“虫歯=歯が痛くなる”といったイメージを持っている方は多いかと思いますが、痛みや症状の詳細に関しては、意外と知られていないことが多いです。
そのため、歯に何かしらの違和感があったとき、「これは虫歯なのか?」と疑問を抱く方も少なくありません。
今回は、虫歯の痛みや症状に関するさまざまな疑問を解決します。
詰め物をしたところが痛いのは虫歯?
以前、虫歯治療に伴って詰め物をした部分から、ある日痛みが出るというケースは少なくありません。
このような場合、詰め物をしてからまだ日が浅ければ、虫歯ではない可能性が高いため、それほど気にする必要はありません。
数ヶ月程度経過すれば、少しずつ痛みは落ち着きます。
逆に、詰め物をしてから数年など、かなりの時間が経過しているのであれば、詰め物と歯の隙間から虫歯になっている可能性があるため、一度歯科クリニックを受診することをおすすめします。
「虫歯がある」と言われたのに痛くないのはなぜ?
歯科クリニックにおいて「虫歯がある」と言われたにもかかわらず、特に痛みを感じないというケースがあります。
こちらの理由としては、まだ虫歯が初期段階であることが挙げられます。
虫歯の進行具合には、C1、C2、C3といった段階があり、C1にあたるエナメル質の虫歯は、痛みやしみるといった感覚がないため、歯科クリニックで指摘されない限り、なかなか自分では気付くことができません。
また、逆に虫歯が進行しすぎたがために、神経が感染して死滅している場合も、痛みやしみる感覚がなくなることがあります。
こちらを放置しておくと、死滅した神経が中で腐敗して炎症を起こす可能性があるため、注意が必要です。
虫歯が原因で発生する全身疾患は?
虫歯を放置していると、虫歯のバイ菌が血管内に入り、菌血症という全身疾患を引き起こす可能性があります。
また、虫歯は掌蹠膿疱症という手や足に水疱ができる病気や、リウマチ、心筋梗塞、脳梗塞の原因にもなり得ると言われています。
ちなみに、虫歯で尖っている歯に粘膜が当たり続けると、潰瘍を起こしたり、ひどい場合にはガンが発生したりすることもあるため、決して放置してはいけません。
虫歯が自然に治ることはある?
一度発症した虫歯は、残念ながら自然に治ることはありません。
初期段階であれば、迅速に歯科クリニックで治療を受けることで改善できる可能性があります。
このとき、基本的に歯を削ることはありません。
しかし、初期段階から長い間放置された虫歯はやがて神経にまで達し、こうなると神経や歯自体を取り除く治療が必要になります。
また重度にまで進行すると、治療回数や治療費などの面でも患者さんの負担は大きくなるため、少しでも異常があればすぐ歯科クリニックを受診しましょう。
定期検診を受けていれば、初期段階の虫歯を発見しやすくなります。
虫歯の意外な初期症状って?
虫歯の初期症状としてよく知られているのは、歯が茶色くなったり、歯の溝に黒い点が見られたりするものです。
その他の初期症状としては、歯と歯茎の間が白くなることや、フロスが引っかかりやすくなることなどが挙げられます。
歯と歯の間が白くなるのは、歯の表面を覆っているエナメル質が少しずつ溶け始めているからです。
こちらの段階で痛みを感じることはありません。
また歯ブラシでブラッシングをした後、仕上げとしてフロスを使用している方もいるかと思いますが、いつも同じところで引っかかる方は虫歯があるかもしれません。
虫歯を発症すると歯の表面がざらつくため、フロスが引っかかりやすくなるという仕組みです。
重度の虫歯の症状は?
重度の虫歯とは、歯の神経やその近くまで虫歯に侵された状態をいいます。
神経が炎症を起こすことから、何もしなくてもズキズキと痛むようになり、さらに進行すると神経組織が完全に死滅します。
神経が死滅すると痛みを感じなくなりますが、こちらは虫歯が完治したわけではありません。
放置すると細菌感染が根の先から骨にまで及び、骨が溶けて膿の袋が形成されます。
ちなみに重度の虫歯は歯を保存するのが難しいケースも多く、虫歯が歯茎の下の骨にまで悪影響を与えている場合、通常は感染源を除去するために抜歯が行われます。
子どもの虫歯の特徴は?
子どもの虫歯には、大人の虫歯とは異なる特徴があります。
子どもの歯は大人の歯に比べて溝が細かく、複雑な形をしています。
そのため、溝の部分に汚れが残りやすく、虫歯のリスクが高まります。
また乳歯や生えたばかりの永久歯は、大人の歯にくらべてまだやわらかいです。
歯は時間の経過とともに、石灰化の年月が長くなると少しずつ硬くなっていきます。
子どもの歯はまだ石灰化の年月が浅いため、その分虫歯も発症しやすくなっています。
さらに子どもの歯は、大人の歯よりもエナメル質が薄いことから、虫歯の進行が早い傾向にあります。
気付いたら中程度にまで進行していることも珍しくありません。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・詰め物をしてから時間が経った部分が痛む場合、その下が虫歯になっている可能性がある
・「虫歯がある」と言われたのに痛みを感じない場合、まだ初期段階の可能性が高い
・虫歯を放置すると、菌血症や心筋梗塞、脳梗塞やガンなどの疾患につながるおそれがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。