小児歯科で改善したい噛み合わせの異常について

小児における噛み合わせの異常は不正咬合と呼ばれ、こちらにはさまざまな種類があります。

特に代表的なのは、叢生が開咬、上顎前突や下顎前突などが挙げられますが、他の症状が見られることもあります。

今回は、小児歯科で改善すべき、その他の噛み合わせの異常について解説したいと思います。

過蓋咬合

小児歯科で改善すべき噛み合わせの異常には、まず過蓋咬合(かがいこうごう)が挙げられます。

こちらは、奥歯を噛みしめた状態のとき、上の前歯が過剰に下の前歯に覆いかぶさっている状態です。

前から見たとき、下の前歯がまったく見えず、上の前歯の裏側にあることから、顎の動きに制限が加わります。

また、顎が動かしにくいことから、顎関節に痛みが出たり、咀嚼するたびに歯茎を刺激し、歯肉炎を発症してしまったりするおそれがあります。

切端咬合

小児歯科で改善すべき噛み合わせの異常としては、切端咬合(せったんこうごう)も挙げられます。

こちらは、上下の歯を噛み合わせたとき、上下の前歯の先端がちょうど当たってしまう状態を指しています。

通常は、下の歯が数ミリ下がっているため、綺麗に噛み合わせができるようになっていますが、切端咬合の場合はそうはいきません。

また、こちらの症状は、噛むたびに歯に負担がかかってしまい、歯の一番先が削れたり、欠けたりする可能性があります。

その他、上の歯による圧力を受け続けるため、下の歯が脆くなりやすいというデメリットもあります。

鋏上咬合

鋏上咬合(はさみじょうこうごう)も、小児歯科で改善すべき噛み合わせの異常です。

こちらは、奥歯の噛む面が、上は外側、下は内側といったように、お互いそっぽを向く形で噛み合っていない状態を指しています。

左右いずれかの鋏上咬合は、骨格的な変位と関連していて、左右両方に見られる場合は、噛み合わせが深くなったり、上顎前突と関連して見られたりします。

また、こちらの症状は、顎の運動が制限され、食べ物の咀嚼が不十分になったり、顎関節に悪い影響を与えたりすることにつながります。

特に、12歳臼歯と呼ばれる奥歯が生えてくる時期には、気付きにくい部位のため注意が必要です。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・過蓋咬合は奥歯を噛みしめた状態のとき、上の前歯が過剰に下の前歯に覆いかぶさっている状態

・上下の歯を噛み合わせたとき、上下の前歯の先端がちょうど当たってしまう状態を切端咬合という

・奥歯の噛む面が上下でそっぽを向いている鋏上咬合も、小児歯科で治療すべき噛み合わせの異常

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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