小児の床矯正におけるメリット・デメリットについて

“床矯正”は、床(しょう)と呼ばれるプレート状の装置を使用し、装置のネジを段階的に締めていくというものです。
また、小児の矯正治療でも床矯正はよく用いられますが、一体どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
今回はこちらの点について、詳しく解説したいと思います。

小児の床矯正におけるメリット

小児の床矯正におけるメリットとしては、まず取り外しができるという点が挙げられます。

一般的な矯正装置は、接着剤で固定されているため、取り外すことができません。
また、このようなタイプの矯正をしている間は、基本的に粘着性のあるもの、硬いものを食べることができませんが、床矯正は取り外しさえすれば、何でも好きなものを食べることができます。

もちろん、小児の床矯正は、歯磨きをする際にも取り外すことが可能なため、汚れが溜まりやすい他の矯正装置と比べて、虫歯のリスクは低くなります。

その他、あまりに矯正装置の痛みが強いとき、合っていないと感じたときなどに、応急処置的に外すことができるのも、床矯正のメリットだと言えます。

ワイヤー矯正より痛みが少ない

小児の床矯正は、痛みが強いときすぐ外せるのがメリットと言いましたが、そもそも床矯正はワイヤー矯正と比べて痛みが少ないです。
こちらは床矯正の仕組みが関係しています。

一般的な床矯正の装置は、締め付けがなく土台はシリコンでできています。
そのため、ワイヤー矯正よりも痛みを感じにくいです。

一方、ワイヤー矯正は締め付けや装置が口内に当たることなどにより、痛みを感じるケースも多いです。
もちろん調整は可能ですが、強い抵抗を感じる子もいるでしょう。

最後まで継続してもらいやすいという意味でも、小児の床矯正はおすすめの方法です。

費用がリーズナブルなところもメリット

小児の床矯正には、ワイヤー矯正よりも費用がリーズナブルというメリットもあります。
ワイヤー矯正の相場が70~100万円程度なのに対し、床矯正の相場は30~40万円程度です。

また小児のうちに床矯正を受けると、大きく歯並びが乱れることは少ないです。
そのため、大人になってから矯正治療が必要になっても、抜歯や顎の骨の切除手術は不要になるケースが多いです。

つまり床矯正は、将来的な治療の費用も抑えられる方法だということです。

小児の床矯正におけるデメリット

先ほど、小児の床矯正のメリットとして、自由に取り外せるということを挙げました。
しかし、こちらはデメリットであるとも言えます。
なぜなら、痛みや違和感を避けるために、長時間床矯正を外したままにすると、矯正効果が得られない可能性があるからです。

その他、取り外しが可能であるゆえに、紛失してしまったり、落として破損してしまったりするリスクも生まれます。

また、床矯正は主にプラスチック、金属のワイヤーでできていて、歯ぎしりや噛む力が強いと折れてしまうことも考えられます。

治療の制約があることもデメリット

小児の床矯正では、歯並び細かい調整や大きな移動をすることはできません。

床矯正は歯槽骨を一方向に移動する矯正方法のため、ワイヤー矯正のように歯の位置を細かく調整したり、大きく移動して歯並びを整えたりするのが難しいです。

また床矯正は、治療できる時期が限られているという欠点もあります。
床矯正の対象は、6~11歳の子どもです。
そのため、早い段階から歯科医師に相談しなければ、適用できなくなる可能性もあります。

ちなみに床矯正の治療期間には個人差がありますが、一般的には6歳から矯正を開始し、11歳頃まで経過を観察することが多いです。
他の矯正治療でかかる期間の目安が2~3年程度であることを考えると、床矯正は治療期間が長くなる傾向にあります。

発音に支障が出ることも

小児の床矯正では、発音に支障が出ることも考えられます。

床矯正は入れ歯のような形をしているため、慣れるまでは違和感をおぼえたり、発音に支障が出たりする可能性が高いです。
また日常生活においては、不明瞭な発音を聞き取ってもらえず、小児のストレスが溜まることも懸念されます。

違和感や発音の問題に関しては、使用し続けることで少しずつ解消されていきます。
特に子どもは適応能力が高いため、装着から1~2週間程度で慣れるケースが多いです。

しかし、慣れるまでの間に、装置に抵抗を示す小児も少なくありません。
親御さんは使用を続けられるように、しっかりサポートすることが大切です。

小児の床矯正におけるタイミング

小児の床矯正を行うタイミングとして効果的なのは、前歯が永久歯に生え変わったタイミングです。
多くのケースでは、前歯が永久歯に変わったときに、歯並びの良し悪しが判断しやすくなるからです。

ちなみに、小児の顎が小さく、永久歯がなかなか生えてこられないこともあるため、このような場合は親御さんが歯科クリニックに相談してください。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・小児の床矯正は食事やブラッシングの際に取り外すことが可能

・床矯正は痛みや違和感をおぼえた場合に、応急処置的に取り外すことができる

・床矯正を取り外す時間が長くなると、十分な矯正効果を得られない可能性がある

・いつでも簡単に取り外せるがゆえに、紛失や破損のリスクも高くなる

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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