セレック治療は、最先端のコンピューター技術により、セラミックの詰め物や被せ物を設計、製作する治療法です。
こちらの治療には、短時間で完了することや、高品質な補綴物が手に入ることなどのメリットがありますが、注意点したい点もあります。
今回は、セレック治療の注意点をいくつか解説します。
衝撃に弱い
こちらは、セラミック全般に言えることですが、セレック治療で作製した補綴物は、陶器と同じ素材でできています。
そのため、丈夫で長持ちし、経年による変色もほとんど見られませんが、衝撃にはあまり強くありません。
例えば、人とぶつかって顔が身体の一部に当たったり、転倒して顔を強打したり、ボールが当たったりといったことが起こると、人工歯が破損してしまう可能性があります。
ただし、セレック治療であれば、仮に破損してしまったとしても、コンピューター上に患者さんのデータが残っているため、修復にはそれほど時間がかかりません。
適応できないケースがある
セレック治療はコンピューターが作業するため、低価格かつ短期間で、高いクオリティの補綴物をつくることができます。
しかし、残念ながらすべての症例に対応できるわけではありません。
そのため、患者さんの状態によっては、セレック治療を受けたいものの、他の治療法を選択せざるを得ないという方が出てきます。
例えば、ブリッジに使用するのは難しいとされていて、こちらは長期使用による残存率に関するデータの蓄積が少ないことなどが理由です。
保険が適用されない
銀歯やプラスチックの補綴物は保険が適用されるため、患者さんの3割負担になるのに対し、セレック治療は自由診療のため、全額自己負担です。
一般的なセラミック治療と比較したとき、セレック治療は機械の力で自動的に補綴物の製作を行うため、ある程度コストを下げることができます。
しかし、保険が適用されないことには変わりないため、最終的な支払額が高くなってしまう可能性があります。
具体的には、詰め物の場合1本40,000~60,000円、被せ物の場合50,000~80,000円程度の費用がかかります。
そのため、治療を行う前には、しっかりと歯科クリニックに見積もりを出してもらうことが重要です。
前歯の繊細な色調表現は難しい
セレックは、一色に統一された既製のセラミックブロックを機械が削り出して作製するシステムです。
そのため、天然歯が本来持っている、先端にいくほど透明感が増すような複雑なグラデーションや、部分的な白い斑点、数色の色合いが入り交じる繊細な色調を完全に再現することは困難です。
奥歯であればそれほど目立ちませんが、顔の印象を左右する前歯の治療では、周囲の歯から浮いて不自然に見えてしまうことがあります。
より高い審美性と自然な見た目を求める場合は、削り出した後に歯科医師や技工士が手作業で色を塗るステップを追加するか、オーダーメイドのセラミック治療を選択する必要があります。
すべての症例で即日完了するわけではない
最短1日で白い歯が入る“ワンデートリートメント”はセレックの最大の魅力ですが、
すべての患者さんに適用できるわけではありません。
即日で完了するのは、初期の虫歯で治療部位の歯茎が健康であり、1本だけのシンプルな詰め物で作製がスムーズに進んだ場合など、条件が良いケースに限られます。
虫歯の範囲が広くて神経の処置が必要な場合や、歯周病で歯茎から出血があり型取りができない場合は、まずはそれらの治療を最優先するため、数週間から数ヶ月の通院が必要です。
またクリニックの予約状況や、複数本の歯を同時に治療する場合、機器が混雑している場合なども、従来通り型取りをしてから次回以降の予約で装着する流れになります。
削る量が金属の詰め物よりも多くなる
セレックで使用するセラミックは、金属に比べて素材そのものの柔軟性がありません。
そのため、薄く削ってしまうと噛んだときの圧力で簡単に割れてしまいます。
また修復物の耐久性と接着強度を確保するためには、詰め物や被せ物にある程度の厚みを持たせることが絶対条件となります。
その結果、虫歯になっている部分だけでなく、セラミックをはめ込むためのスペースを作るために、周囲の健康な歯の頭を多めに削り落とさなければならない場合があります。
歯は一度削ると二度とも元には戻らないため、自分の健康な歯をできるだけ多く残したいと考えている方にとっては、これが一つのデメリットや注意点となります。
セレックシステムが難しい場合がある
セレック治療では、従来のような粘土を使った型取りではなく、口の中を専用の3D光学カメラでスキャンするデジタル型取りを行います。
この最新技術は非常に精密ですが、水気に弱いという弱点があります。
スキャンする歯の表面に唾液や血液、呼気による曇りが付着していると、光が乱反射して正確な形状を読み取ることができません。
歯茎が腫れていて出血しやすい状態や、口を開けるのが苦手で奥歯のカメラが届きにくい部位、光が届かないほど深い位置にある虫歯などは、光学スキャン自体が難航する原因になります。
そのため口の状態によっては、従来通りの粘土を使った型取りが必要になるケースもあります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・セレック治療で作製した補綴物は陶器でできているため、衝撃には弱い
・コンピューター上に患者さんのデータが残っているため、修復にはそれほど時間がかからない
・ブリッジなど、セレック治療には適応できないケースがある
・セレック治療は自由診療のため、費用が高額になる可能性がある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。