知覚過敏は、歯ブラシの毛先が触れたり、冷たい食べ物や甘いもの、風などが当たったりしたときに感じる歯の痛みです。
また、こちらには歯周病や加齢などさまざまな原因がありますが、歯磨きの仕方を間違えることでも発症する可能性があります。
今回は、知覚過敏につながりやすい歯磨きの方法について解説します。
強い力でブラッシングする
知覚過敏につながりやすい歯磨きの方法としては、まず強い力でのブラッシングが挙げられます。
歯周病や虫歯を防ぐためには、歯と歯茎の間、歯と歯の間を丁寧に磨くことが重要です。
しかし、必要以上に強い力でブラッシングをしてしまうと、歯茎の退縮が進行し、知覚過敏の症状が出るおそれがあります。
鏡を見ず、他の作業をしたり、スマホを操作したりしながら歯を磨く方は、知らず知らずのうちにブラッシングの力が強くなっている可能性があるため、注意してください。
力加減がコントロールできない場合は、電動歯ブラシを使用することをおすすめします。
食後すぐに歯を磨く
食後すぐに歯を磨くことも、知覚過敏につながりやすい歯磨きの方法の1つです。
毎食後すぐに歯磨きをし、少しでも歯がキレイな状態を保っておきたいという方もいるかと思いますが、こちらはお世辞にも良い行動とは言えません。
食後の口内は酸性に大きく傾いていて、このような状態でのブラッシングは、エナメル質にダメージを与える可能性が高くなってしまうからです。
また、エナメル質に傷がつくことで、歯が冷たさなどの刺激から守られにくくなり、こちらが知覚過敏につながってしまいます。
そのため、食後の歯磨きは、口内が酸性から中性に戻る30分程後まで控えましょう。
長時間歯を磨く
知覚過敏につながりやすい歯磨きの方法としては、長時間歯を磨くことも挙げられます。
たとえ、ブラッシングの力を弱めて磨いたとしても、1日に何度も歯を磨いたり、1回1回の歯磨きを数十分かけて行ったりすると、歯へのダメージは蓄積されていきます。
その結果、歯が消耗して知覚過敏の症状につながることも考えられます。
よって、歯磨きは多くても1日3回まで、1回の歯磨きは3分前後に押さえることを意識しましょう。
歯磨き粉をつけすぎる
正確にはブラッシングの方法ではありませんが、歯磨き粉をつけすぎることも知覚過敏につながるおそれがあります。
こちらは、歯磨き粉に研磨剤が含まれている場合に言えることです。
研磨剤は歯磨剤とも呼ばれるもので、歯の表面の汚れをよく落としてくれます。
しかし名前の通り研磨作用があるため、研磨剤入りの歯磨き粉を大量につけて歯を磨くと、歯が削られてしまい、知覚過敏を発症することがあります。
そのためもし研磨剤入りの歯磨き粉を使用するのであれば、量はほんの少し、歯ブラシの1/10程度の量に抑えましょう。
歯磨き粉の量が少ないと、しっかり磨いた感覚は少なくなりますが、歯が見えやすく正しいブラッシングをしやすくなります。
その他の知覚過敏の原因
知覚過敏の原因はブラッシングの他にもあります。
中でも代表的なのが、老化や歯石除去による知覚過敏です。
人は老化することにより、少しずつ歯茎が下がっていきます。
歯茎が下がって歯根が露出すると、知覚過敏を発症しやすくなり、特に冷たいものがしみやすくなります。
歯根にはエナメル質がないため、虫歯への抵抗力が低く、注意が必要です。
また歯科クリニックにおいて、虫歯や歯周病を予防するために、歯石除去を受ける方も多いでしょう。
しかし歯石を除去すると、象牙質を覆っていた歯石がなくなるため、知覚過敏の症状が出やすくなります。
歯石は歯周病の原因になるため、もちろん除去すること自体は間違いではありません。
しかし知覚過敏のリスクを軽減させたいのであれば、歯石を除去してから知覚過敏の治療を行うことをおすすめします。
知覚過敏と歯周病の関係
冒頭でも少し触れましたが、知覚過敏は歯周病とも深い関係があります。
歯周病は、プラークや歯石が原因で、歯茎が炎症を起こす疾患です。
歯周病の方は炎症によって歯茎が下がり、痛みを感じる象牙質が露出するため、知覚過敏を起こしやすくなります。
仕組みとしては、老化による歯茎の退縮が起きたときと似ています。
また知覚過敏から歯周病につながるケースもあります。
知覚過敏の場合、刺激でブラッシングをするのがつらいこともあるでしょう。
しかしブラッシングを怠ると、歯周病および知覚過敏のさらなる悪化につながります。
日本人の歯周病罹患率は下がってきてはいるものの、依然高い水準であり、25~34歳で30%、35~44歳で40%、45~54歳は50%と年齢が上がるとともに上昇します。
ちなみに、歯周病が原因で知覚過敏を発症しているかどうか、患者さん自身が見極めるのは非常に難しいです。
そのため、少しでも歯がしみる症状が気になったタイミングで、すぐに歯科クリニックに相談することをおすすめします。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・知覚過敏は、歯ブラシや冷たいものなどが当たったときに感じる歯の痛み
・強い力でのブラッシングは、歯茎の退縮や知覚過敏につながりやすい
・食後すぐに歯を磨くことも、知覚過敏につながりやすい歯磨きの方法の1つ
・長時間歯を磨きすぎると、歯が消耗して知覚過敏を発症するおそれがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。