歯石やその治療に関するさまざまな疑問についてお答えします

口内に見られる歯石は、歯垢が石灰化して硬くなったものであり、歯科クリニックにおいて定期的に除去しなければいけません。
今回は、こちらの歯石の特徴やその治療に関する疑問にお答えします。
今後歯石取りを受けようと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。

歯石がつきやすい場所はどこ?

歯石は歯のさまざまな部分で形成されますが、もっともつきやすいのは唾液の出る場所の近くです。

唾液は耳下腺、顎下腺、舌下腺という3つの唾液腺から多く分泌され、こちらの近くは特にしっかりとブラッシングしなければ、すぐに歯石が形成されてしまいます。
具体的には、下顎の前歯の裏側あたり、そして上顎の奥歯の外側あたりにつきやすいため、注意してください。

また、これらの場所は普段のブラッシングにおいて、磨き残しが発生しやすいため、今まで特に意識していなかった方は、重点的に磨くようにしましょう。

歯石取りの治療を受けた後は痛みが出る?

歯科クリニックにおいて歯石取りの治療を受けた後、歯に痛みが出るというケースがあります。

歯石のつきやすい歯の根、唾液腺の近くは、歯茎が柔らかく刺激を感じやすいです。
また、歯周病がある程度進行している方が歯石を除去すると、歯茎が健康的に引き締まり、歯茎の腫れで覆われていた歯根部が露出します。
こちらに直接刺激が加わるため、しみたり痛んだりするという仕組みです。

ちなみに、長期間ついていた大きな歯石を治療によって除去した後には、歯の表面が敏感になり、知覚過敏のような症状が出ることもあります。

歯石取りの治療中に痛みや出血を伴いやすいのはなぜ?

歯石を取り除く治療では、ほぼ間違いなく出血しますし、ある程度の痛みも伴います。
もちろん、程度には個人差がありますが、痛みも出血も一切ないというケースは基本的にはありません。

また、このように痛みや出血を伴う理由としては、歯石がついている時点で、その周辺の歯茎には腫れや炎症といったサインが出ていることが挙げられます。

つまり、もともと炎症が起きている歯茎に触れる治療であるため、ある程度の痛みや出血は致し方ないということです。

自分で歯石を取れば歯科クリニックに通わなくて良い?

患者さん自身で歯石除去を行えば、歯科クリニックに通う必要はないと考える方もいますが、こちらの考えは正しくありません。
なぜなら、自宅でのブラッシングでは、歯石を取り除くことは基本的にできないからです。

やわらかいプラークであれば歯ブラシで除去できますが、石化した歯石は歯にこびりついているため、どれだけ磨いても十分に落とせません。

また通販サイトなどで、歯石取りに使用されるスケーラーという器具を購入し、自力で歯石を除去する方もいます。
スケーラーを使用すれば歯石は落ちますが、こちらはあまりおすすめできません。

スケーラーは先端が尖っているため、歯茎を傷つけてしまう可能性があります。
さらに目で見て確認しながら除去できないため、歯石が残る可能性が極めて高いです。

歯石取りの後、歯茎や歯に変化が出るのはなぜ?

歯石取りを行った後、歯茎が下がったように感じるのは、これまで歯石があった部分の歯茎が引き締まるからです。
歯石はその周りの歯茎が腫れたり、歯の周囲の骨を溶かしたりすることがあり、歯石を取ればこれらの症状が改善しますが、その反面歯茎は下がったように見えます。

また歯石取りの後、前歯に隙間ができたように感じる場合は、歯の隙間にあった歯石が取れたという証拠です。

歯石は歯と似た色味であるため、歯と歯の隙間を覆っていても気づきにくいです。
一方歯石取りで除去すれば、当然除去した部分は隙間になり、隙間が大きければ大きいほど、これまでいかに歯石が多く付着していたのかがわかります。

歯石を除去しないとどうなる?

歯石を除去せずに放置していると、歯肉炎や歯周病、口臭や歯の変色、全身疾患などのリスクが高まります。

歯石が歯茎に蓄積すると炎症を引き起こし、歯肉炎を発症します。
それでも放置し続けると、今後は歯周病へと悪化し、最終的に歯を支える骨を破壊してしまいます。

また歯石によって歯茎が炎症を起こすと、血液や膿が出て不快な口臭を引き起こすこともあります。

さらに歯が黄ばんで見えたり、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病などのリスクを高めたりすることも考えられます。

歯石を付着しにくくするには?

なるべく歯石を付きにくくするには、丁寧なプラークコントロールが必要不可欠です。プラークが口内に残存していると歯石ができやすいため、まずはプラークをしっかり落とせるブラッシング方法を実践しなければいけません。

歯石になる前のプラークはバイオフィルムと呼ばれ、ネバネバした状態です。
歯石になってしまうとブラッシングでは除去できないため、必ずバイオフィルムの段階で除去する必要があります。

またプラークコントロールでは、歯ブラシだけでなくフロスや歯間ブラシを使用したケアも有効です。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・歯石がもっともつきやすいのは唾液の出る場所の近く

・歯石除去の治療後は、刺激に敏感な歯根部が露出したり、知覚過敏の症状が出たりして、痛みを感じやすくなる

・歯石がついている歯周辺の歯茎では炎症が起こっているため、治療することで痛みや出血につながりやすい

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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