小児歯科で受けられるシーラントの価格や危険性、耐久性について

小児歯科で実施されるシーラントは、フッ素塗布と並ぶ代表的な予防歯科の1つです。

幼い子を持つ親御さんの中には、シーラントを受けさせようと考えている方もいるかと思いますが、その反面、価格や危険性、耐久性などについて疑問や不安を抱えることもあるでしょう。

今回はこれらの点について解説します。

シーラントの価格について

小児歯科で受けられるシーラントの価格については、歯科クリニックによって微妙に異なりますが、基本的にはリーズナブルです。

なぜなら、シーラントは保険適用の対象となるからです。

一般的には、歯1本あたり400~600円程度が相場であり、トータルでも数千円程度でおさまるケースが多いです。

ただし、シーラントが保険適用となるのは、あくまで6~12歳の小児までで、それも初期虫歯と判断された歯にのみ適用されます。

そのため、必ずしも上記のような価格になるとは限りません。

シーラントの危険性について

自身の子にシーラントを受けさせようと考える親御さんは、「身体に害はないのか?」という不安を少なからず抱えていると思います。

シーラントは、1996年、一部のレジン系シーラント剤に含まれるビスフェノールAという化学物質において、環境ホルモン様作用の危険性が指摘されました。

しかし、その後の研究により、こちらの物質には危険性がないことが判明しています。

そのため、親御さんは安心してシーラントを受けさせることが可能です。

フッ素塗布と並び、多くの小児歯科でシーラントが実施され続けていることを考えても、高い安全性を誇っていることは明白です。

シーラントの耐久性について

小児歯科で実施されるシーラントは、非常に耐久性が高いです。

通常、一度受けた後は、数年再処置をする必要がありません。

しかし、何かの拍子で剥がれてしまったり、シーラント自体がもともと薄く、奥歯で硬いものを咀嚼したときに割れてしまったりすることは考えられます。

また、小児が好むグミやガムなどを食べたときにも、外れやすくなります。

もし、シーラントが外れたり、破損したりした場合には、すぐに小児歯科を訪れ、新しいシーラントを施す必要があります。

シーラントの必要性について

シーラントが必要な理由としては、やはり子どもの虫歯リスクが高いことが挙げられます。

乳歯はエナメル質が少ないため、穴が空きやすくなっています。

そのため、一度穴が開いてしまうと酸によって歯が溶け、虫歯がどんどん進行します。

また子どもの場合は歯が小さく、技術も未熟であるため、磨き残しが出やすいです。

こちらも虫歯リスクが高くなる理由の一つです。

さらに子どもは食事時間が不規則だったり、ダラダラと長時間ものを食べてしまったりすることも多いです。

こういった習慣や行動による虫歯を防ぐためにも、シーラントによる予防は大切です。

シーラント以外の予防歯科について

シーラントは歯科クリニックで行われる予防歯科の一つですが、他にも予防歯科ではさまざまな施術を行います。

具体的には、まず現在の口内に問題がないかを確認し、その後歯石を除去するスケーリングや機器によるクリーニングであるPMTCなどを実施します。

またシーラントとセットの施術として、フッ素塗布があります。

フッ素は歯質を高める効果や、口内の細菌の働きを弱める効果があり、予防歯科には最適です。

ちなみに、予防歯科では歯科衛生士によるブラッシング指導も行われます。

検診によって把握した汚れが溜まっている部分や磨き残しの部分に対し、正しい磨き方を教えてもらいます。

シーラントの一般的な流れについて

歯科クリニックで行われるシーラントの一般的な流れとしては、まず歯の清掃を行います。

専用の器具を使用し、歯の噛み合わせ部分の細かな溝を慎重にクリーニングすることで、食べカスや細菌などを取り除きます。

シーラントの効果を引き出すには、こちらの工程がとても重要です。

また清掃が終わったら歯を乾燥させ、歯科専用の接着剤を塗布します。

これにより、シーラントがしっかりと歯に密着します。

次に歯の溝へシーラントを流し込み、最後に特別な光を用いてシーラントを硬化させます。

こちらの工程により、シーラントが歯にしっかりと結合し、その持続税が向上します。

処置に伴う痛みもほとんどありません。

シーラントの注意点について

シーラントは歯のみぞに汚れが溜まるのを防ぐものであり、すべての虫歯を防げるわけではありません。

例えば、歯の間にできる虫歯などを予防する効果はないため、毎日のセルフケアは欠かさずに行う必要があります。

またシーラントの一部が欠けたり取れたりすると、その部分から虫歯を発症しやすくなります。

シーラントを施した歯の表面は、虫歯ができても見えにくく、虫歯の発見が遅れてしまう可能性が高いです。

そのため、治療後は定期検診に訪れ、異常がないか定期的にチェックするようにしましょう。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・シーラントの価格は、一般的には歯1本あたり400~600円程度が相場

・シーラントは6~12歳の初期虫歯と判断された歯にのみ保険が適用される

・小児歯科のシーラントに使用される薬剤は安全性が高い

・シーラントは耐久性が高いものの、剥がれたり割れたりする可能性はある

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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