普段の食事において、ついつい早食いをしてしまいがちな方は少なくないと思います。
「早くお腹を満たしたい」「少しでも食事以外の時間を確保したい」など理由はさまざまですが、こちらはあまり良いことではありません。
今回は、早食いのデメリットと主な対策について解説したいと思います。
早食いの目安について
どれくらいのスピードで食事を摂るのが早食いにあたるのかについて、明確な定義はありません。しかし、一般的には食事時間が10~15分未満で、咀嚼回数が極めて少ない場合が該当します。
詳しくは後述しますが、早食いにはさまざまなデメリットがあります。
そのため、1口につき20~30回程度噛み、ゆっくりと食事を摂るのが理想的です。
ちなみに、食事に時間をかけすぎるのも良くありません。
具体的には長くても90分以内に収めなければ、口内が酸性になっている時間が長くなり、虫歯などのリスクが高まります。
早食いのデメリットについて
早食いのデメリットとしては、まず虫歯のリスクが高まることが挙げられます。
ものを噛む回数が少ないと、唾液の分泌量は減少します。
唾液には、口内の細菌を洗い流す自浄作用がありますが、分泌量が少なくなれば当然こちらの作用も弱くなり、虫歯や歯周病、口臭などのリスクは高まります。
また、胃腸に負担がかかることも、早食いのデメリットの1つです。
唾液には、デンプンを分解して消化吸収をサポートするアミラーゼという消化酵素が含まれていて、分泌量が減少することでこちらの働きが弱くなると、胃腸は消化吸収をするために、より多く働かなければいけなくなります。
ちなみに、満腹感を得られずに太りやすくなることや、脳の働きが鈍くなることなども、代表的な早食いのデメリットです。
糖尿病のリスクを高めることもデメリット
早食いは虫歯や歯周病といった口内の病気だけでなく、糖尿病のリスクを高める原因にもなります。
具体的には、遺伝的要因と生活習慣の乱れが重なって発症する2型糖尿病のリスクが高くなります。
食事を摂取すると血中のブドウ糖が増え、血糖値が上がります。
すると血糖値を抑制するために、膵臓からインスリンが分泌されます。
また早食いをすると、食後の血糖値が上昇しやすくなり、膵臓は短時間で必要なインスリンを分泌しなければいけなくなります。
その結果膵臓に負担がかかり、疲弊した結果、やがて血糖値をコントロールできなくなります。
こちらが2型糖尿病です。
ちなみに糖尿病を発症すると、唾液の分泌量が減少して歯周病のリスクも増大します。
マナーが悪い人と思われるリスクも
自宅であればまだ良いですが、公共の場で早食いをしてしまうと、マナーが悪い人と思われてしまう可能性もあります。
例えば職場の上司と食事をする際、あまりに早食いになってしまうと、不快感を与えてしまうおそれがあります。
“食事はゆっくり噛んで食べるもの”という教えが、日本では古くから定着しているからです。
また早食いによって形成されたイメージ像が、実際はそうでなくても勝手に形作られてしまうことも考えられます。
具体的には“親のしつけがなっていない=だらしない”といったイメージ像です。
早食いを防止するための主な対策について
早食いにはいくつかのタイプがあります。
まず、あまり噛まずに飲み込む癖があり、どうしても早食いになってしまうという方は、噛む回数の目標を立ててみましょう。
食べ物の形がなくなってから、飲み込むことを意識するのも効果的です。
また、食べるスピードはそれほど早くないにもかかわらず、一口の量が多いことで早食いになってしまっている方は、箸で食べ物を掴む際、いつもより少なめに取るようにしましょう。
カレーなどを食べる際は、いつもより小さいスプーンを使用するのも1つの手です。
その他、美味しいものをどんどん食べたいという方は、次から次へと食べ物を口の中に入れ、早食いになってしまうこともあります。
このような場合は、先の食べ物を飲み込んでから、次のものを口に入れることを意識すべきです。
箸やスプーンが止まらないという場合は、一口ごとにこれらの道具を置き、しっかりと咀嚼する時間を作ることも重要です。
食材を工夫するのもおすすめ
早食いを防止するためには、食べ方だけでなく、食材を工夫するのもおすすめです。
例えば食材のサイズや硬さについては、意識して工夫すべきです。
食材は千切りよりも乱切りにするなど、大きめのサイズにすることで、咀嚼の回数が増えて早食いを防ぎやすくなります。
また噛み応えのある食材を積極的に摂ることでも、自然と噛む回数を増やせます。
特に野菜については火を通さない方が噛み応えはあるため、生のままでも食べやすいものは生野菜として摂取すると良いでしょう。
その他には根菜やキノコ、海藻などの食物繊維が多い食材、タコやイカなど弾力性の高い食材もおすすめです。
まとめ
今回の記事のポイントは以下になります。
・早食いには虫歯や歯周病、口臭などのリスクを高めるというデメリットがある
・胃に負担がかかること、太りやすくなることなども早食いのデメリット
・噛む回数や箸、スプーンで一度に取る量を意識することで、早食いは改善される
・食事中は、一口ごとに箸やスプーンを一度置くことも重要
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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