風邪を引いている状態で虫歯治療を受けても良いのか?

風邪はくしゃみや鼻水、鼻づまりや喉の痛み、発熱など、さまざまな症状を引き起こす病気です。
子どもからお年寄りまで、幅広く罹患します。
では、風邪を引いている状態で虫歯が痛んでしまった場合、そのまま歯科クリニックで治療を受けても良いのでしょうか?
今回はこちらの点を中心に解説したいと思います。

風邪を引いている状態で虫歯治療を受けるべきではない

結論からいうと、風邪の症状が出ている場合は、基本的に虫歯治療を受けるべきではありません。
理由としては、感染症のリスクが高くなってしまうことが挙げられます。

風邪を引いているということは、ウイルスや細菌などに感染している状態であり、このとき身体の免疫力は低下しています。
また、このような状態で虫歯を削ってしまうと、削った部分から細菌が入り込み、感染しやすくなります。

つまり、虫歯を治療するために歯科クリニックを訪れたにもかかわらず、風邪とはまた別の感染症にかかってしまうおそれがあるということです。

治療の際に苦しさを覚える可能性も

風邪を引いている状態での虫歯治療は、感染症のリスクを高めるだけでなく、治療の際の苦しさにつながってしまう可能性もあります。

冒頭で触れた通り、風邪を引いている方のほとんどは、鼻水や鼻づまり、咳などの症状に悩まされています。
また、虫歯治療をしている最中は、基本的に口を開けっ放しにしなければいけないため、呼吸が苦しくなったり、咳をする際に躊躇したりすることにつながります。

もちろん、虫歯の進行具合によっては、このような状況が数十分も続くことになるため、人によっては耐え難い時間となってしまいます。

風邪が原因で歯が痛み出すこともある

風邪を引いているタイミングで、歯が痛み出したという場合、虫歯ではなく、副鼻腔炎が原因の可能性もあります。

副鼻腔炎は、蓄膿症とも呼ばれるもので、名前の通り副鼻腔炎に炎症が起こる病気です。

具体的には、鼻の周囲に存在する8個の空洞である副鼻腔の粘膜が腫れるもので、こちらは風邪のウイルスやアレルギーによって発症します。

また、副鼻腔の炎症が歯の神経に伝わると、痛みが出るようになり、症状がさらに悪化して膿が溜まると、歯の根を圧迫し、歯に痛みが出ることがあります。

過去の根管治療で残った虫歯菌が風邪で炎症を起こすことも

虫歯治療と言えば、歯を削る治療をイメージする方も多いかと思いますが、こちらが重度にまで進行すると、根管治療という治療が必要になります。

根管治療は、歯の中にある根管で死んだ神経や血管、汚染された象牙質などを取り除き、根管の中を清掃して、消毒する治療です。

しかし、こちらの治療は必ずしも成功するとは限らず、うまくいかなかった場合、根管に虫歯菌が残ってしまうことがあります。

また、風邪によって体調が悪化すると、疲れが溜まって抵抗力が低下し、その間に根管の中に残った虫歯菌が炎症を起こし、痛みや腫れが出ます。

風邪を引いたときの歯の痛みの特徴

風邪を引いたときの歯の痛みは、前述の通り虫歯以外にもさまざまな原因で起こります。

ただし、こちらの痛みは、風邪の症状が治るとともに、2~3日で治まることが多いです。
風邪の状態にもよりますが、副鼻腔の粘液や腫れが落ち着いてくると、歯の痛みも徐々に治っていきます。

また、歯の痛みは1本ではなく、全体的に見られることが多いです。
虫歯の場合、痛みのある歯は限定されることが多いため、こちらの特徴の違いにより、虫歯が原因なのかそうでないのかを見極めやすくなります。

ちなみに、風邪による歯痛の際には、痛み以外にもさまざまな症状が出ます。
例えば、歯が浮いた感じや違和感、鈍痛などがあり、場合によっては歯の激痛として現れることもあります。

虫歯の症状が強い場合は?

風邪を引いている場合でも、虫歯の痛みが強かったり、腫れがひどかったりする場合は、虫歯菌などが顎の骨、血管などにおいて炎症を起こしている可能性があるため、治療を行った方が良いです。

自身では受診して良いのか判断できないという場合は、前もって歯科クリニックに電話で相談することをおすすめします。
また、このとき歯科クリニックから、どのような風邪の薬を処方されているのか質問されることがあるため、あらかじめ手元に置いておくとスムーズです。

歯科クリニックに通うまでの過ごし方について

風邪の症状があり、歯科クリニックに通うまでに時間がかかる場合は、その間熱い湯船に入らないようにしましょう。
熱い湯船に浸かると、全身の血行が良くなり、歯痛も強くなるため、シャワーを軽く浴びる程度にとどめておくべきです。

また、アルコールも全身の血行を良くする作用があるため、歯痛と発熱があるときには控えるようにしてください。
体温も上昇し、痛みが増悪するおそれがあります。

ちなみに、痛みや不快感がある場合、どうしても気になって触ってしまうこともあるかと思いますが、患部に触れると細菌感染や発熱を悪化させるため、控えるようにしましょう。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・風邪の症状が出ている場合は感染症のリスクが高くなるため、基本的に虫歯治療を受けるべきではない

・鼻づまりや咳などの症状がある場合、虫歯治療で苦しさを覚える可能性もある

・あまりにも虫歯の痛みや腫れが強い場合は、風邪を引いていても治療を受けるべき

・受診の判断は歯科クリニックに相談すべき

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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