幼児の歯が生え始めるのは、生後6~8ヶ月程度が一般的です。
しかし、場合によっては、こちらの時期を迎えたにもかかわらず、なかなか歯が生えてこないことがあります。
このようなケースには、一体どのような理由が考えられるのでしょうか?
今回はこちらの点について解説します。
乳歯萌出遅延
幼児の歯がなかなか生えてこない代表的な理由としては、乳歯萌出遅延が挙げられます。
こちらは、早産や低体重など、親御さんのお腹の中で発育が十分行われていない場合に多く見られるものです。
場合によっては、1歳を過ぎているにもかかわらず、1本も歯が生えてこないことがあります。
また、幼児の歯は2歳半くらいですべて生え揃うのが一般的ですが、乳歯萌出遅延によって生え始めが遅れた場合は、生え揃う時期も3歳頃まで延びることが考えられます。
もし、1歳の時点でほとんど歯が生えていない、あるいは1本も生えていないのであれば、親御さんがすぐに歯科クリニックに連れていくことをおすすめします。
癒合歯
幼児の歯がなかなか生えてこない場合、そちらの歯は癒合歯の可能性があります。
癒合歯とは、本来1本ずつ生えてくるはずの歯が、2本くっついて生えてしまうことをいいます。
乳歯に多く見られるものであり、原因はまだハッキリと解明されていないものの、胎児の際に乳歯の芽が作られ、そのときにくっついてしまい、そのまま発育してしまったという説が一般的です。
また、こちらは通常の歯と比べて生えるのが遅いことがあり、永久歯への生え変わりを阻害することも考えられるため、一部のみ歯が生えない場合は注意すべきです。
先天性欠如
先天性欠如も、幼児の歯がなかなか生えてこない理由の1つです。
こちらは、生まれつき歯の本数が足りないという症状であり、何らかの理由で歯胚が形成されないことによって起こります。
前述した症状とは違い、遅れて生えてくることもありません。
また、欠如する歯の本数には個人差があり、1~2本だけの場合もあれば、10本以上欠如することもあります。
幼児の場合、すぐこちらの症状に対応する必要はありませんが、永久歯が生え揃う年齢になっても欠如が見られる場合は、歯列矯正や部分入れ歯などが必要になることも考えられます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・早産や低体重など、お腹の中で発育が十分行われていない場合、幼児の歯は生えるのが遅れることがある
・癒合歯は生えるのが遅く、永久歯への生え変わりにも影響を及ぼす可能性がある
・生まれつき歯の本数が少ない場合、将来的に歯列矯正や部分入れ歯が必要になることもある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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