小児歯科では、虫歯などの治療時に麻酔を用いることがあります。
また、このときに採用される麻酔にはさまざまな種類があり、その1つが今回紹介する“笑気麻酔”です。
ここからは、小児歯科での治療時に使用される笑気麻酔の概要や安全性、使用手順などについて解説したいと思います。
笑気麻酔の概要
小児歯科で使用されることのある笑気麻酔(しょうきますい)は、亜酸化窒素からなる笑気ガスを吸い込むことで、緊張や恐怖心が和らぎ、リラックスした状態で治療を受けられるというものです。
名前の通り、気持ち良くて思わず笑顔になってしまうのが特徴です。
小児の中には、歯科治療に対する恐怖心やトラウマを持つ子も多いです。
また、注射で行う麻酔が苦手という小児も多いですが、笑気麻酔自体は注射を使用するものではありませんので、小児の歯科治療には非常に向いていると言えます。
笑気麻酔の安全性について
小児歯科で使用する笑気麻酔は、笑気ガスという気体を用いて施すものです。
ここだけを聞くと、安全性について不安を感じる親御さんもいるかと思いますが、心配は無用です。
笑気麻酔には毒性がないため、副作用もほとんど存在しません。
一般的に、体内に入った薬剤の多くは肝臓で分解されるため、こちらが負担となることもありますが、笑気ガスは分解されず、速やかに体外に排出されます。
また、副作用が少ないだけでなく、使用後の回復が早いのも特徴です。
笑気麻酔の使用手順
小児歯科で笑気麻酔を使用する際は、一般的に以下のような手順で行われます。
・治療台に横になる
・鼻マスクをかけ、鼻から酸素を規則正しく吸う
・笑気ガスの濃度を徐々に上げながら、適度な鎮静状態にする
・吸入をしたまま治療を開始する
・鎮静が深くなりすぎないようにコントロールする
・治療後、15分程安静にする
ちなみに、笑気麻酔を行った後、治療時に局所麻酔を行うケースもありますが、こちらはほとんど痛みを感じません。
笑気麻酔には、微弱ながら鎮痛効果もあるからです。
また、小児歯科で用いる笑気麻酔は、全身麻酔などと違って意識を失ったり、眠ってしまったりすることもありません。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・小児歯科で使用される笑気麻酔は、笑気ガスを吸い込むことで、緊張や恐怖心を和らげるもの
・笑気麻酔には毒性がなく、身体への負担や副作用もほとんど存在しない
・使用後の回復が早いのも笑気麻酔の特徴の1つ
・笑気麻酔を行った後、局所麻酔を使用するケースはあるものの、痛みはほとんど感じない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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