小児の歯並びがずれていたり、前歯に隙間が合ったりする場合には、歯科矯正を検討する必要があります。
また、歯科矯正の一種にマウスピース矯正がありますが、このとき小児歯科ではなく、市販のマウスピースを使用することには、一体どのようなデメリットがあるのでしょうか?
今回はこちらの点について解説します。
歯科矯正を目的としていない
小児の歯科矯正で市販のマウスピースを使用することは、ハッキリ言ってあまり意味がありません。
なぜなら、そもそも市販のマウスピースは、歯科矯正を目的としていないからです。
ドラッグストアなどでは、度々小児用のマウスピースが販売されていますが、これらは基本的に歯ぎしり、いびきなどを防止するため、睡眠時に装着するいわゆるナイトガードと呼ばれるものです。
ちなみに、スポーツ時に使用する食いしばり防止のマウスピースも、矯正用ではないため、歯を正しい位置に移動させる機能はありません。
歯並び、噛み合わせが悪化するおそれがある
小児の歯科矯正で市販のマウスピースを使用すると、使用前よりも歯並び、噛み合わせがかえって悪くなるおそれがあります。
市販のマウスピースの中には、「軽度な乱れであれば矯正することができます」といった記載がされている製品もあります。
しかし、これらは基本的に、医学的根拠に基づかずに歯を動かすものであるため、歯並びや噛み合わせがどうなるかについては、実際使用してみるまでわかりません。
「ダメもとで試してみる」ということが許されるほど、小児の天然歯の価値は低くありません。
チェックやフォローがない
歯科クリニックにより、オーダーメイドで作製されるマウスピースは、小児の口に合っているだけでなく、何かしらの不具合があったとしても、定期的に医師のチェックやフォローを受けることができます。
一方、市販のマウスピースは、一般的にキットを買い切り、そのまま使用します。
そのため、小児の口にピッタリの製品は存在しませんし、使用後に問題が発生しても、医師にサポートしてもらうことができません。
つまり、すべて自己責任ということです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・市販の小児用マウスピースは、歯科矯正を目的としていない
・市販のマウスピースを使用すると、使用前よりも歯並び、噛み合わせが悪くなるおそれがある
・市販のマウスピースはオーダーメイドではないため、小児の口に合っていないことがある
・市販のマウスピースで問題が起きても、基本的に医師のサポートは受けられない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。