十分な歯磨きをしなかった場合、小児も大人と同じように、口内にプラークや歯石が溜まり、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。
また、小児の中には、歯磨きを嫌がり、なかなか親御さんの言う通りに磨こうとしない子もいます。
今回は、小児が歯磨きを嫌がってしまう主な理由について解説します。
口内に歯ブラシが入ることに抵抗がある
小児が歯磨きを嫌がる主な理由としては、まず口内に歯ブラシが入ることに対し、抵抗を感じていることが挙げられます。
大人にとって歯ブラシは、これまで何度も口に入れてきたものであるため、それほど抵抗はありませんが、小児にとっての歯ブラシは、これまで口に入れてきたものとは異なる得体の知れないものです。
そのため、慣れるまでは気持ち悪い感覚が続き、このような思いをしたくないという理由から、なかなか自主的に歯磨きをしようとしないことがあります。
口を開け続けるのが苦痛
小児が歯磨きを嫌がってしまう理由としては、長い時間口を開け続けるのが苦痛だということも挙げられます。
歯磨きの際には、最低でも数分間は口を開けていなければいけませんが、このようにすることで、口内には少しずつ唾が溜まっていきます。
大人の場合、唾が溜まればすぐに吐き出すことが可能ですが、まだ幼い小児はそれができず、息苦しさを感じてしまい、それが次第に歯磨きへの嫌悪感につながります。
また、歯磨きの際に長時間口を開け続けることにより、顎が痛くなったり、疲れたりすることを嫌う小児も少なくありません。
歯磨きの際の親御さんに恐怖心を抱いている
小児が歯磨きを嫌がる理由としては、歯磨きの際の親御さんに恐怖心を抱いていることも挙げられます。
親御さんの中には、何とか小児に歯磨きをしてもらうために、無理やり押さえつけたり、怒ったりしている方もいるかもしれませんが、こちらは逆効果です。
このようにすると、小児は“歯磨き=親御さんが怖くなる、怒る”というイメージが付いてしまい、歯磨きそのものを敬遠するようになってしまいます。
そのため、歯磨きの重要性を伝え、あくまで自主的に磨かせることが大切です。
ブラッシングが強い
親御さんが小児の仕上げ磨きをする場合、ブラッシングが強すぎることにより、嫌がってしまうケースがあります。
ブラッシングが強いと、当然小児は痛みを感じやすく、泣いてしまう可能性も高いです。
対策としては、まず歯ブラシを持つ際、鉛筆を持つときと同じペングリップにすることが挙げられます。
こうすることで細かく動かすことができ、強い力も入らないため、優しく磨けます。
また歯ブラシの動かし方は、できるだけ小さい幅で細かくかつ優しく動かすのがコツです。
あまり力を入れず、歯ブラシの毛先が軽く当たる程度で十分です。
汚れをキレイに落とすには、歯面に対し直角に毛先を当てるのがポイントです。
食後の眠気
小児は食事の後、強い睡魔に襲われることがあります。
しかし歯磨きは基本的に食後に行うものであるため、眠くなるタイミングと被り、嫌がってしまうケースがよく見られます。
場合によっては、食事中すでに眠気を感じていることもあり、このような状態で歯ブラシを入れてもなかなかスムーズにブラッシングが進みません。
もしまったく歯磨きが進まないのであれば、就寝前のタイミングまで待つことをおすすめします。
眠っている間は唾液の分泌量が減少し、虫歯のリスクが高まるため、就寝前には必ずブラッシングをしなければいけません。
朝もしくは昼に十分歯磨きができなかった場合は、特に就寝前の歯磨きを丁寧に行いましょう。
機嫌が悪い
単純に機嫌が悪いことも、小児が歯磨きを嫌がる理由の一つです。
機嫌が悪い場合は、子どもが好きな歌やゲームを取り入れた歯磨きの時間をつくることで、機嫌が良くなることがあります。
また歯磨きのときに毎回小児の機嫌が悪くなる場合、そもそも歯磨きに興味を持っていないことが考えられます。
このような場合、キャラクターのデザインの歯ブラシや歯磨き粉などを使用することで、スムーズにブラッシングを進められる可能性があります。
イヤイヤ期
イヤイヤ期の小児は、歯磨きだけに限らず何でもかんでも嫌がる傾向にあります。
イヤイヤ期は小児が自身の気持ちを押し通そうとする時期であり、色々なことを一人で行いたいと考えます。
そのため、仕上げ磨きなど親御さんのサポートは特に嫌がる可能性が高いです。
だからといって、まだ幼い小児に歯磨きを任せても、磨き残しが出てしまう可能性が高いです。
イヤイヤ期も機嫌が悪いときと同様に、とにかく“歯磨きは楽しいもの”というイメージを持ってもらえるよう、親御さんが工夫するしかありません。
ちなみに、小児は親御さんが行ったことを真似することが多いです。
このことから、すぐ側で親御さんが自身の歯磨きや歯磨きのまねっこ遊びをすれば、機嫌が良くなり磨いてくれる可能性があります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・小児は歯ブラシが口に入る感覚が気持ち悪く、歯磨きを避けてしまうことがある
・幼い小児は唾を吐き出すことができないため、歯磨きで口を開け続けることに抵抗感がある
・口を開け続けることによる顎の負担を嫌う小児もいる
・歯磨きの際、親御さんが怖くなると、それが小児のトラウマになる可能性がある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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