小児歯科で実施される矯正治療には、成長期に顎の骨格を整える一期治療、永久歯が生え揃ってから歯を移動させる二期治療があります。
また、こちらは正しい発育を促すことや、歯と顔のバランスを整えることなどにつながりますが、実際受ける際には注意したいことがいくつかあります。
今回はこちらの内容について解説します。
費用が高くなる可能性がある
小児歯科の矯正治療は、基本的に自由診療です。
そのため、歯科クリニックによって治療費にはバラつきがあります。
また、治療費は小児の症状、使用する矯正器具の種類、治療方法などによって異なり、場合によっては高額になることもあります。
ちなみに、治療費以外にも、以下のような費用が発生することがあります。
・初回カウンセリング料(近年は無料相談のケースが多い)
・検査料
・診断料
・調整料
・観察料
・メンテナンス費用 など
虫歯のリスクが高まる場合がある
小児歯科で矯正治療を受ける場合、治療の方法によっては、これまでよりも虫歯のリスクが高まる可能性があります。
歯に固定するタイプの矯正器具を使用する場合、食事や歯磨きの際にも取り外すことができません。
また、このような矯正器具は、歯との間にプラークがつきやすく、ブラッシングもしにくいため、虫歯のリスクが高くなります。
もちろん、誰でも少なからず虫歯になるリスクは抱えているものですが、固定タイプの矯正器具を使用する場合は、特にクリーニングや定期検診を意識して行う必要があります。
子どもが非協力的な可能性がある
小児歯科で矯正治療を受ける場合、子どもから「矯正をしたい」と言い出すことはほとんどありません。
矯正治療の多くは、親御さんが子どもの歯並びを改善させるためなどに受けさせます。
しかし、このとき必ずしも、すべての子どもが協力的であるとは限りません。
中には、矯正器具をつけることへの抵抗があったり、見た目が気になったりする子どももいるため、親御さんはしっかりと矯正治療のメリットを伝え、納得してもらう必要があります。
また、歯科クリニックに相談し、どうすれば納得してもらえるかについて、アドバイスをもらうのも有効です。
一時的に見た目が悪くなる可能性がある
小児の矯正治療は、当然歯並びを良くすることを目的に行われますが、一時的に見た目が悪くなる可能性があります。
なぜなら、矯正治療で歯を動かしている途中は、どうしても中途半端な歯並びになってしまうからです。
また特に注意したいのは、ワイヤー矯正を行う場合です。
一般的なワイヤー矯正は、歯の表面にワイヤーやブラケットという部品を装着します。
このとき、ワイヤーやブラケットは外から見える状態であるため、口元の審美性は必然的に失われてしまいます。
ワイヤー矯正の装置は、マウスピースなどと違って取り外しができないため、歯がしっかり移動するまではこのような状況が続きます。
ケガをするリスクがある
小児矯正に使用する装置では、主に金属やセラミックなどの硬い素材を使用しています。
そのため、顔面が接触した際に口の中を切ってしまうおそれがあります。
特に空手やサッカー、ラグビーといったコンタクトスポーツは、他者と接触する機会が多いため、注意しなければいけません。
ちなみに矯正装置を装着すると、違和感や痛みを覚え、プレーに支障が出てしまう可能性もあります。
よって、大事な大会の直前などに矯正治療を始めるのは避けるべきです。
習慣によっては効果が限定的になる
子どもにうつ伏せ寝や頬杖といった習慣がある場合、小児矯正の効果が限定的になる可能性があります。
特にうつぶせ寝や頬杖は、顔や口元の筋肉に無意識に圧力をかけ、骨格に悪影響を及ぼすことが考えられます。
例えばうつぶせ寝をすると布団に顔が押し付けられ、顎の位置が変わったり歯並びに影響を与えたりします。
また頬杖をつくと顎に一方的な負担がかかり、歯並びの乱れや顎の成長の偏りを引き起こしやすいです。
そのため、小児歯科で矯正治療を始める場合、こういった悪習慣を改善した上で行うのが理想的です。
親御さんの協力も必要
先ほど、小児歯科の矯正治療は、子どもの協力が必要不可欠だという話をしました。
また小児矯正の成功には、親御さんの積極的な協力とサポートも求められます。
特に、自宅で行うブラッシングなどの口腔衛生管理や、定期的な通院のサポートが必要です。
さらに、子どものメンタル面でのサポートやモチベーションを保つことも重要です。
ちなみに親御さんのサポートの方法としておすすめなのが、親御さんも一緒に矯正治療を受けるという方法です。
お母さんやお父さんも同じ治療を受けているとなれば、子どもと同じ境遇になれますし、子ども自身も納得して治療を受けてくれる可能性があります。
もし親御さんの歯並びや歯の状態に問題がないのであれば、歯石取りなどのクリーニングを子どもと一緒に受けるのでも構いません。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・小児歯科の矯正治療は基本的に自由診療のため、費用が高額になることもある
・矯正治療ではカウンセリング料や検査料、診断料などがかかることもある
・歯に固定するタイプの矯正器具を使用する場合、これまでより虫歯のリスクが高まる可能性がある
・すべての子どもが矯正治療に協力的であるとは限らない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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