虫歯の治療などを行った後には、審美性や利便性を高めるために、クラウンと呼ばれる人工の歯を被せます。
また、こちらにはさまざまな種類があり、保険適用のものと保険適用外のものに大別されます。
ここからは、保険適用のクラウンにおける主な種類と、それぞれのメリット・デメリットについて解説したいと思います。
硬質レジンジャケット冠
硬質レジンジャケット冠は、レジンという歯科用のプラスチックで作製されるクラウンです。
こちらは、樹脂製のプラスチックでできていることから、金属アレルギーの心配がなく、なおかつ審美性に優れています。
型取りと装着で、最短であれば2回の歯科治療で済むという点もメリットです。
しかし、硬質レジンジャケット冠は、色の白さでいうと、すべて陶器でできているオールセラミックよりは劣ります。
また、金属製のクラウンほど強度が高くないため、奥歯には適用できません。
硬質レジン前装冠
硬質レジン前装冠は、中身を金属で作製し、見える部分にレジンを貼り付けたタイプのクラウンです。
色が白く自然な点や、中身が金属のため強度が高く、強い噛み合わせにも耐えることができるのがメリットです。
また、前歯~犬歯への処置であれば、保険適用のため治療費が大幅に抑えられます。
しかし、硬質レジン前装冠は、年月が経つと光沢が失われる上に、白い部分が欠けやすかったり、摩耗やプラーク付着のリスクが高かったりします。
それほど目立つわけではありませんが、裏からが金属が見えるという点もデメリットです。
金銀パラジウム合金
こちらは、いわゆる銀歯と呼ばれるもので、全体が金12%、パラジウム20%、銀約50%、銅約10%で組成される金銀パラジウム合金でできたクラウンです。
金属のため強度が高く、噛み合わせに優れている点や、割れにくい性質であることから、噛む機能の回復が見込めることなどがメリットです。
一方で、金銀パラジウム合金のクラウンは金属部分が目立つため、お世辞にも審美性に優れているとは言えません。
また、一定水準の安全性はクリアしているものの、金属が溶け出したり、歯茎が黒ずんだり、金属アレルギーになったりといったリスクは否定できません。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・硬質レジンジャケット冠は、審美性や治療回数の少なさといったメリットがある
・硬質レジン前装冠は、自然な色や強度がメリットで、強い噛み合わせにも耐えることができる
・金銀パラジウム合金のクラウンは、強度が高く割れにくいことから、噛む機能の回復が見込める
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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