マウスピースを使用した小児歯科矯正のメリットについて

小児歯科矯正は、将来小児がキレイな歯並びを手に入れるためには欠かせない治療の1つです。
また、こちらにはいくつかの種類があり、特にマウスピースを使用した治療はとても人気です。
ここからは、マウスピースを使用した小児歯科矯正のメリットについて解説したいと思います。

取り外すことができる

マウスピースを使用した小児歯科矯正には、取り外しができるというメリットがあります。

固定式の矯正装置は、口内にセメントで固定されるため、小児が自身で取り外すことができません。
そのため、痛みがあった場合などには、歯科クリニックで調整してもらう必要があります。

一方、マウスピースの場合、取り外しが可能であるため、わざわざ歯科クリニックを訪れる手間を省くことができます。
また、食事の際に取り外すことにより、食べ物が詰まる心配もなく、歯磨きの際に外せばブラッシングもしやすいため、衛生面でもメリットがあります。

痛みやケガの心配が少ない

マウスピースを使用した小児歯科矯正のメリットとしては、痛みやケガの心配が少ないということも挙げられます。

マウスピースは、装着時に多少の違和感があるものの、プラスチック製であるため、金属製のワイヤーなどに比べると、痛みは感じにくいです。

また、小児は普段走り回ることが多かったり、場合によってはスポーツに打ち込んでいたりすることもありますが、そのような場合でも、マウスピースは口内を傷つける可能性が低く、親御さんは安心して装着させることができます。

鼻呼吸を促す

マウスピースの小児歯科矯正には、口呼吸を予防し、鼻呼吸を促すというメリットもあります。

口呼吸の小児は常に口を開けているため、口周りの筋肉が弱くなります。
また、口周りの筋肉が弱まると、今度は顎が発達しにくくなり、上下の歯がうまく噛み合わなかったり、風邪やインフルエンザなどのウイルスを直接体内に取り込むことで、健康面に悪影響が出たりする可能性もあります。

一方、マウスピースを装着すれば、口周りの筋肉を強化することが可能です。
もちろん、筋肉が発達すれば口を閉じやすくなるため、必然的に鼻呼吸を促すことが可能です。

正しい顎の成長を促せる

正しい顎の成長を促せるという点も、マウスピースを使用した小児歯科矯正のメリットです。

小児の顎が成長していく力をうまく活用することで、顎の発育をコントロールしながら、永久歯がきちんと並ぶスペースを確保できます。

また矯正装置が口内にあることで、歯並びや噛み合わせの乱れを招く悪習慣の改善にも期待できます。
例えば頬杖などの悪習慣は、大人になってからでは改善が難しいこともあるため、小児のうちから意識することが大切です。

後戻りが起こりにくい

マウスピースの小児歯科矯正には、後戻りが起こりにくいというメリットもあります。

歯並びが矯正されたとしても、舌の癖が改善されなければ、元の歯並びに戻る可能性が高いです。
舌の癖とは、舌を正しく無い位置に置く癖や、前に押し出す癖などを指します。

また歯の噛み合わせに問題がある小児は、しばしば舌の癖があります。
マウスピースの小児歯科矯正のメリットの一つは、トレーニングによって舌の癖を根本的に改善し、矯正後の後戻りを防ぐことだと言えます。

金属アレルギーの小児でも使用できる

マウスピースの小児歯科矯正であれば、金属アレルギーを持つ小児でも問題なく使用できます。

ワイヤー矯正の場合、ニッケルやクロムなど、金属アレルギーを引き起こすリスクのあるワイヤーが使用されている場合があります。
金属アレルギーを発症すると、口だけでなく顔や全身の発疹、手足の皮むけや水ぶくれ、頭痛や肩こりなどの症状が出ることが考えられます。

一方マウスピースの場合、金属が使用されていないため、上記のようなトラブルが起こることはありません。

また小児の中には、単純に硬い金属が口内に当たるのに抵抗があるという子もいるでしょう。
このような違和感が少ないところも、マウスピースで小児歯科矯正を行うことのメリットです。

顔のバランスが整う

マウスピースを使用した小児歯科矯正には、顔のバランスが整うというメリットもあります。

マウスピースを装着すれば、口周りの筋肉を鍛え、顎の成長を促すことができます。
人は6歳までに顎や顔の骨格成長のうち、約80%が完了すると言われているため、その期間に正しい成長へと促すことで、顔のバランスを整えることができます。

またマウスピースによって噛み合わせが整い、顔のバランスも整った状態になることで、顔の印象が以前より明るくなることも考えられます。

逆に6歳までに口周りの悪習慣が改善されていなければ、歯並びだけでなく、顔つきにも悪影響を及ぼす可能性があります。
例えば口呼吸の癖があると、唇や頬の筋肉が緩み、上下の唇が前に突き出る口ゴボという状態になりやすいです。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・小児歯科矯正に使用するマウスピースは、小児自身で取り外すことができる

・取り外しが可能なことで、痛みや違和感があってもすぐ対処できる

・マウスピースはプラスチック製のため、痛みやケガの心配が少ない

・マウスピースを使用した小児歯科矯正には、鼻呼吸を促すというメリットもある

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!