普通に食事をしているつもりであっても、無意識のうちにクチャクチャと音が鳴っている方がいます。
こちらは “クチャラー”と呼ばれ、お世辞にも行儀が良いとは言えず、周囲に不快な思いをさせてしまうことがあります。
今回は、食事の際にクチャクチャと音が鳴ってしまう主な原因について解説します。
主な原因は噛み合わせの悪さ
食事の際にクチャクチャと音が鳴る原因としては、やはり噛み合わせの悪さが挙げられます。
前歯が前方に突出していたり、下顎が受け口の状態になっていたりする方は、しっかりと唇を閉じて咀嚼するのが難しく、どうしても音が鳴りやすくなります。
また、噛み合わせのバランスが悪い場合、噛みやすい部分に歯をずらしながら食べるようになり、こちらが咀嚼音につながることもあります。
もちろん、このような方でも音を立てずに食べることは可能ですが、強く意識していなければ、自然と口を開けてしまう傾向にあるため、注意しなければいけません。
舌や口周りの筋力不足も原因の1つ
食事の際にクチャクチャと音が鳴ってしまう原因には、舌や口周りの筋力が不足していることも挙げられます。
口の周りには口輪筋という筋肉がありますが、こちらの力が弱い方は食事中口呼吸になりやすく、口が開いている状態で咀嚼するため、音が鳴りやすくなります。
また、舌の筋肉が弱い方は、舌で口内に食べ物を運ぶ際、クチャクチャという音が出やすくなります。
こちらは、舌を口内で前後、左右、上下にうまく動かしながら食べ物を運ばないと、口を閉じたまま咀嚼するのが難しくなることが原因です。
幼少期の環境が原因の場合もある
噛み合わせも良く、なおかつ舌や口周りの筋力も問題ないにもかかわらず、食事の際に音が鳴ってしまうという方は、幼少期の環境が原因かもしれません。
幼少期は、基本的に口が開いている状態で食事をしますが、年齢を重ねるにつれて、こちらは徐々に矯正されていくものです。
しかし、以下のような環境で生活してきた方は、口が開いている状態が大人になっても続いていて、簡単に音を立てる癖を治すのが難しい可能性があります。
・家族がクチャクチャと音を立てていた
・テレビを観ながら、しゃべりながら食事を摂っていた など
鼻づまりが原因で発生することも
鼻づまりがある方も、食事の際はついクチャクチャと音を立てがちです。
鼻炎などで鼻呼吸ができない方は、必然的に口呼吸をする機会が多くなるからです。
また喉には食道と気管があり、食べ物を胃に運ぶのが食道、空気を肺に運ぶのが気管の役割です。
しかし口が開いた状態で食べ物を飲み込むと、気管に食べ物が入ってしまう可能性があります。
こちらは誤嚥と呼ばれるものであり、高齢の方などに起こると窒息や誤嚥性肺炎などのリスクが高まります。
つまり鼻づまりがある方は、食事のときクチャクチャ音を立ててしまうだけでなく、健康面のリスクも高くなると言うことです。
一度に食べる量や食べる早さもクチャクチャ食べに関係している
食事を摂るとき、一度に食べる量が多い方は、クチャクチャ音を立てやすくなります。
たくさんのものを同時に噛まなければいけないわけですから、音が大きくなるのは当然です。
また食べるスピードが速い方も、十分噛まずに飲み込んでしまうため、咀嚼音が大きくなる傾向にあります。
もちろん一度に食べる量が多くなおかつスピードも早いという方は、咀嚼音で周りの方を不快にさせる可能性が高いため、注意が必要です。
食べ物の種類によっても咀嚼音は大きくなる
食事のときクチャクチャ音を立ててしまうのは、食べ方ではなく食べ物の種類が原因であることも考えられます。
例えば煎餅やナッツなどの硬いものは、どうしても音が鳴りやすいです。
クチャクチャという音とはまた違いますが、マナーを考慮するのであれば硬いものを食べるときのバリバリ、ゴリゴリといった音もあまり出さないのが望ましいです。
またキャラメルなどの粘着性の強いもの、ホルモンなどの噛み応えがあるものも、クチャクチャ食べを誘発します。
特に口呼吸の方は、これらを食べたときの咀嚼音が大きくなりやすいため、ゆっくりとよく噛んで食べることを意識しましょう。
食事のときクチャクチャ音が鳴るのを改善するには?
クチャクチャ食べの改善方法としては、やはり矯正治療が挙げられます。
矯正治療によって歯並びが改善すれば、唇を閉じやすくなり、噛みやすくなれば正常な咀嚼運動に導くことも可能です。
ただし重度の歯周病などがある場合は、先にそちらを治療しなければ矯正治療を受けられません。
また鼻呼吸ができない方は、耳鼻科で原因を探すところから始めましょう。
鼻の疾患といっても、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などさまざまな種類があります。
ちなみに口の筋肉が弱い方には、リップトレーニングがおすすめです。
方法としては、まず大きめのボタンなどに糸をくくりつけ、ボタンを唇と前歯の間に挟みます。
その後口を閉じながら糸だけ外に出し、ボタンから唇が飛び出す寸前の加減で糸を手前に引っ張ります。
1日に何度か行えば、口輪筋が鍛えられます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・クチャラーは行儀が悪く、周囲に不快な思いをさせてしまうことがある
・噛み合わせが悪い方は、食事の際にクチャクチャと音が鳴りやすくなる
・舌や口周りの筋力不足も、食事の際に音が鳴ってしまう原因の1つ
・幼少期の環境によっては、大人になってもなかなか音を立てる癖が治らない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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