親御さんは、幼児の歯を毎日しっかりとケアしてあげなければいけません。
また、生え始めの頃は、歯ブラシなどを使ってゴシゴシと磨くのではなく、ガーゼを使用した“ガーゼ磨き”を行います。
ここからは、幼児のガーゼ磨きにおける方法や注意点などについて解説したいと思います。
ガーゼ磨きの方法について
幼児のガーゼ磨きは、下の歯が2本生えた頃から行います。
そこから、上下の前歯が生え揃うまで継続します。
また、1日に行うガーゼ磨きの回数はおよそ5~6回がベストで、授乳をした後、離乳食を食べた後、就寝前などに行い、常に幼児の口内を清潔に保つように意識します。
ガーゼ磨きの手順としては、まず幼児を親御さんの膝の上に仰向けに寝かせます。
その後、小さくカットしたガーゼを水もしくはぬるま湯で湿らせ、人差し指に巻き付けた状態で、歯を前後からつまむように、優しく汚れを拭き取ります。
ガーゼ歯磨きのメリット
幼児のガーゼ歯磨きを行うメリットとしては、まず外部からの口腔内への刺激に慣れさせることができるという点が挙げられます。
初めてブラッシングを行う幼児は、口の中を触られることに慣れていません。
ブラッシングをしようとしても、急に口の中を触ってしまうと、びっくりして泣き出してしまうこともあります。
そのため、ガーゼを使って優しく口内に触れることで、ブラッシングの感覚に慣れさせる必要があります。
また幼児が寝ているときに使用できるという点も、ガーゼのメリットです。
幼児の機嫌が良いときにブラッシングをしようとタイミングを見計らっていたら、いつの間にか眠ってしまったというケースもあります。
このような場合、歯ブラシを使用すると起こしてしまう可能性が高いですが、ガーゼ歯磨きなら眠ったままの状態でも対応できます。
ガーゼ歯磨きに使用するアイテムについて
ガーゼ歯磨きに使用するガーゼは、衛生面を考慮し、小さめにカットして使い捨てることをおすすめします。
こちらを誤飲させてしまったり、線維が口内に残ったりしないよう、しっかり指に巻きつけて使用します。
またガーゼ以外でいうと、歯磨きナップや歯磨きシートなどのアイテムもおすすめです。
これらの商品は、歯磨きシートが人差し指に被せられる袋状になっていたり、素材がメッシュ状でデコボコしていて、歯の汚れを除去しやすくなっていたりします。
ちなみに、ガーゼ歯磨きでは歯磨き粉を使用しません。
歯磨き粉が泡立ってしまうと、汚れが除去できたかどうかわかりにくいですし、幼児はうがいができないため、口内に残った歯磨き粉を外に吐き出せません。
ガーゼ磨きの注意点について
幼児のガーゼ磨きを行う際は、しっかり生えている歯だけでなく、歯茎部分もあわせて磨くようにしましょう。
こちらは、歯茎についている汚れを落とすだけでなく、歯茎が適度に刺激されることで、歯ブラシに移行したときの違和感を軽減させることにつながります。
また、ガーゼ磨きの際に力を入れすぎたり、指を奥に入れすぎたりすると、粘膜を傷つけてしまったり、嘔吐反射につながってしまったりすることもあるため、時間をかけてゆっくり丁寧に行うことを意識しましょう。
特に、幼児は上唇の内側にある小帯というヒダがあるため、こちらの部分を傷つけないように注意すべきです。
幼児がガーゼ磨きを嫌がった場合の対処法
幼児がガーゼ磨きを嫌がる場合、授乳のときの体勢に替えたり、立たせた状態で後ろから抱くようにしたりと、落ち着かせるための工夫をしましょう。
また、それでも嫌がる場合は、無理やり磨こうとせず、口の周りだけ拭くようにします。
このようにして、まずは口周りのメンテナンスに慣らすことが大切です。
ちなみに、しっかり磨けたときには、「じっとしていて偉いね」と声をかけてあげることで、「歯磨きは楽しい、気持ちが良い」と思ってもらうことができます。
歯ブラシに移行する時期について
幼児のガーゼ磨きから歯ブラシに移る時期については、奥歯が生えてきた頃を目安にしましょう。
前歯だけであればガーゼで磨くことができますが、奥歯はガーゼが届かない位置にあるため、歯ブラシで汚れをかき出す必要があります。
また幼児が自身で使用する歯ブラシは、ブラシ部分が小さく磨きやすいものを選ぶべきです。
中には握りやすく喉を突かない工夫がされているものや、360度植毛されているもの、歯固めつきのものも販売されています。
親御さんが仕上げ磨きとして使用する歯ブラシのタイプには、指にはめて使用する指サック型や、仕上げ磨き専用の歯ブラシなどがあります。
幼児の月齢や好みに合わせて選んであげましょう。
ちなみに幼児がガーゼ磨きを嫌がっている場合、たとえすでに奥歯が生えて生きていたとしても、焦って歯ブラシに移行しないことをおすすめします。
ガーゼ磨きに慣れていないまま歯ブラシに移行すると、スムーズなブラッシングができない可能性が高いです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・幼児のガーゼ磨きは、上下の歯が2本生えた頃から実施する
・1日に行う回数は5~6回で、優しく丁寧に歯茎もあわせて磨くことが大切
・上唇の内側にある小帯というヒダを傷つけないように注意する
・幼児がガーゼ磨きを嫌がる場合は、体制を替えるなどの工夫が必要
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。