妊娠中であっても、妊娠していないときと同じように、虫歯や歯周病といった口内トラブルは起こり得ます。
また、親知らずの痛みが出ることもありますが、このような場合はどう対処すれば良いのでしょうか?
今回は、妊娠中の親知らずの痛みにおける原因や対処法などについて解説します。
妊娠中に親知らずが痛くなる原因
妊娠中は、親知らずの痛みが出やすくなります。
こちらは、味覚の変化により、食生活が乱れがちになることや、悪阻(つわり)の影響でブラッシングがおろそかになりやすいことなどが原因です。
また、妊娠中は唾液の性質がネバネバとした粘着性のものに変わり、こちらが自浄作用を低下させることや、単純に免疫力が落ちやすいことも、親知らずの痛みにつながります。
妊娠中に親知らずが痛くなったときの対処法
妊娠中、どうしても親知らずが痛くなった場合は、薬や治療法は慎重に選択しなければいけません。
まずは、かかりつけの歯科クリニックを受診するようにしましょう。
妊娠中は、特定の薬の服用が制限されることもありますが、安全な鎮痛薬を服用できる場合もあります。
また、歯科クリニックの前に産婦人科に問い合わせ、服用できる薬を聞いておけば、よりスムーズに対応してもらえます。
患部の外側から冷やすのも有効
親知らずの周辺がズキズキと激しく痛むときは、患部を冷やすことで一時的に痛みを和らげることができます。
冷たい水で濡らしたタオルや、タオルで包んだ保冷剤などを、痛む側の頬の外側からそっと当ててください。
冷やすことで局所の血管が収縮し、血流が緩やかになるため、炎症による腫れや痛みの神経の興奮を鎮める効果が期待できます。
ただし氷を直接肌に長時間当て続けたり、急激に冷やしすぎたりすると、かえって血行障害を起こしたり痛みが強くなったりすることがあるため注意が必要です。
また、これはあくまで痛みを一時的に麻痺させるための応急処置にすぎません。
歯茎の内部にある細菌や炎症の原因そのものが消えるわけではないため、冷やして落ち着いたとしても、必ず歯科クリニックの受診を検討しましょう。
食塩水や低刺激のうがい薬で口内を消毒するのもおすすめ
親知らずの痛みの多くは、歯と歯茎の隙間に溜まった食べカスや細菌による炎症です。
口の中の細菌を減らすために、食後のうがいを徹底しましょう。
ぬるま湯に少量の塩を混ぜた食塩水や、歯科クリニックで妊婦さん向けに処方された殺菌効果の高い低刺激のうがい薬を使用するのがおすすめです。
うがいをすることで、患部を刺激せずに細菌の繁殖を抑え、炎症の悪化を防ぐことができます。
ただしアルコール成分が強く含まれる刺激性の高い市販の洗口液は、妊娠中の粘膜や、敏感になっている歯茎を刺激して痛みを強めるおそれがあるため避けてください。
つわりがひどくて奥歯までブラッシングするのが難しい時期でも、こまめな優しいブラッシングとうがいを組み合わせることで、最低限の清潔を保ちやすくなります。
可能であればやわらかい歯ブラシで優しく掃除する
痛むからといってその周辺の掃除を全く行わないと、汚れがさらに蓄積して炎症が一段と悪化してしまいます。
親知らずの周辺は、ヘッドが小さく毛先のやわらかい歯ブラシを使い、毛先を優しく当てて食べカスやプラークを取り除きましょう。
力を入れすぎると腫れた歯茎を傷つけて出血や痛みの原因になるため、軽い力で小刻みに動かすのがコツです。
つわりが原因で歯ブラシを口の奥に入れるだけで吐き気がする場合は、無理をせず体調が良いタイミングを見計らって行ってください。
また、顔を少し下に向けて磨くと、喉に唾液や泡が溜まりにくくなり、悪阻中のブラッシングが楽になります。
清潔に保つことが、親知らずの炎症を鎮めるもっとも根本的なホームケアです。
睡眠時は枕や頭の位置を高くして寝る
親知らずの痛みは、昼間よりも夜間や就寝時に強く感じられることがよくあります。
これは、横になることで頭部に血液が流れ込みやすくなり、歯茎の血管がうっ血して神経を強く圧迫するからです。
夜間に痛みが強くて眠れないときや横になるときは、枕をいつもより少し高くしたり、背中にクッションを当てて上半身を少し起こした姿勢をとったりするのが効果的です。
頭の位置を心臓よりも高く保つことで、頭部への急激な血流の集中を防ぎ、ドクドクとする拍動性の痛みを和らげることができます。
妊娠後期は仰向けで寝るのが苦しい時期でもあるため、横向きの楽な姿勢をとりつつ、頭の高さを調整して、少しでも睡眠時間が確保できるように工夫してみてください。
妊娠中の親知らずの治療について
妊娠初期(0~15週)に親知らずが痛む場合は、痛みや炎症を和らげる応急処置が推奨されます。
こちらの時期は、切迫流産のリスク等を下げるためにも、治療を避けるのが無難です。
具体的には、歯科クリニックで歯茎の洗浄や歯のクリーニングを行います。
また、妊娠中期(16~27週)は、簡単な抜歯であれば処置が可能になります。
ただし、簡単に抜けない難抜歯であったり、悪阻が治まっていなかったりする場合は、無理をせず応急処置を行います。
内容としては、妊娠初期に行うようなものと同じです。
そして、妊娠後期(28~40週)は、歯科クリニックの医師、産婦人科の医師と相談の上、処置内容を決定します。
しかし、こちらの時期はかなりお腹が大きくなっているため、治療のために長時間同じ体勢を取るのが難しくなります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・妊娠中は食生活の乱れやブラッシング不足により、親知らずが痛みやすくなる
・妊娠中に親知らずが痛くなったら、すぐに歯科クリニックを受診する
・妊娠初期は簡単な応急処置、妊娠中期は簡単な抜歯によって対応することが多い
・妊娠後期はお腹が大きいため、治療のために長時間同じ体勢を取るのが難しい
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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