【小児歯科が解説】小児の歯並びや噛み合わせに関するコト

自身の子を持つ親御さんは、できる限り子どもの歯並びが良くなってほしい、噛み合わせの問題なく成長してほしいと願うものです。

また、良い歯並びや噛み合わせを実現させるために、親御さんはさまざまな知識を持っておく必要があります。

今回は、小児歯科の観点から、歯並びや噛み合わせに関することをいくつか解説します。

永久歯が乳歯の内側から生えるケースについて

小児の歯が生え変わるとき、下の前歯の永久歯が乳歯の内側に生えるというケースがあります。

このとき、親御さんは少し心配になるかもしれませんが、こちらは小児歯科の観点から言うと、今後の歯並びや噛み合わせに影響を与えるようなものではありません。

下の前が舌側に放出する方式は、エスカレーター式交換と呼ばれるものであり、正常な交換様式です。

この後、永久歯は斜め前に伸び、そのタイミングで乳歯は抜け落ちます。

また、乳歯が抜け落ちた後は、永久歯が前に移動し、歯列の中に入りますが、顎と永久歯の大きさが不釣り合いである場合は、少し歯並びが悪くなる可能性があります。

そのため、下の永久歯が生え変わったタイミングで、一度小児歯科において歯並びを診てもらうことをおすすめします。

上下の永久歯が逆の噛み方になっているケースについて

通常、小児の咬合は、下の歯列に対して上の歯列が覆いかぶさるような位置関係ですが、稀にこれらの位置が逆になっていることがあります。

こちらは交叉咬合(こうさこうごう)と呼ばれるものであり、顎関節や咀嚼筋への負担が大きくなるため、あまり良い状態ではありません。

特に、前歯の中央である中切歯が逆に噛んでいる場合、なるべく早く歯科クリニックに相談することをおすすめします。

こちらを放置していると、歯根吸収や歯肉退縮など、深刻な症状につながるおそれがあります。

癒合歯があるケースについて

癒合歯とは、1本ずつ別々に生えてくるはずの歯が、2本くっついた状態で生えてくることをいいます。

癒合歯自体に大きな問題はありませんが、癒合している部分には汚れが溜まりやすいため、小児歯科でシーラントを行い、虫歯を予防しましょう。

また、癒合歯の場合、後から生えてくる永久歯の本数が足りない場合があるため、生え変わりのチェックも行うべきです。

歯科医師に「様子見」と言われたケースについて

小児の歯がデコボコしていたことが理由で歯科クリニックに通ったものの、歯科医師に「様子見」と言われるケースがあります。
こちらに関しては、歯科医師の言っていることは間違っていない可能性が高いです。

小児の歯並びの中でもデコボコの治療については、大人の歯並びになる過程で改善する場合もあります。

ただし症例によっては、乳歯列のときに早めに治療を行った方が、予後が良くなることも考えられます。
そのため、心配な場合はかかりつけの歯科クリニックとは別のところに相談しても良いでしょう。

MFTについて

MFTは口腔筋機能療法とも呼ばれるもので、歯が並ぶ位置を決める舌・頬・唇の筋肉を鍛えて正しく機能するように導くトレーニングです。
歯科クリニックによっては、小児矯正でもっとも重視されることも多いです。

MFTで鍛えた筋肉は、天然の後戻り防止装置となるため、治療後も正しい噛み合わせを維持できます。

一般的には筋肉をつける、水を正しく飲み込む、食べ物を正しく噛んで飲み込むというように、徐々にステップを踏んでいきます。
最終的には、クラッカーなどある程度硬さがあり、パサつきやすいものを口内に残すことなく飲み込める状態を目指します。

小児自身が気にならない歯並びについて

親御さんは気になっているものの、小児自身は多少問題のある歯並びでも気にならないというケースがあります。

不正咬合の状態にもよりますが、小児が矯正治療を希望していない場合、小児期からの長い治療期間を耐え抜くのは大変です。
そのため、本人が自身の歯並びと向き合い、治療をしたいという気持ちになってから治療を開始することをおすすめします。
年齢によって治療方法は変わってきますが、矯正治療自体は何歳からでも始められます。

また歯科クリニックでは、小児期から始める場合と大人になってから始める場合の治療方法の違いなどを説明してもらえます。

不正咬合の自然治癒について

小児の不正咬合については、自然治癒する場合もあります。

例えば永久歯の生え変わり時期に成長によって歯が並ぶスペースが確保できたり、歯の萌出方向が改善したりした場合、自然治癒することが稀にあります。

しかし、受け口や顎のスペースが狭く歯がきちんと並ばない場合などは、ほとんど自然治癒が見込めません。

またこのような状態を放置すると、問題が重症化・複雑化してしまうこともあります。
歯ブラシが届かない部分や磨きにくい部分があると、虫歯や歯周病のリスクは高まりますし、食事の不便さにもつながります。

親御さんだけでは判断が難しいため、一度小児歯科もしくは矯正歯科の診察を受けることをおすすめします。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・永久歯が乳歯の内側から生えることは、今後の歯並びや噛み合わせに影響を与えることではない

・中切歯の噛み合わせが逆になっている場合、早めに小児歯科で歯並びを診てもらうべき

・癒合歯は汚れが溜まりやすいため、小児歯科でシーラントを行い、虫歯を予防すべき

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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