小児歯科でのフッ素塗布におけるメリットや方法について

小児歯科では、小児に対してさまざまな歯科治療や予防歯科が実施されています。
フッ素塗布は予防歯科の1つであり、自身の子の歯を健康にしたい親御さんにとって、非常におすすめの治療です。
ここからは、小児歯科でのフッ素塗布におけるメリット、塗布の方法などについて解説したいと思います。

フッ素って何?

小児歯科での予防歯科に使用されるフッ素は、フッ化ナトリウムという成分です。
こちらは、もともと自然界に存在する成分であり、カルシウムやマグネシウムなどと同じように、人体にも多く含まれています。

また、フッ素と似た言葉にフッ化物というものがありますが、こちらはフッ素とほぼ同じ意味を持ちます。
厳密には、フッ素は気体のフッ化ナトリウムであり、フッ化物は液体化もしくは固体化されたフッ化ナトリウムを指しています。

そのため、小児歯科で使用されるフッ素、歯磨き粉に含まれているフッ素などは、フッ化物という扱いになります。

小児歯科のフッ素塗布におけるメリット

小児歯科のフッ素塗布には、再石灰化を促し、虫歯になりかけた歯を元に戻す作用があります。
唾液中にフッ素イオンが存在していることにより、溶け出したカルシウムがより多くエナメル質に吸収されます。

また、虫歯菌の活動を抑制することも、小児歯科のフッ素塗布におけるメリットです。
フッ素には虫歯菌の出す酸の量を抑える効果があり、こちらが虫歯の予防につながります。

その他、フッ素には歯の表面のエナメル質と結びつき、フルオロアパタイトという虫歯菌の酸に強い構造を作り出す作用もあります。

歯ブラシが届きにくい部分もカバーできる

子どもの奥歯の噛み合わせの面には、小窩裂溝と呼ばれる、非常に深くて複雑な形をした溝があります。
さらに歯と歯の間の隙間も狭く、これらは毎日の自宅でのブラッシングや仕上げ磨きだけでは、どれほど頑張っても毛先が届かず、磨き残しが発生しやすい超危険地帯です。

歯科クリニックで使用するプロ用の高濃度フッ素は、ジェル状や液体状などの形態をしていて、こうした微細な溝の奥底や、狭い隙間の奥にまで流れ込んで浸透します。
毎日歯ブラシがうまく当てられずにハラハラしている親御さんにとっても、届かない場所を物理的・化学的にコーティングして保護してくれるフッ素塗布は、心強い味方です。

歯科クリニックへの苦手意識をなくす効果も

多くの小さな子どもにとって、歯科クリニックは「注射をされるかもしれない」「痛い機械で歯を削られるかもしれない」という恐怖の場所になりがちです。
しかし、フッ素塗布は口内をキレイにした後に、歯の表面にフルーティーな味のジェルを筆やトレーで優しく塗るだけの処置です。
痛みや不快な刺激は一切ありません。

最近の歯科クリニックでは、リンゴ味やブドウ味など、子どもが喜ぶフレーバーが豊富に用意されていて、まるでお菓子感覚で楽しく受けられる工夫がされています。
幼少期のうちに痛くない予防ケア体験を積み重ねておくことで、歯科クリニックへの恐怖心や苦手意識をなくし、将来も口内ケアに前向きに取り組める習慣が自然と身につきます。

将来の健康な歯並びや全身の成長も守ってくれる

「乳歯はどうせ永久歯に生え変わるから、少しぐらい虫歯になっても大丈夫」と考えるのは大きな間違いです。
乳歯の虫歯を放置してひどくなると、その真下で出番を待っている永久歯の芽に細菌の感染が広がり、変色したり弱くなったりします。

さらに虫歯で乳歯を早期に失うと、両隣の歯が倒れ込んできてしまい、永久歯がキレイに生えてくるスペースがなくなって歯並びがガタガタになってしまいます。
また歯が痛くてしっかり噛めなくなると、子どもの大事な栄養摂取や全身の成長、顎の発達、さらには正しい発音の習得にまで悪影響を及ぼします。

フッ素塗布で乳歯をしっかり守ることは、子どもの健全な心身の成長と、将来の美しい歯並びを守るために不可欠です。

虫歯治療にかかる経済的・時間的な負担も減らせる

実際に虫歯ができてしまい、本格的な治療を行うことになると、何度も仕事を休んで歯科クリニックに連れて行かなければならず、時間的な負担が重くなります。
また小さな子どもにとって、鋭い音がする機械の前でじっと口を開けて治療を受けるのは精神的な負担が大きいです。
当然、治療費という経済的な出費もかさみます。

これに対して、数ヶ月に一度のペースで受けるフッ素塗布による虫歯予防は、治療と比べて1回あたりの処置時間が非常に短く、費用もはるかに優しく抑えられます。
何より、子どもが痛い思いをせずに済みます。

定期的な予防ケアへの投資は、家族全員の経済的・時間的・精神的なストレスを、将来にわたって大きく軽減することにつながります。

フッ素塗布の方法

小児歯科で行うフッ素塗布では、厚生労働省の定めにより、含有基準が1,500ppm以内のフッ化物が使用されます。

また、フッ素塗布の方法としては、綿球・綿棒法、歯ブラシ法、トレー法などがあります。

綿球・綿棒法は、小さな綿球または綿棒にフッ素溶液を浸し、歯に塗布する方法で、歯ブラシ法はジェル状のフッ素を歯ブラシにつけ、ブラッシングをするように塗布します。

トレー法は、歯列型のトレーにジェルや泡状のフッ化物を入れ、歯に被せて塗布するという方法です。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・小児歯科での予防歯科に使用されるフッ素はフッ化ナトリウム(フッ化物)

・フッ素には再石灰化を促したり、虫歯菌の活動を抑制したりする効果がある

・小児歯科で行うフッ素塗布では含有基準が1,500ppm以内のフッ化物が使用される

・フッ素塗布の方法には綿球・綿棒法、歯ブラシ法、トレー法などがある

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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