幼児の歯茎から出血したときに考えられる病気について

特に外傷がないにもかかわらず、定期的な歯茎からの出血が見られる場合、何らかの病気にかかっている可能性が高いです。
また、こちらは幼児に関しても例外ではありません。
ここからは、幼児の歯茎から出血したときに考えられる3つの病気について解説したいと思います。

不潔性歯肉炎

幼児の歯茎から頻繁に出血が見られる場合、不潔性歯肉炎を患っている可能性があります。

こちらは、歯磨きが不十分なところにプラークが溜まることで、歯茎の発赤や腫脹、出血や痛みといった症状が出る病気です。
丁寧にブラッシングをしてプラークを除去したり、歯石を取ったりすることによって、多くの場合は比較的早期に治癒しますが、長期間放置すると重症化し、出血や痛みのために歯磨きや歯石除去が困難になる場合があります。

また、歯茎が腫れたまま硬くなり、元に戻りにくくなることも考えられるため、親御さんは注意しなければいけません。

萌出性歯肉炎

幼児の歯茎から出血が見られる場合、萌出性歯肉炎を患っている可能性もあります。

こちらは、幼児の歯が生えてくることに伴って起こる歯肉炎で、生え始めた乳歯や第一大臼歯、第二大臼歯の周辺などでしばしば見られます。
歯が生えるときには、その歯が周囲の歯茎を押しのけるような形になりますが、萌出性歯肉炎はこのとき歯茎の形状が変わり、食べカスやプラークがつきやすくなるのが原因で発生します。

症状としては、歯茎の腫れや出血などが多いですが、その他にもむず痒さ、歯磨きのときの痛みといった症状が挙げられます。
もし、幼児が歯磨きを明らかに嫌がるのであれば、こちらの病気にかかっていることを疑うべきです。

ヘルペス性歯肉炎

ヘルペス性歯肉炎も、幼児の歯茎から出血が見られる場合に、かかっている可能性のある病気です。

こちらは、ヘルペスウイルスの感染により、歯茎や喉の奥に口内炎が多数でき、その痛みと高熱のため、口から食べたり飲んだりすることが困難になるというものです。
発熱後2~3日後程度経過した後、歯茎の腫れや出血が見られるようになった場合、親御さんはこちらの病気を疑いましょう。

ちなみに、ヘルペスウイルスは伝染力が強いため、親御さんやその他の家族は、ヘルペス性歯肉炎を患っている幼児と同じタオル、コップなどの使用を避けるべきです。

出血性素因

先天的な病気や全身的な病気の症状として、歯茎からの出血が見られることもあります。
こちらは幼児が生まれた後の健康診断や検査でチェックされることが多いです。

このような病気は、総称して出血性素因といいます。
具体的には歯茎から漫然と出血が続くことが多いです。
その他体に青紫のアザができやすい、打った場所が内出血しやすい等の特徴もあります。

これらの症状が見られる場合は、すぐに医師に診察してもらってください。
病気の種類によっては、放置することでさらに体調が悪化する可能性もあります。

外傷

幼児における歯茎の出血は、外傷が原因の場合もあります。
特に歯茎に対して直角に鋭いものが当たった場合は、歯茎が裂けて出血しやすいです。
このような場合、基本的には医師による縫合が必要です。

また、歯茎と歯茎の間から出血することも考えられます。
衝撃の強さにもよりますが、こちらは乳歯の根の神経が損傷している可能性があります。

ちなみに乳歯の根の神経が損傷している場合、歯に血液が届かなくなります。
そのため、次第に乳歯が黒ずんでくることもあります。
もし出血が止まっていたとしても、心配なときは歯科クリニックで診てもらいましょう。

幼児の歯肉炎を放置するリスク

前述の通り幼児の歯茎からの出血は、歯肉炎が原因であるケースが多いです。
こちらの歯肉炎については、成長とともに治るケースがあります。

しかし不潔性歯肉炎などの場合は、放置していると悪化することも珍しくありません。

歯茎の下には歯を支える歯槽骨があり、歯の半分以上は歯槽骨に埋まっています。
歯茎の炎症である歯肉炎が進行すると、歯槽骨を損なう歯周炎に移行します。
最終的には、そのまま歯が抜け落ちてしまうことも考えられます。

歯周炎の進行を止めることはできますが、歯茎を以前の状態に戻すことはできません。
また歯周炎は自覚症状がないため、気づいたときには重症化していることもあります。

そのため、歯肉炎の段階で適切なケアを行う必要があります。

幼児の歯肉炎ケアのポイント

幼児は生後半年頃から前歯が生え始めます。
こちらが歯磨きをスタートさせる時期です。

幼児は口も歯も小さいため、最初は歯ブラシを当てるのは無理かもしれません。
その場合はガーゼや綿棒を使い、歯の表面を軽く拭き取るだけでも結構です。

また1~2歳頃には、寝る前の歯磨きを必ず習慣づけましょう。
歯ブラシは軽く当て、小刻みに動かすことを意識してください。
特に仕上げ磨きでは、上の奥歯を注意して磨くことをおすすめします。

ちなみに、2歳になると一般的には乳歯がすべて生え揃います。
この時期からは、生え揃った歯と歯の間をしっかりとケアするのが大切です。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・幼児が頻繫に歯茎から出血する場合、何らかの病気にかかっている可能性が高い

・不潔性歯肉炎は、歯茎の発赤や腫脹、出血や痛みといった症状が出る病気

・萌出性歯肉炎は、幼児の歯が生えてくることに伴って起こる歯肉炎

・ヘルペス性歯肉炎は、ヘルペスウイルスの感染によって発症する病気

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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