日々の歯磨きを徹底し、虫歯などの口内トラブルを予防しなければいけないのは、大人も小児も同じです。
また、小児の歯磨きに関しては、きちんと家庭内で親御さんが指導する必要があります。
ここからは、小児の歯磨き指導をスムーズに進めるコツについて解説したいと思います。
声掛けの仕方を工夫する
歯磨きを嫌がる小児の場合、親御さんの言うことをなかなか聞いてくれないこともあります。
しかし、このような場合でも、口調が強くなってしまうことは避けなければいけません。
強い口調で怒るように指導すると、小児にとって歯磨きの時間は“怒られる時間”になってしまいます。
例えば「じっとして、危ないから」という言葉ではなく、「今から歯磨きをするから、その間じっとして口を開けていてほしいな」といった柔らかい口調で話し、言いつけを守った小児に対しては、ポジティブな声掛けや褒めることも意識すべきです。
優しく磨く
小児の場合、親御さんが仕上げ磨きを行うこともあります。
しかし、このとき磨く力が強すぎて痛いと、小児は歯磨きに対して嫌悪感や恐怖心を抱くようになります。
特に、上の前歯の真ん中あたりに歯ブラシが当たると、子どもはとても痛がる傾向にあるため、常に優しく丁寧に磨くことを心掛けてください。
コツとしては、鉛筆を持つように歯ブラシを軽く握り、力が入りすぎないように工夫することをおすすめします。
楽しく磨ける工夫をする
小児の歯磨き指導をスムーズに進めるためには、歯磨きを“楽しい時間”と思ってもらうことが大切です。
例えば、小児の機嫌の良い時間に歯磨きをしたり、歌を歌いながら歯磨きをしたりすることにより、小児の苦手意識はある程度少なくなります。
ネットで検索すれば、歯磨きの歌や楽しい動画、歯磨きカレンダーといったさまざまなコンテンツが紹介されているため、自身の子に合ったものを組み合わせ、親子で楽しく歯を磨けるように工夫しましょう。
また、夜の歯磨きが終わった後(就寝前)には、歯を題材にした絵本を読み聞かせるなどして、歯磨きの大事さを理解してもらうのもおすすめです。
段階的に教える
小児の歯磨き指導をする際は、一度にたくさんのことを教えるのではなく、正しいブラッシングの方法について段階的に教えることも大切です。
ブラッシングには、歯ブラシを歯に真っ直ぐ当てる、小さく動かす、軽い力で磨くという3つの基本があります。
これらを一度に教えてしまうと、子どもは難しく感じてしまいブラッシング自体に苦手意識を持つ可能性があります。
そのため、親御さんは子どもが一つ一つ理解していることを確認した上で、次の段階に進むようにしましょう。
また近年はブラッシングの動画なども多く存在するため、こちらを一緒に見ながら正しい方法を体験的に学ばせるのも一つの手です。
同じルーティーンで行う
小児の歯磨き指導は、なるべく同じルーティーンで行うことが望ましいです。
例えば毎日同じ時間や場所で、同じ人が歯磨き指導を行う場合、子どもは少しずつ素直に応じてくれやすくなります。
逆に行う日と行わない日があったり、急にいつもと違う時間に歯磨き指導を行ったりすると、子どもは嫌がってしまう可能性が高いです。
ちなみに子どもが寝ている間や、大人に注意を向けられない時間帯に仕上げ磨きを行うと、抵抗が少なくなることがあります。
しかし、親御さんが磨くだけでは指導にならないため、注意しなければいけません。
親御さんが見本を見せる
小児の歯磨き指導では、親御さんが見本を見せることも大切です。
親御さんがブラッシングをする姿を見せることで、子どもも真似をしてブラッシングをする習慣を身に付けられます。
子どもは大人の真似をしたいものであり、特に近しい存在である親御さんの行動はよく見ています。
そのため、親御さんが適切なブラッシングをしていれば、それを見た子どもも適切なブラッシングの知識や技術を身に付けやすくなります。
逆にブラッシングが苦手だからといって、親御さんが一切見本を見せないと、子どもも磨こうという気持ちが芽生えにくくなります。
どうしても歯磨き指導を嫌がる場合は?
さまざま工夫をしたにもかかわらず、どうしても子どもが歯磨き指導を嫌がる場合は、一旦ストップして様子を見ましょう。
毎日親御さんや他の家族が歯磨きをするのを見ているうちに、少しずつ興味が出て「やってみようかな」という気持ちが芽生える可能性もあります。
また歯磨きが嫌なのであれば、取り組むハードルを可能な限り下げるのも大切です。
例えば歯ブラシを持たせるだけ持たせてみる、持つのも怖いのであれば親御さんや兄弟などが磨いているのを見せるなど、子どもが安心してできる活動を設定します。
結果を急がず、着実にステップアップしていけば、いずれはスムーズな歯磨き指導につながります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・小児が歯磨きを嫌がる場合でも、強い口調で怒るように指導してはいけない
・仕上げ磨きの力が強いと、小児は歯磨きに対して嫌悪感や恐怖心を抱きやすくなる
・音楽や動画などを用いて、親子で楽しく歯を磨くことで、指導しやすくなる
・歯を題材にした絵本を読み聞かせ、歯磨きの大事さを伝えるのもおすすめ
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。