小児歯科で治療できる“ホワイトスポット”について

小児歯科は、虫歯治療や予防歯科など、小児の歯に関するさまざまなメニューを取り扱っています。

また、小児の歯には、“ホワイトスポット”と呼ばれる斑点が見られることがありますが、小児歯科はこちらの治療も行ってくれます。

今回は、ホワイトスポットの概要や原因、主な治療法について解説します。

ホワイトスポットの概要

ホワイトスポットは、名前の通り小児の歯に見られる白い斑点であり、歯のエナメル質が十分にできていない状態です。

本来透明なエナメル質がさまざまな原因で磨りガラスのようになり、光が散乱することで、このように見えてしまいます。

また、こちらは歯に穴が開くほどのひどい虫歯ではありませんが、歯の一部が溶けているため、初期の虫歯というイメージです。

ちなみに、白い斑点にタンパク質が混入している場合は着色を伴い、色味によってはイエロースポット、ブラウンスポットと呼ぶこともあります。

ホワイトスポットの原因

小児歯科で治療できるホワイトスポットは、主に表層下脱灰によって発生します。

虫歯菌がつくり出す酸により、歯のリンやカルシウムが溶け出すことを脱灰といいますが、ホワイトスポットができている歯では、歯の表面が溶けず、内部から溶けていきます。

こちらが表層下脱灰であり、生じている部分は細かい空洞ができていて、軽石のようになっています。

この部分に光が当たると、健全な部分とは光の屈折率や透過性が違うため、白く見えます。

また、その他の原因としては、乳歯に外傷や感染が起こり、その下に待機している永久歯に影響を与えることや、生まれて間もない頃にかかった病気などが原因で、エナメル質が正しく形成されなかったことなどが挙げられます。

唾液の減少が原因になることも

唾液の分泌量が減少することにより、ホワイトスポットができてしまうこともあります。

唾液は口内の酸を中和し、再石灰化を促進する役割を果たすものです。
しかし、唾液があまり出なくなると、脱灰が進んでホワイトスポットができやすくなります。

また小児の唾液の分泌量が減少する主な理由としては、口呼吸や食生活などが挙げられます。

常に鼻が詰まっていたり、癖で口呼吸をしていたりすると、唾液が蒸発しやすくなり口内が乾燥します。
さらにやわらかいものばかり食べていると、唾液を出すための咀嚼回数が減り、必然的に唾液の量は少なくなります。

高濃度フッ素の影響で形成されることもある

後述しますが、小児のホワイトスポットの治療法の一つにフッ素塗布があります。
こちらは本来ホワイトスポットを改善してくれるものであり、小児の歯に対しても安心して使用できます。

しかし、小児の歯に対して海外のフッ素入り歯磨き粉などを使用すると、逆にホワイトスポットが形成されやすくなります。
こちらは過剰に高濃度フッ素を摂取することで、エナメル質に影響が出ることが原因です。

そのため、親御さんは市販のフッ素入り歯磨き粉などを独断で使用せず、必ず歯科クリニックでフッ素塗布を受けさせなければいけません。

ホワイトスポットの主な治療法

小児歯科におけるホワイトスポットの主な治療法には、フッ素やMIペーストなどが挙げられます。

フッ素は、虫歯菌の働きを弱めて歯の再石灰化を促すため、ホワイトスポットが気になる部分に塗布することで、歯質の強化が可能です。

また、MIペーストは、牛乳に含まれるカゼインと呼ばれる成分と、豊富なミネラル成分でつくられるものであり、歯磨き後の歯に塗ることで、ホワイトスポットにおける虫歯の予防につながります。

ホワイトスポットが自然に消えることはある?

冒頭で触れたように、ホワイトスポットは小児の歯の一部が溶けている状態です。
つまり歯の結晶構造に変化が起きているため、自然に治ることはありません。

ちなみにホワイトスポットは、ホワイトニングを受けた後の歯にも見られることがあり、こちらは一時的な症状です。
時間が経過すれば、ほとんどの場合は自然に消失します。

しかし、ホワイトニングは基本的に永久歯が生え揃い、成長がほぼ終わった18歳前後を目安に検討されるものです。
そのため、ホワイトニング後のホワイトスポットについては、小児とはあまり関係ないと言えます。

ホワイトスポットを放置するとどうなる?

小児のホワイトスポットを放置していると、虫歯の進行や見た目の問題などにつながります。

ホワイトスポットは、歯のエナメル質が脱灰した状態であり、初期虫歯の可能性があります。
そのため、放置するとさらに脱灰が進み、虫歯が進行しやすくなります。

もちろん、虫歯が進行すると治療が複雑になったり、治療費が高額になったりするリスクも高まります。

またホワイトスポットは、歯の表面に白い斑点として現れるため、特に前歯などの目立つ部分にあると大きく審美性を損ないます。
このような見た目が小児のコンプレックスになってしまい、コミュニケーションに影響が出ることも考えられます。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・ホワイトスポットは小児の歯に見られる白い斑点で、初期の虫歯になっている状態

・ホワイトスポットの主な原因は、歯の表面が溶けず、内部から溶ける表層下脱灰

・小児歯科におけるホワイトスポットの主な治療法には、フッ素やMIペーストの塗布が挙げられる

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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