【和光市の歯医者さん】小児歯科における小児の矯正と大人の矯正の違い

小児歯科では、小児の虫歯治療やブラッシング教育、矯正治療などを行います。

また、小児の矯正は、大人になってから行う矯正とは異なるものであり、親御さんはこちらの内容を理解しておかなければいけません。

ここからは、具体的にどこが違うのかについて解説したいと思います。

治療目的

小児歯科で実施される小児の矯正と、大人になってから行う矯正とでは、そもそも治療目的が異なります。

大人の矯正は、歯並びを整え、噛み合わせを改善し、歯の見た目を美しく整えることを目的としています。

一方、小児の矯正は、これから生えてくる永久歯の歯並びを整えることが主な目的です。

顎の骨がまだ成長段階にあるため、こちらの成長をうまく正しい方向に導きつつ、永久歯が適切な位置に並ぶようにする治療が行われます。

ちなみに、小児の矯正方法には、奥歯のポジションを調整しながら歯列を広げる拡大装置や、歯の裏側から器具によって歯を動かす固定式装置などがあります。

治療期間

小児歯科で行われる小児の矯正と、大人になってから行う矯正では、治療期間も大きく変わってきます。

大人の矯正にかかる期間は、基本的にはそれほど長くありません。

すでに永久歯が生え揃っている状況であるため、1年~2年前後で終了することが多いです。

一方、小児の矯正は、トータルで4~5年かかることも珍しくありません。

こちらは、大人とは違い、1期治療、2期治療という2種類の矯正があることが理由です。

1期治療は、乳歯から永久歯に生え変わる6~7歳頃、2期治療は永久歯に生え変わってからの14歳頃に行うものであり、これらをすべて完了させるには、どうしても長期の治療期間が必要になります。

抜歯や手術の有無

小児歯科で行われる小児の矯正と大人の矯正とでは、抜歯や手術の有無にも違いがあります。

大人の矯正は、すでに顎の成長が止まっていることから、歯を並べるスペースや顎の大きさに問題がある場合、抜歯や手術が必要になることがあります。

これに対し、小児の矯正は、顎の成長をコントロールしながら治療ができるため、抜歯をしなくても良い可能性が高く、手術もあまり必要ありません。

治療を受ける年齢

小児の矯正と大人の矯正とでは、当然ながら治療を受ける年齢に大きな違いがあります。

小児の矯正は、大体最初の永久歯が生えてくる6歳頃を目途に治療を開始します。

一方、成人の矯正の開始時期は、顎の発育が完了してからです。

具体的には15歳くらいから矯正治療を受けることが可能ですが、それ以降であれば厳密な年齢制限はありません。

20~30代はもちろん、40~50代から矯正治療を始めるケースも多々あります。

ちなみに、小児の矯正には年齢制限があるため、注意が必要です。

顎の成長を活用するかどうか

小児の矯正と大人の矯正とでは、顎の成長を活用するかどうかという違いもあります。

小児の成長期は、歯や顎の発育が進んでいる時期であり、この時期に矯正を行うことで、顎の成長を促進させることできます。

また子どもの顎は成長過程にあるため、歯を動かすために必要な力が大人よりも少なくて済むことがあります。

一方大人の矯正では、顎の成長期はすでに終わっていて、歯を動かすことが難しくなります。

歯は成長期を過ぎると、周囲の骨組織や歯根の形状が変化し、動かしにくくなるからです。

このような成長が終わった顎や歯を動かすには、強い力が必要になります。

矯正装置

小児歯科で行われる小児の矯正、大人の矯正は、それぞれ使用する矯正装置も異なります。

大人の矯正では、インビザラインのようなマウスピースや、マルチブラケットなどの矯正装置が使用されることが多いです。

一方小児の矯正では、大人よりも多様な矯正装置を使用します。

もっともスタンダートなのは、床矯正装置です。

こちらはレジンという歯科用プラスチックでつくられた床(しょう)と、金属製のワイヤーで構成された装置で、マウスピースのような形をしています。

基本的には着脱式であり、一般的なワイヤーと比べて、食事を摂るときやブラッシングをするときの不自由さは軽減されています。

費用

小児歯科で行われる小児の矯正と大人の矯正とでは、必要な費用も変わってきます。

大人の矯正にかかる費用の相場は、30~100万円程度です。

目立ちにくい裏側矯正を行う場合はもう少し割高になり、100万円を超えることもあります。

これに対し小児の矯正は、10~30万円程度が相場です。

もちろん使用する矯正装置によって金額は異なりますが、一般的には小児の矯正の方が、大人の矯正よりも安く受けられるケースが多いです。

また小児矯正には1期治療、2期治療がありますが、これらを続けて同じ歯科クリニックで受ける場合、少し費用が安くなることもあります。

矯正治療は、原則保険が適用されない自由診療です。

各院が自由に金額を設定できるため、小児矯正を受ける際は必ず複数の歯科クリニックを比較しましょう。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・小児歯科で実施される小児の矯正と大人になってから行う矯正は、治療目的が異なる

・大人の矯正は1年~2年前後で終了することが多いのに対し、小児の矯正は4~5年かかることもある

・小児の矯正は顎の成長をコントロールできるため、大人の矯正のような抜歯や手術はあまり必要ない

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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