インプラントの装着後における代表的なトラブルの1つに、インプラント周囲炎が挙げられます。
こちらは、歯周病菌により、インプラントの周辺組織が炎症を起こしている状態です。
また、インプラント周囲炎には2つの種類があり、これらは症状や治療法などが異なります。
今回はこちらの点について解説します。
インプラント周囲炎の種類と特徴について
インプラント周囲炎は、進行具合によって以下の種類に分かれます。
・インプラント周囲粘膜炎
・インプラント周囲炎
インプラント周囲粘膜炎
インプラント周囲粘膜炎は、比較的軽度の症状であり、炎症は歯茎にしか見られず、骨には及んでいません。
歯周ポケットの深さは3~4mm程度で、ポケットの深さを測るプロ―ピングを行う際、軽い出血を伴います。
インプラント周囲炎
インプラント周囲炎は、炎症が骨まで進行し、ポケットも深くなっている重度の症状です。
インプラント体にはプラークと歯石が溜まり、顎の骨も溶け、失われはじめていることから、このまま症状が進行すると、骨がさらに破壊されます。
また、それでも対処をしなかった場合、最終的にはインプラントが脱落します。
インプラント周囲炎の治療法について
インプラント周囲炎は、種類によって治療法が異なります。
まだ軽度の状態であるインプラント周囲粘膜炎は、歯科クリニックにおいて歯周ポケットや歯のクリーニング、口内衛生の指導などを受けることにより、ある程度改善されます。
場合によっては、メンテナンスをより丁寧に行うため、来院する間隔を狭めるよう、医師から指示を受けることもあります。
また、重度のインプラント周囲炎にまで進行している場合は、機械を使用したプラークや歯石の除去、薬剤を使用した消毒洗浄などが行われます。
ただし、インプラント周囲炎を発症してから長期間放置してしまった場合、これらの治療法で症状を改善させるのは難しく、インプラントを除去することも考えられます。
そのため、治療を受けなければいけなくなる前に、丁寧なセルフケアや歯科クリニックでの定期的なメンテナンス、健康的な生活習慣などのポイントを押さえておかなければいけません。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・インプラント周囲炎にはインプラント周囲粘膜炎、インプラント周囲炎の2種類がある
・インプラント周囲粘膜炎は軽度の症状で、炎症は歯茎にしか見られない
・重度のインプラント周囲炎は、炎症が骨にまで進行している
・インプラント周囲炎の治療では、歯科クリニックでのクリーニングや消毒洗浄などが行われる
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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