小児の口内トラブルとしては、虫歯の他にも口内炎が挙げられます。
口内炎は、口内が傷ついたり、ウイルスに感染したりすることで発症するものであり、見つかった場合には親御さんが対処しなければいけません。
今回は、小児歯科の観点から、小児の口内炎における原因や対処法などについて解説します。
小児の口内炎の主な原因
冒頭で少し触れましたが、小児の口内炎は口内のケガやウイルス感染などが原因で発症します。
例えば、転んで口の中を歯で傷つけたときや、食事の際に口の中を噛んでしまったときなどに、白い口内炎ができることがあります。
また、ウイルス感染が原因の口内炎には、単純ヘルペスウイルスの感染が原因のヘルペス性口内炎、コクサッキーウイルスが原因のヘルパンギーナなどが挙げられます。
ちなみに、ウイルス性の口内炎は、他のものと比べると症状が重く、喉の痛みや高熱、倦怠感などを併発するおそれがあります。
その他の原因
前述したもの以外にも、小児の口内炎の原因にはさまざまなものがあります。
例えば、日々の食事でビタミンが不足していると、口内炎はできやすくなります。
具体的にはビタミンB2やB6、B12やCの欠乏です。
また亜鉛やカルシウム、ミネラルなどが不足することも、口内炎の原因の一つです。
その他、免疫力の低下や口内の乾燥、矯正器具の接触や胃腸の働きの低下が原因になることもあります。
疲れやストレスによって身体の抵抗力が落ちると、細菌感染しやすくなる歯周病もできやすくなります。
さらに口内が乾燥すると、粘膜の自浄・殺菌作用が弱まります。
消化機能の乱れが、粘膜の荒れにつながることも考えられます。
ちなみに、小児は早い段階から矯正治療を行うこともありますが、合っていない矯正装置が常に粘膜を刺激すると、口内炎が形成されてしまいます。
こちらはカタル性口内炎というものであり、矯正装置以外でいうと不適切な詰め物や被せ物でも発症することがあります。
特に口内に固定されるワイヤー矯正などの装置では、カタル性口内炎を発症しやすい傾向があるため、注意しなければいけません。
逆に非金属のマウスピース矯正などは、カタル性口内炎のリスクをある程度軽減できます。
小児の口内炎における対処法
小児歯科の観点でいうと、小児の口内炎に対処するには、まず与える食べ物を考慮する必要があります。
例えば、水分を多く含んだものや、やわらかいものを食べさせるのはおすすめです。
具体的には、おかゆやおじや、やわらかく煮込んだ煮物などの食べ物であれば、口内炎ができていても食べやすく、傷つける心配も少ないです。
また、刺激が強く、口内炎を悪化させる可能性があるため、熱いものや辛いもの、酸っぱいもの、硬いものなどは避けるべきです。
その他、痛みがひどく歯磨きができていない場合は、定期的にうがいをさせ、口内を清潔に保つ必要があります。
その他の対処法
小児の口内炎におけるその他の対処法としては、まずこまめな水分補給が挙げられます。
適宜水分を摂取させることにより、口の中の乾燥を防ぎ、粘膜の免疫力を保つことができます。
このとき与えるのは、熱くも冷たくもない常温の水がベストです。
また、栄養バランスを考えた食事を与えることも大切です。
具体的にはレバーやバナナ、リンゴなどビタミンが豊富な食材を積極的に与えましょう。
さらに、子どもには十分な睡眠と休養を促す必要があります。
これにより、身体の抵抗力を回復させ、口内炎の治療を早めることができます。
睡眠時には、小児がリラックスできる環境を整えるなど、小児の不安や疲れに寄り添い、精神的な安定を図るのが大切です。
その他、ブラッシングの仕方についても注意が必要です。
小児のブラッシングは、まだ小児一人に任せっきりにはできないことがあります。
そのため、親御さんが横で見張っていたり、仕上げ磨きを行ったりする必要があります。
このとき、歯ブラシの刺激の刺激が強くなりすぎないよう、しっかりチェックしておかなければいけません。
それでもなかなか口内炎が引かないというのであれば、軟膏やパッチ、スプレーなど年齢に合った小児用の口内炎役を使用します。
これらはドラッグストアなどで手軽に購入できます。
ちなみに、口内炎を発症してから2週間以上経過しても治らない場合や、高熱がある場合などは、早急にかかりつけの小児科や歯科を受診しましょう。
ハチミツを塗るのは効果的?
小児の口内炎への対処法として、患部にハチミツを塗るという民間療法があります。
こちらは、ハチミツに殺菌作用が含まれることが理由ですが、小児歯科の観点からいうと、1歳未満の乳児の口内炎にハチミツを塗るのは避けなければいけません。
なぜなら、乳児にハチミツを与えてしまうと、乳児ボツリヌス症を招く可能性があるからです。
乳児ボツリヌス症を発症すると、母乳を吸う力が低下したり、元気がなくなったりと、さまざまな症状につながります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・小児の口内炎は口内のケガやウイルス感染などが原因で発症する
・小児の口内炎に対処するには、水分を多く含んだものや、やわらかいものを食べさせるべき
・痛みがひどく歯磨きができていない場合は、定期的にうがいをさせ、口内を清潔に保つのも大切
・小児歯科の観点から、口内炎にハチミツを塗る民間療法はおすすめできない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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