歯磨きの際や食事の際、歯茎から出血してしまうケースがあります。
こちらは、歯茎が弱っている方によく見られるものですが、中には何かしらの疾患にかかっていることにより、出血しているという場合もあります。
今回は、歯茎からの出血を伴う疾患とそれぞれの治療法について解説します。
P急発
歯茎からの出血は、主に慢性疾患である歯周病が原因です。
一方で、歯茎には急性の歯周病も存在し、こちらをP急発といいます。
P急発のPは歯周病(Perio)の頭文字であり、こちらは強いストレスにより、免疫力が低下することなどで発症します。
出血の特徴としては、ジワジワとにじみ出るように出血し、大量に出血するということはほとんどありません。
また、P急発を発症すると、歯茎に膿が溜まり、歯がグラグラになってしまったり、上下の歯が少し触れただけで激痛を伴ったりすることがあります。
ちなみに、こちらの症状は、腫れた歯茎を切開して排膿させ、抗生物質や痛み止めなどを投与することで治療します。
若年性歯周炎
歯茎からの出血を伴う疾患には、若年性歯周炎も挙げられます。
こちらは、侵襲性歯周炎とも呼ばれるもので、15~20歳くらいの若さにもかかわらず、深い歯周ポケットが形成され、急激な歯槽骨の破壊が起こるというものです。
プラークの沈着がほとんどないにもかかわらず、歯茎が腫れるのが特徴であり、こちらもジワジワと出血することが考えられます。
また、若年性歯周炎は進行速度が早いため、早期治療が必要になります。
通常の歯周病治療に加え、抗菌材や抗生物質といった薬物療法による治療が有効な場合もあります。
薬物性歯肉増殖症
薬物性歯肉増殖症も、歯茎の出血を伴う疾患の1つです。
こちらは、薬の副作用が原因で起こる、歯肉が肥厚する疾患をいいます。
薬物性歯肉増殖症になり得る代表的な薬には、血圧を下げるカルシウム拮抗薬のニフェジピンやアムロジピン、抗てんかん薬のフェニトインなどが挙げられます。
また、薬物性歯肉増殖症は大量出血を伴うことがあるため、発症した場合には早急に飲んでいる薬の変更や中止をするか、歯肉を外科的に切除する必要があります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・P急発は強いストレスにより、免疫力が低下することで発症する急性の歯周病
・若年性歯周炎は、15~20歳くらいの若さで急激な歯槽骨の破壊が起こる疾患
・P急発、若年性歯周炎は、ジワジワと歯茎から出血するのが特徴
・薬の副作用が原因で起こる薬物性歯肉増殖症は、歯茎から大量に出血する場合がある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。