前歯が大きいことの原因やデメリット、治療法について

人の歯並びは千差万別であり、中には前歯が一般的なサイズと比べて少し大きい方もいます。
また、前歯が大きい方の中には、物心ついたときから大きい方もいれば、大人になってから少しずつ大きくなったという方も存在します。
今回は、前歯が大きいことの原因やデメリット、治療法などについて解説します。

なぜ前歯が大きくなるのか?

一般的な前歯は、横幅8.5mmほどのサイズであり、こちらを上回る場合、特に9.0mmを超えるような方は、大きいという認識で間違いありません。

また、このように前歯が大きくなる原因としては、やはりまず遺伝が挙げられます。
親御さんなど、親族の前歯が大きめである方は、物心ついたときからすでに大きいことが多いです。

その他の原因には、習癖や歯肉の退縮なども挙げられます。

習癖とは、前歯で下唇を噛む、口呼吸といった癖のことを指し、これらを行うことにより、上顎が前方に位置したり、過剰に上顎が発達したりして、前歯が大きく見えることがあります。
ちなみに、歯肉が退縮し、下がってしまうことでも、歯の面積が大きく見えることがあります。

ただし、習癖や歯肉の退縮は、あくまで前歯が大きく見える原因であり、サイズそのものが大きくなる原因ではありません。

他の歯が小さいことも原因の一つ

他の歯が小さいことにより、前歯だけが大きく見えてしまうというケースもあります。

こちらは矮小歯と呼ばれるもので、歯のサイズが通常よりも小さく、歯と歯の間の隙間が空いてしまっているケースも多いです。
正確には前歯が大きいわけではありませんが、外から見たときに“前歯が大きい”という印象がついてしまうことは事実です。

また矮小歯には、特定の歯のみが小さいケースだけでなく、全体的に歯が小さいケースもあります。
主な原因としては、遺伝や下垂体の機能が衰えていること、ビタミンDの欠乏などが挙げられます。

顎の大きさに対して歯が大きいことも原因

先ほどの矮小歯と似ていますが、実際前歯が大きいわけではなくても、顎の大きさに対して歯が大きい場合は前歯が目立ってしまいます。

また顎が小さい方は歯が並ぶスペースが狭いため、歯並びが悪化しがちです。
このようなケースでは、単純に歯を削るだけでは問題は解決しません。
矯正治療を含め、総合的に診断を受けて行うのがおすすめです。

矯正治療を受ければ、前歯の大きさが気にならなくなる可能性があります。

前歯が大きいケースと出っ歯の違い

“前歯が大きい=出っ歯”というイメージを持っている方もいるかと思いますが、こちらは正しい認識ではありません。

前歯が大きいというのは、前述の通り前歯の大きさが9.0mmを超えるようなケースを指しています。

一方出っ歯は歯が大きいのではなく、下側の顎が後ろに下がっていたり、下側の前歯が後ろに向けて生えていたり、上側の前歯が前に向かって生えていたりする不正咬合です。

ちなみに出っ歯の原因については、大きな前歯と同じく主に遺伝や習癖が挙げられます。

代表的な習癖には爪を噛むことや、指しゃぶりなどがあります。
指しゃぶりにはもちろんメリットもありますが、歯並びという観点からいうと、特に2歳6ヶ月頃までにはやめさせるようにするのが理想です。

前歯が大きいことのデメリットは?

前歯が大きい場合、歯が重なって生えてしまう原因になります。
こちらは小児に言えることですが、顎の発達が不十分であり、歯の生えてくるスペースが狭い場合、余計重なりやすくなるため、注意が必要です。

また、前歯が大きく、歯並びが乱れていると、食べカスが歯の隙間に挟まりやすく、虫歯や歯周病のリスクも高まります。

その他、前歯が大きいとどうしても目立つため、場合によってこちらがコンプレックスになり、人前でうまく話したり、笑ったりすることができなくなります。

大きい前歯の治療法は?

前歯のサイズが絶対的に大きい場合、その前歯そのものに原因があるため、基本的には歯を削る以外に方法がありません。

また、習癖や歯肉の退縮などにより、相対的に前歯が大きく見えるという場合は、歯列矯正によって歯並びを整えることで目立ちにくくなります。

矯正方法としては、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などが挙げられ、それぞれメリット・デメリットは異なります。

セラミック治療でも改善できることがある

前歯が大きい場合は、セラミック治療でも改善できることがあります。

セラミック治療は、歯を整えてセラミックの被せ物を装着する治療で、セラミック矯正とも呼ばれます。
短期間で前歯を改善することが可能で、前歯1本はもちろん、複数の前歯を同時に治療することもできます。

治療の内容としては、歯を削って小さくした後に歯型を採り、見た目を改善できるように作製されたセラミックの被せ物を歯に装着します。

被せ物はいくつかの種類がありますが、中でもすべてセラミックでつくられたオールセラミックは天然歯と同じような見た目を再現でき、非常に審美性が高いです。

ただし歯の内部には神経があるため、歯を削ることができる量は限られています。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・横幅9.0mmを超える前歯は大きいという認識が正しい

・前歯が大きくなる原因は遺伝、大きく見える原因は習癖や歯肉の退縮

・前歯が大きいと、歯が重なりやすかったり、虫歯や歯周病のリスクが高まったりする

・大きい前歯は削るもしくは歯列矯正で治療できる

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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