矯正治療は、あらかじめ定められた治療計画に基づき、きちんと歯並びを改善した後、それを固定するために保定期間を過ごしてようやく完了するものです。
しかし、場合によっては、最後まで治療できないことがあります。
ここからは、矯正治療の継続が難しくなる主な理由について解説したいと思います。
立地的な問題
矯正治療中は、最初だけでなく、何度か歯科クリニックに通院しなければいけませんが、転勤などの理由により、遠くのエリアに引っ越すことになった場合、同じ歯科クリニックに通うのが難しくなります。
すでに歯列の矯正は完了し、後は保定するだけという段階であれば、通院の頻度はかなり低いため、何とか通える可能性はありますが、調整が必要な場合などは、立地的な問題から、矯正治療の継続が難しくなることがあります。
生活スタイルや金銭的な問題
矯正治療を最後まで終えるには、年単位の期間がかかることもあります。
そのため、矯正治療中に患者さんの生活スタイルが大きく変わることは十分にあり得ます。
例えば、結婚や出産などの理由で、どうしても子どもを優先しなければいけなくなったり、転職によってこれまでよりも多忙になったりすると、思うように歯科クリニックに通えず、場合によっては継続が困難になることも考えられます。
また、転職や退職により、収入が減少すると、矯正治療の費用を支払うのが難しくなることもあります。
矯正治療は、数ある歯科治療の中でも高額な部類に入るため、金銭的な理由で中断してしまう可能性は高いです。
違和感に耐えられない
矯正治療の継続が難しくなる理由としては、口内の違和感に耐えられないことも挙げられます。
矯正装置の装着に伴う違和感は、患者さんによって個人差があります。
また違和感については、患者さんなりにある程度覚悟されている場合と、そこまで想定していない場合があります。
後者に当てはまる方は、思いの外矯正中の違和感が強く、継続するのが困難になることが考えられます。
ちなみに矯正装置の違和感については、装着から数週間程度で慣れるケースが多いですが、強い嫌悪感がある方は慣れるまでに時間がかかります。
痛みが強い
矯正治療の痛みを強く感じる場合も、継続するのが難しくなることがあります。
矯正治療に伴う痛みは短時間ではなく、装置をつけている間継続し続けることもあるため、一部の患者さんにとっては大きなストレスになります。
特に固定式のワイヤー矯正などは、装置を取り外すことができないため、治療中は痛みと付き合っていくしかありません。
また口内に矯正装置が当たっている場合、痛みだけでなく、炎症など目に見える症状が出ることも考えられます。
このような問題は、装置の修正などで改善できる可能性がありますが、患者さんによっては十分継続を断念する理由になり得ます。
矯正治療の断念はリスクが大きい
上記のような理由から、矯正治療の継続が難しくなるケースはありますが、矯正治療は必ず最後までやり遂げなければいけません。
途中でやめてしまうと、歯列が完全に修正されず、見た目や噛み合わせの問題が残ったままになります。
むしろ、中途半端な状態で断念することにより、以前よりも状況が悪化する可能性が高いです。
もちろん、矯正治療を中断すると、少しずつ歯は元に位置に戻っていきますし、これまでに支払った治療費も無駄になります。
そのため、治療の開始時は、今後の予定や経済状況を確認し、きちんと継続できるかどうかを考慮した上で、開始時期を設定しなければいけません。
転院による再治療も難しい
矯正治療を途中でやめてしまった場合、歯科クリニックの転院による再治療も難しくなります。
例えば引っ越しを機に矯正治療を中断した場合、転居先で歯科クリニックを見つけ、治療を再開したいと考える方もいるでしょう。
しかし、転院先の治療方針や治療内容、現在使用中の矯正装置によっては、治療の引き継ぎができない場合もあります。
すべての歯科クリニックで、同じ矯正治療を取り扱っているわけではないため、こちらは致し方ありません。
そのため、最悪中断せざるを得ない場合でも、矯正治療の再開は以前と同じ歯科クリニックであることが望ましいです。
矯正治療を断念しないための対策
矯正治療を途中で断念しないためには、まず通いやすい歯科クリニックを選ぶことが大切です。
立地はもちろん、自身が通い続けやすい曜日や時間帯に診療を受けられるかどうかも、チェックしたいポイントです。
具体的には、自宅や職場から通いやすい立地にあったり、土日も診療を行っていたりする歯科クリニックが望ましいです。
また矯正治療を継続するには、信頼できる歯科医師を見つけることも重要です。
矯正治療は、患者さんと歯科医師が二人三脚で進めていくものです。
そのため、信頼できる歯科医師の存在が大きいです。
例えば矯正方法を複数提示してくれる医師や、これから患者さんが受ける矯正治療の症例を多数経験している医師などは、信頼に値します。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・転勤などで歯科クリニックから離れたエリアに引っ越すと、矯正治療の継続が難しくなる
・生活スタイルの変化も、矯正治療を続けにくくなる原因の一つ
・転職や退職に伴う収入の減少により、矯正治療の継続が困難になることもある
・矯正治療の断念は、歯並びの悪化や後戻りなどのリスクを高める
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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