正咬合の原因になります。

食べ物を舌や歯槽堤で押しつぶすことなど、咀嚼の基本的な動きは、ある程度噛まなければ習得できません。

ちなみに、離乳食をきちんと噛んでいるかについては、親御さんがしっかりチェックする必要があります。

どうしても離乳食を丸飲みしてしまう場合はどうする?

どうしても赤ちゃんが離乳食を丸飲みしてしまう場合、食べ物の硬さや大きさだけでなく、食材選びや調理方法にも工夫してみましょう。

例えば、薄切りのリンゴやトウモロコシ、サヤインゲンなど、適度な噛み応えがある野菜や果物を使用することは、奥の歯茎を使用することを促せますし、ドロッとした食べ物ばかりでなく、野菜のソテーやひじき煮などの料理を試すことで、赤ちゃんがモグモグと噛む練習につながります。

遊び食べはやめさせた方が良い?

赤ちゃんは離乳食を食べるとき、遊び食べをすることがあります。

遊び食べは、文字通り食べ物をおもちゃのようにつかんだり、握ったりする行動です。
こちらは食べ物の感触を確かめたり、手や口の機能を学んだりする成長の証です。

そのため、完全にやめさせることはせず、片付けの負担を減らす工夫をしながら、心に余裕を持って見守りましょう。

もしあまりにも遊び食べがひどく、食事に集中できないようであれば、一旦食事を中断しても大丈夫です。
ただし、食事時間をある程度決めて、ダラダラ食べさせない工夫も大切です。

ダラダラ食べは口内環境が悪化するだけでなく、肥満の原因にもなり得ます。

食べ物を吹き出してしまうのはなぜ?

赤ちゃんが離乳食を噛む前に吹き出したり、ベーッと出してしまったりする場合、その食べ物の感触にまだ慣れていないことが多いです。
決して嫌がっているわけではないため、焦らず赤ちゃんの気持ちになって色々な工夫をしてみましょう。

特に食感が独特なものについては、つい反射的に吐き出してしまうことが多いですが、そこで諦めてはいけません。
例えば、過去に食べたことがあるものと混ぜて食べ与えるなどすれば、そこまで違和感なく食べてもらえる可能性が高いです。

ただし、まだ上下の歯がほとんど生えていない場合、硬さのあるものをあげても噛めずに吐き出してしまう可能性が高いです。

離乳食は毎回完食しなければいけない?

赤ちゃんに与える離乳食は、必ずしも毎回完食しなければいけないというわけではありません。

特に離乳食初期・中期に関しては、母乳やミルクから栄養の大部分を摂取するため、まずは食べ物に慣れさせることが大切です。
食べなくても心配しすぎず、無理強いは禁物です。

ただし、母乳やミルクの飲みもかなり悪いという場合、十分な栄養が摂取できない可能性があります。
このような状況が続くようであれば、かかりつけの小児科などに相談することも検討しましょう。

食事は赤ちゃんと一緒に摂った方が良い?

赤ちゃんの離乳食は、そのためだけの時間をつくりがちですが、実際は家族も一緒に赤ちゃんとご飯を食べるのが望ましいです。

大人と一緒に食卓を囲むことにより、大人が食べている様子に興味を持ち、食欲が増すことがあります。
また大人の食事のときの動きを真似したりするのも、赤ちゃんの成長にとっては非常に大事なことです。

そのため、可能な範囲で家族と同じ時間や場所で食事をする環境を整えてみましょう。

例えば夫婦で赤ちゃんとご飯を食べるのであれば、両親のどちらかがご飯を食べ与え、どちらかが赤ちゃんの顔を見ながら一緒にご飯を食べるという方法がおすすめです。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・赤ちゃんに離乳食を与え始める月齢の目安は生後5~6ヶ月程度

・小児歯科の観点から、赤ちゃんに離乳食を与える際は、口腔内にスプーンを押し込んではいけない

・丸飲みや水分での流し食べは不正咬合につながるおそれがある

・どうしても離乳食を丸飲みしてしまう場合は、食材選びや調理方法も工夫すべき

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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