小児のいる家庭では、食事以外におやつを食べ与えることも多いかと思います。
しかし、このとき何も考えずに食べ与えていると、健康上良くありませんし、当然虫歯のリスクも高まるため、いろいろとポイントを押さえておかなければいけません。
今回は、小児のおやつと虫歯に関する素朴な疑問をいくつか解説したいと思います。
適切なおやつの量と時間帯は?
小児に与えるおやつの適切な量は、その小児の活動量によって異なります。
そのため、一概には言えませんが、目安としては、その後に訪れる夕食の時間をしっかりと空腹で迎えられる程度と考えておきましょう。
また、おやつ自体も、ある程度空腹になったタイミングで摂るのが重要であるため、与える時間帯として適しているのは、やはり昼食と夕食の中間にあたる15時前後です。
ちなみに、夜遅くの時間帯は、唾液の分泌量が低下する上に、休もうとしている胃腸を起こす原因にもなるため、おやつを食べ与えてはいけません。
甘いものは何歳から与えるべき?
小児が好きなおやつと言えば、やはり甘いものが挙げられます。
しかし、甘いものは人間が本能的に好む味であり、小児が欲しがるだけ与えてしまうと、食べすぎになるケースがほとんどです。
また、3歳くらいまでの間は、砂糖がたくさん含まれている味を覚えさせると、甘いものばかり欲しがるようになってしまうため、果物やさつまいもといった自然な甘味のものを中心に食べさせるべきです。
キシリトールに虫歯のリスクはある?
キシリトールは糖アルコールの一種で、虫歯の原因菌が口内に存在しても、歯を溶かす酸がつくられず、さらにその細菌が繁殖するのを阻止すると言われています。
そのため、虫歯になりにくいとされていて、チョコレートやキャンディー、ガムなどの甘みとして使用されることも多いです。
しかし、キシリトールは一般的に、おやつの甘味に使用する砂糖を含む他の甘味料よりも高価です。
そのため、製品によっては使用割合が100%ではないこともあり、このようなおやつは、当然小児に与えすぎることにより、虫歯のリスクを高める原因となってしまいます。
小児のおやつとしておすすめなのは?
小児に食べ与えるおやつとしておすすめなのは、歯の健康につながるものです。
例えばチーズや牛乳などの乳製品、トウモロコシやジャガイモなどの野菜、季節のフルーツなどが挙げられます。
またポテトチップスやせんべいも、実はそれほど虫歯のリスクが高くありません。
逆に、虫歯菌が好む糖分を多く含んだおやつは、極力与えすぎないことをおすすめします。
特にキャラメルのような歯に付着しやすいもの、キャンディのように長時間口に入れているものは注意が必要です。
おやつを何度も与えると虫歯になりやすい?
おやつは食事と食事の間に与えられる間食です。
小児にとっておやつはとても嬉しいものですが、だからといって親御さんは何度も食べ与えてはいけません。
こちらは歯の再石灰化が間に合わず、虫歯のリスクが高まることが理由です。
糖分を摂ると、糖分が虫歯菌によって分解され、酸を形成します。
また酸によって歯のミネラル成分が溶け出すことを脱灰と言いますが、唾液には溶け出したミネラル分を補う再石灰化という働きがあります。
再石灰化が行われることで、一度ミネラルが溶け出した歯であっても、簡単に虫歯になることはありません。
しかしおやつを頻繁に食べて脱灰が一日に何度も繰り返されると、再石灰化が間に合わず歯に穴が開き、虫歯を発症してしまいます。
飲み物は何を与えても良い?
おやつを与える際、食べ物だけでなく飲み物もあわせて与えるかと思いますが、こちらは何でも良いわけではありません。
糖分の少ないおやつを選んだとしても、飲み物がジュースでは意味がないからです。
清涼飲料水やスポーツドリンクには、多くの糖分が含まれています。
おやつの際は、水やお茶を一緒に与えることで、虫歯のリスクを軽減する効果が期待できます。
そのため、日頃から食事と一緒に摂る飲み物は、水がお茶と決めておくと良いでしょう。
一度小児の中で“おやつ=ジュース”というイメージがついてしまうと、水やお茶を与えてもぐずったり泣いたりしてしまう可能性があります。
おやつの後もブラッシングは必要?
食事の後だけでなく、おやつの後も基本的にはブラッシングをしなければいけません。
ブラッシングは3度の食事の後にするものだと思っている方が多いですが、おやつも間食であり立派な食事であるため、ブラッシングをせずに放置するのは危険です。
しかし、どうしてもおやつの後にブラッシングができないということもあるでしょう。
このような場合は、ブクブクうがいをさせるだけで構いません。
もしくは水やお茶を飲み、口に残った食べカスや汚れを洗い流しましょう。
水やお茶は虫歯のリスクを減らすだけでなく、口内を洗浄する働きもあるのです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・小児に与える適切なおやつの量は、その後の夕食を空腹で迎えられる程度
・おやつの摂取に向いている時間帯は15時前後で、夜の遅い時間帯は避けるべき
・3歳くらいまでは、なるべく砂糖がたくさん入ったおやつを与えないようにすべき
・キシリトール配合のおやつでも、虫歯のリスクはゼロではないため注意
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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