インビザラインは、透明素材のマウスピースを使用し、目立たずに行うことができる矯正治療の一種です。
しかし、こちらは必ずしも想定通りの結果が得られるとは限らず、場合によっては失敗してしまうこともあります。
ここからは、インビザラインにおける主な失敗例とその対策について解説したいと思います。
希望の期間内に完了しなかった
インビザラインは矯正治療であるため、理想の歯並びを手に入れるまでには、ある程度の期間が必要です。
具体的には、2~3年が一般的で、短い場合でも1年半程度はかかります。
しかし、場合によっては、さらに治療が長期化し、希望の期間内に完了しないことも考えられます。
こちらは、主にマウスピースを外している時間が長く、矯正がうまく行われないことが原因であるため、歯科クリニックから指示された装着時間(1日20~22時間程度)は必ず守らなければいけません。
虫歯、歯周病を発症した
インビザラインを行っている最中には、虫歯や歯周病を発症する可能性もあります。
もし、治療中に虫歯や歯周病を発症すると、矯正治療は中断され、先にそれらの治療を行わなければいけません。
もちろん、こちらは矯正期間の延長や、余計な費用がかかることにつながります。
そのため、インビザラインの治療期間中は、毎日のブラッシングとマウスピースの手入れを怠ってはいけません。
食べカスや汚れがマウスピースに付着し、細菌が増えると、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。
また、天然歯のブラッシングについては、必ず食事の直後に行わなければいけません。
後戻りが起こった
インビザラインによる矯正治療が完了し、歯並びが改善されたものの、そこから数ヶ月経過したタイミングで、後戻りが起こることがあります。
こちらは、リテーナー(保定装置)の未装着、装着時間の減少が主な原因です。
インビザラインで歯の移動が完了した後は、リテーナーという装置を装着し、キレイに揃った歯並びを維持しなければいけません。
そのため、歯が移動したからといって、通院をやめてしまったり、保定処理を省いたりすると、徐々に元の歯並びに戻ってしまいます。
歯根が露出した
インビザラインを受けることにより、歯根が露出してしまうケースがあります。
歯は本来顎の骨に埋まっていますが、骨の許容範囲を超えてしまうと歯根部が見えてきてしまうことがあります。
こちらは矯正により歯に無理な力がかかり、過剰な歯槽骨の吸収を引き起こすことが原因です。
また歯根が露出すると、ブラックトライアングルと呼ばれる隙間が形成されることもあります。
ブラックトライアングルが形成されると、それを目立たないようにするための治療が必要になることも考えられます。
歯を支える歯槽骨がない場合や、無理な計画を立てた場合にはこのような失敗が起こりやすいです。
そのため、なるべくインビザラインの実績が豊富な歯科医師を選ぶようにしましょう。
噛み合わせが悪化した
インビザラインで矯正を行った後、奥歯の噛みにくさを感じるというケースがあります。
こちらはマウスピースの特性として、奥歯の噛み合わせが弱くなりやすいということがあるのが原因です。
また前歯の歯並び以外に、奥歯の噛み合わせを考慮したシミュレーションの作成が行われていない場合も、奥歯の噛み合わせがしっかりと当たらないことがあります。
奥歯との関係性を考慮したシミュレーションを行い、なおかつ来院の都度患者さんの奥歯の噛み合わせをチェックしてくれる歯科医師であれば、このようなことは起こりません。
また弱くなった奥歯の噛み合わせも、最終的にゴム掛けなどを行ってもらうことで、しっかり噛み合うようになります。
想定外の費用がかかった
インビザラインの治療費は、あらかじめ伝えられた金額では済まないことがあります。
例えば治療期間が延びると追加のマウスピースが必要になり、その分費用がかかります。
また途中で計画の変更が必要になった場合も、追加費用が発生する可能性があります。
さらにインビザラインだけでなく、事前の虫歯や歯周病治療にかかる費用も考慮しておかなければいけません。
もちろん歯科医師から追加費用に関する説明はされますが、患者さんからもカウンセリング時に細かく質問しておくことをおすすめします。
口の中心がずれた
インビザラインでは、矯正終了後に口の中心がずれてしまうことがあります。
こちらは左右の歯の大きさが異なっている場合や、顎が歪んでいる場合、奥歯の噛み合わせが左右でずれている場合などに起こり得ることです。
また矯正治療後の保定装置をきちんと使用していなかった場合、後戻りをすることで中心がずれてしまうケースもあります。
このような失敗を防ぐには、保定装置をきちんと使用するだけでなく、元々中心が合うように治療計画が立てられているか、事前に歯科医師に確認しましょう。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・マウスピースの装着時間をきちんと守らなかった場合、インビザラインの矯正期間は長くなる
・インビザライン矯正の途中で虫歯、歯周病を発症した場合、先にそちらの治療をしなければいけない
・インビザラインで歯を動かした後の保定処理を怠ると、後戻りが生じやすくなる
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。