大人でも歯を磨くのが嫌いであったり、面倒くさいと感じたりする方はいますが、小児はそれ以上に歯磨きを嫌がることが多いです。
また、多くの小児が歯磨きを嫌がるのには、ちゃんとした理由があります。
今回は、主にどのような理由で嫌がったり、泣いたりしてしまうのかについて解説します。
嫌悪感
小児が歯磨きを嫌がる理由としては、まず口内に歯ブラシが入ってくることの嫌悪感が挙げられます。
小児にとって歯ブラシは、これまで口に入れてきたものとは違う得体の知れないものです。
そのため、歯や歯茎に歯ブラシが触れることや、口内で動くことに対し、嫌悪感を抱く傾向にあります。
特に、口の下側よりも上側に歯ブラシが触れるのを嫌がるケースが多いため、親御さんはあまりガシガシと磨かず、まず歯ブラシに慣れさせることを第一に考えるべきです。
また、使用する歯ブラシは、ガシガシと噛んでしまっても問題のないような、小児用の歯ブラシを選ぶべきです。
眠気
小児が歯磨きを嫌がる理由としては、歯磨きをするタイミングに眠気が襲ってきやすいことも挙げられます。
歯磨きは、基本的に食後のタイミングで行います。
特に、眠っている間は唾液の分泌量が減少し、虫歯のリスクが高まるため、夜の歯磨きは就寝前に必ず行わなければいけません。
しかし、小児は大人以上に、食べたらすぐに眠くなる傾向にあります。
場合によっては、食事中すでに眠気を感じていることもあり、このような状態で口に歯ブラシを入れると、泣いてしまったり、不機嫌になってしまったりする可能性が高いです。
恐怖心
恐怖心も、小児が歯磨きを嫌がる理由の1つです。
小児の歯磨きは、基本的に親御さんが行うものですが、このとき無理やり身体を押さえつけたり、怒鳴ったりしてしまうと、恐怖心を植え付けることになってしまいます。
また、短い時間でブラッシングを終わらせてあげようと、強い力で磨いてしまう親御さんもいますが、こちらは逆効果です。
小児からすれば、「またお父さん、お母さんが怒っている」「またあの痛い時間が来る」といった感情になってしまうため、あくまで優しく、ゆっくりとなだめながら磨くのが大切です。
長時間口を開ける
小児が歯磨きを嫌がる理由としては、長時間口を開けなければいけないことも挙げられます。
日常生活において、大きく口を開けっ放しにすることはほとんどないため、小児は基本的に長時間口を開けるのが苦手です。
そのため、顎が疲れたり、集中力が続かないと口を閉じようとしたりします。
また口を開けた状態だと、喉の奥に唾液が溜まりやすく、余計に不快感を覚えます。
親御さんはこれらの対策として、こまめに口を閉じて休憩を挟んだり、うがいとまではいかなくとも、溜まった唾液を飲ませてあげたりする必要があります。
遊んでいるのに中断させられた
遊んでいるにもかかわらず、中断させられたことにより、小児は歯磨きを嫌がることがあります。
楽しく遊んでいる時間は、小児にとって非常に幸せな時間です。
その幸せな時間を歯磨きによって奪われたと感じると、小児はなかなか歯磨きをさせてくれなかったり、泣き叫んだりすることが考えられます。
そのため、親御さんは切り替えができそうなタイミングを見計らい、機嫌を損ねることなく歯磨きに移行できるよう工夫しましょう。
例えばおもちゃで遊んでいる小児に対し、「次はこれをやろうね」といって歯ブラシを見せることで、小児は歯磨きへの心の準備がしやすくなります。
つまらないと感じる
小児が歯磨きを嫌がる理由としては、歯磨きそのものをつまらないと感じることも挙げられます。
歯磨きを行っている最中、小児はただ我慢し続けなければいけません。
また前述の通り、口内の違和感も継続するため、とても苦痛な時間です。
このような時間を小児に体験させ続けることで、“歯磨き=つまらない”というイメージを植え付け、スムーズに応じてくれなくなることがあります。
一方キャラクターのデザインが入った歯ブラシを使用したり、甘めの歯磨き粉を使用したりすることで、小児が楽しんで歯磨きに取り組むようになる可能性があります。
また歯磨きを行った後には、小児が喜ぶような楽しいアクティビティやご褒美を用意することも効果的です。
イヤイヤ期
イヤイヤ期に入った小児は、特に理由もなく歯磨きを嫌がるようになります。
イヤイヤ期は、成長するにつれて自己主張ができるようになり、自身の気持ちを押し通すために、何に対しても「イヤ」と言うのを繰り返す状態です。
こちらは発達時期としては、1歳後半~3歳頃の期間によく見られます。
またイヤイヤ期の小児の歯磨きでは、とにかくたくさん褒めてあげることが大切です。
小児は親御さんに褒められるのが大好きであり、ポジティブな言葉をかけ続けることで、「次の歯磨きも頑張ろう」と前向きに取り組んでくれる可能性があります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・小児は口内に歯ブラシが入ってくる嫌悪感により、歯磨きを嫌がる傾向にある
・食後、歯磨きをするタイミングで眠くなるのも、小児が歯磨きを嫌がる理由
・小児の歯磨きをする際、怒ったり無理やり押さえつけたりすると、恐怖心を植え付けてしまう
・短時間で歯磨きを終わらせようと、強い力で磨くのもNG
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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