食いしばりがもたらすインプラント治療への悪影響

インプラント治療では、人工歯根を埋め込む処置を行った後、数ヶ月の間、人工歯根が骨と結合するのを待たなければいけません。
しかし、普段の生活において食いしばりをする方は、結合がうまくいかないことがあります。
ここからは、食いしばりがもたらすインプラント治療への悪影響について解説します。

食いしばりがもたらすインプラント治療への悪影響

日中や就寝中、無意識のうちに食いしばりをしてしまっている方は、インプラント治療におけるセラミックの被せ物(上部構造)が欠けたり、外れたりしてしまうことがあります。

被せ物だけの破損や欠損、脱落であれば、その部分だけを新しく作り直したり、入れ直したりすれば問題ないと思われがちですが、食いしばりによって人工歯根にまで強い力がかかってしまうと、骨と結合する部分にまでダメージが及びます。
このような段階にまでなると、問題なくインプラント治療を終えるのは困難になります。

食いしばりによって歯にかかる力は、体重の倍以上とも言われていて、成人男性の場合は100kgを超えることもあるため、どれだけ丈夫な素材であっても、これほどの負荷に耐えるのは難しいです。

インプラント周囲炎を引き起こす可能性も

インプラント治療中に食いしばりを行っている方は、インプラント周囲炎のリスクも高まります。

インプラント周囲炎は、文字通りインプラント周辺の歯茎や骨に炎症が起こる疾患です。
歯周病菌などの細菌感染によって引き起こされますが、食いしばりによって強い力がかかり、炎症を起こすことでも発症します。

またインプラント周囲炎になると、歯茎が下がってその隙間から細菌が侵入しやすくなります。
さらに顎の骨が溶け、最終的にはインプラントが脱落してしまうことも考えられます。

インプラント治療では、人工歯根の埋入後、少しずつ骨と結合させるために経過を観察します。
しかし、途中でインプラント周囲炎の症状が確認された場合、まずはその問題を解決しなければいけません。

食いしばりによる噛み合わせの悪化について

食いしばりが慢性化している方は、噛み合わせも悪化するおそれがあります。
こちらも、スムーズなインプラント治療の妨げになります。

インプラント治療は、失った歯をカバーするために行われるものです。
しかし、食いしばりによって噛み合わせが悪くなると、本来歯がない部分に隣り合う歯が寄ってきてしまうことがあります。

このとき、もしすでにインプラント治療を開始していたのであれば、隣の歯が邪魔をしてキレイに埋入できないことが考えられます。

またすきっ歯になったり出っ歯になったりすると、歯列全体の清掃性が低下します。
このことから、インプラント周辺もプラークの影響を受けやすくなり、前述したインプラント周囲炎などのリスクが高まります。

顔の審美性に問題が生じることも

インプラント治療中の食いしばりがひどい場合、顔の審美性に問題が生じることもあります。

食いしばりを継続していると、頬の筋肉が緊張し、エラが張ったように見えます。
こちらは顔が大きく見えてしまう原因になります。

インプラントは、本来失った歯を補い、顔の審美性を良くするためのものです。
特に前歯については外から見えやすいため、インプラントを適用することでかなり見栄えが良くなります。

しかし顔が大きく見えると、せっかくキレイになった歯に目が行かず、エラの部分ばかり注目されてしまう可能性があります。

食いしばりの対策について

食いしばりはインプラント治療に悪影響を与えるものであるため、できれば大きな影響が出る前に、もっと言えば治療を受ける前に対策を取っておきたいところです。

食いしばりの代表的な対策としては、ナイトガードの装着が挙げられます。

こちらは、就寝中に装着するマウスピースであり、食いしばりによって上下の歯が触れるのを防止するというものです。
上下の歯が触れ合わないため、前述したような被せ物の欠損や破損が起こる心配はほとんどありません。

また、その他の対策としては、質の高い睡眠を取ることも挙げられます。

就寝中は、横向きやうつ伏せなど、長時間同じ姿勢で寝ることを極力回避し、枕は高くしすぎず、寝返りが打ちやすい姿勢を心掛けましょう。
こうすることにより、就寝中の食いしばりは減少する可能性があります。

ちなみに、食いしばりは無意識に筋肉が緊張することで発生するケースが多いため、日頃から首や肩、腰のストレッチを行い、緊張をほぐすことも大切です。

なるべく上下の歯を接触させないことも大切

適切なインプラント治療の進行を妨げる食いしばりは、必ずしも就寝中にのみ発生するとは限りません。
日中も無意識に行ってしまう可能性があるため、起きている間は上下の歯を触れさせないように意識することが大切です。

具体的には、唇を閉じたときに歯が接触しやすくなるため、少し上下の唇は離しておくことが望ましいです。
もし歯が触れていることに気付いたのであれば、そのタイミングで離すだけでも多少は効果があります。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・食いしばりをする方は、インプラントの上部構造が欠けたり、外れたりすることがある

・食いしばりによって人工歯根にまで強い負荷がかかると、骨との結語部分にダメージが残る

・食いしばりの主な対策には、ナイトガードの装着や質の高い睡眠などがある

・日頃からストレッチを行い、食いしばりの主な原因である筋肉の緊張をほぐすのも大切

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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