幼い小児の中には、親御さんが歯磨きをしようとしたとき、嫌がって泣き出したり、暴れたりする子もいます。
また、毎回このような状況になると、親御さんの負担はとても大きくなってしまいます。
今回は、幼い小児が歯磨きを嫌がる場合に、ぜひ実践していただきたい対処法をいくつか紹介したいと思います。
口内をゆすぐだけにする
幼い小児が歯磨きを嫌がって泣いたり、暴れたりする場合は、強引に磨こうとしたり、大きな声で怒ったりしてはいけません。
このような行動を取ると、小児はますます“歯磨き=嫌い”という考えになってしまうからです。
よって、どうしても磨くことができないという場合、その日はとりあえず口内をゆすぐだけにとどめておきましょう。
具体的には、白湯を口に含ませ、うがいによって口内の汚れを洗い流す程度にしておきます。
もちろん、本当は毎日歯を磨くのが一番良いですが、長い目で見れば、極端に嫌がる場合には引くことも肝心です。
体勢を変える
幼い小児が歯磨きを嫌がる場合、親御さんは体勢を変えることも考えましょう。
親御さんが小児の歯を磨く際、小児を寝かせた状態で、上から磨くというケースも多いかと思います。
しかし、このような体勢だと、上からのぞき込む親御さんの顔が怖く見え、嫌がったり泣いたりしてしまう可能性が高くなります。
よって、小児がなかなか歯磨きをさせてくれないのであれば、目の前に座らせて対面する形で磨いたり、鏡を見ながら小児の後ろ側から磨く形を取ったりすることをおすすめします。
ぬいぐるみや人形を利用する
幼い小児が歯磨きを嫌がる場合には、小児が好きなぬいぐるみや人形を利用するのも1つの手です。
こちらは、「〇〇ちゃん(〇〇くん)の代わりに僕が歯を磨くよ」といったように、親御さんではなく、あくまでぬいぐるみや人形がしゃべっているかのようにして、楽しく歯を磨いてもらうという作戦です。
1~2歳くらいの小児であれば、このような工夫ですぐに機嫌が良くなることもありますし、今後の歯磨きが楽しみだと思ってもらえる可能性も十分にあります。
小児がお気に入りのぬいぐるみや人形を持っているという場合には、ぜひ試してみてください。
歯磨きする時間を決める
幼い小児が歯磨きをさせてくれない場合、歯磨きする時間をあらかじめ決めておくことをおすすめします。
こうすることで、小児は歯磨きの時間を意識するようになり、嫌がりにくくなります。
それまで楽しく遊んでいたにもかかわらず、急に歯磨きをすることになると、多くの小児は嫌がってしまいます。
一方“〇時からは歯磨きの時間”としっかり習慣化していれば、遊んでいても切り替えられるようになり、小児の歯磨きができる可能性は高まります。
また親御さんは歯磨きの時間だけでなく、ご飯やお風呂、寝る時間も事前に決めておき、規則正しい生活を送らせることが大切です。
規則正しい生活は、口内だけでなく全身の健康につながります。
美味しいと感じる歯磨き粉を使用する
幼い小児が歯磨きを嫌がる場合、小児が美味しいと感じる歯磨き粉を選ぶのもポイントです。
具体的には、フルーツ系などの甘めなものがおすすめです。
一方、ミント系などの刺激が強いものは苦手とする小児も多いため、避けるのが無難です。
また歯磨き粉を選ぶ際は、泡立ちが少ないものを選ぶのも良いです。
よく泡立つものだと、小児の口の中が泡で溢れ、気持ち悪いと感じてしまうおそれがあります。
小児用歯磨き粉の多くは、甘めの味になっていることが多いため、なかなか歯磨きをさせてくれない場合はぜひ使用してみてください。
歯磨きのしあいっこをする
幼い小児が歯磨きをさせてくれない場合、親御さんと歯磨きのしあいっこをしてみるのも良いでしょう。
こちらは、小児が親御さんの歯、親御さんが小児の歯を磨くというものです。
歯磨きを嫌がる小児の中には、”歯磨き=怖い“というイメージを持っている子も多いです。
歯磨きのしあいっこをすれば、このような恐怖心は薄れます。
具体的にはまず親御さん用の歯ブラシで歯を磨かせ、その後交代し、小児用歯ブラシで小児の歯を磨きます。
このように、歯磨きごっこ遊びの延長として行うことで、歯磨きをスムーズに行うことができます。
動画や絵本を活用する
幼い小児が歯磨きをさせてくれない場合、動画や絵本を活用するのもおすすめです。
近年はスマートフォンやタブレットなどで動画サイトにアクセスすれば、小児の歯磨き動画を閲覧できます。
小児にとっては苦痛な歯磨きでも、軽快な音楽を聴かせたり、可愛い絵を見せたりすることで、楽しい時間を演出できます。
また動画を観ている間は歯磨きをするというルールをつくることで、2~3分の歯磨きの習慣化にもつながります。
さらに、普段読む絵本の中には、歯磨きに関する絵本を加えてみましょう。
このような絵本を読むことで、普段から歯磨きを身近に感じさせ、歯磨きをしないとどうなるのか絵本を通じて優しく伝えられます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・幼い小児が歯磨きを嫌がっても、強引に磨いたり、怒鳴ったりしてはいけない
・どうしても歯磨きをさせてくれない場合、その日は口内をゆすぐ程度にとどめておくべき
・歯磨きの体勢を変えることで恐怖心が消え、小児はおとなしくなることがある
・お気に入りのぬいぐるみや人形で気を紛らわすのも効果的
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。