小児の中には、日頃から口呼吸が癖になってしまっている子がいます。
本来、呼吸は鼻で行うものであり、口呼吸が当たり前になってしまうと、さまざまなリスクにつながります。
ここからは、小児歯科の観点から、小児の口呼吸における主な原因やリスク、治し方について解説したいと思います。
小児の口呼吸における主な原因
小児の口呼吸における代表的な原因としては、慢性的な鼻づまり、口周りの筋力の低下が挙げられます。
花粉症やアレルギー性鼻炎などにより、鼻がつまっている状況が続くと、無意識に口呼吸をする癖がついてしまいます。
また、下顎を持ち上げる筋肉や唇を閉じる筋肉、舌の筋肉における力が低下すると、口が開きがちになり、こちらも口呼吸につながります。
ちなみに、口周りの筋力の低下は、柔らかいメニューばかり食べることなど、咀嚼回数が減少することによって起こりやすくなります。
小児の口呼吸におけるリスク
小児歯科の観点からいうと、口呼吸はさまざまなリスクにつながるため、とても危険です。
口呼吸の小児は、舌が下顎の位置にある傾向が強いです。
また、下顎に舌の力が加わることにより、下顎の成長ばかり促進されてしまい、こちらは受け口や出っ歯などのリスクを招きます。
その他、口呼吸になると、ウイルスなどが気管へ入りやすくなり、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなる可能性もあります。
ちなみに、口呼吸が増えるということは、口内が乾燥しやすいということであり、こちらは虫歯や歯周病、口臭にもつながります。
小児の口呼吸の治し方
小児歯科の観点からいうと、口呼吸を治すには、まず親御さんが鼻呼吸を意識させるところから始めるべきです。
親御さんが「口を閉じて鼻で息をしようね」などと声をかけ、意識的に鼻呼吸をさせることで、口を閉じる時間が長くなり、口周りの筋肉を鍛えることができます。
また、ドラッグストアなどでは、鼻呼吸へと移行させるための鼻呼吸テープ、鼻腔拡張テープなどが販売されているため、こちらの使用も検討してみましょう。
どうしても口呼吸が改善しない場合は、小児歯科で矯正治療を受け、その過程で口周りの筋肉を鍛えるのもおすすめです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・小児の口呼吸における代表的な原因は、慢性的な鼻づまりや口周りの筋力の低下
・小児の口呼吸には、受け口や出っ歯、虫歯や歯周病、口臭などのリスクがある
・口呼吸を治すには、親御さんが普段から鼻呼吸を意識させる必要がある
・小児歯科で矯正治療を受けることでも、口呼吸は治る可能性がある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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