歯磨きを行う際、歯ブラシと同じくらい重要なアイテムとしては、やはり歯磨き粉が挙げられます。
しかし、世の中には間違った使い方をすることで、こちらの効果を半減させてしまっている方も少なくありません。
ここからは、歯磨き粉の効果を高めるために知っておきたいポイントについて解説します。
歯磨き粉は乾いた歯ブラシにつけるべき
歯ブラシに歯磨き粉をつける際、多くの方は毛先を水で濡らしてからつけているかと思います。
しかし、歯磨き粉の効果を最大限に活かすには、乾いた状態でつけなければいけません。
確かに、濡れた歯ブラシに歯磨き粉をつけることで、磨いたときの泡立ちは良くなります。
ただし、“泡立ちが良い=良く磨けている”ということではありません。
むしろ、泡立ちが良いとそれだけで満足し、しっかり磨けていないにも関わらず、磨けた気になってしまうため、注意してください。
歯磨き粉には適切な量がある
歯磨きの際、できるだけ多く歯磨き粉を使用することで、たくさんの汚れを取ったり、虫歯や歯周病の予防効果がアップしたりすると考える方もいるかと思います。
しかし、残念ながらこちらの考えは正しくありません。
歯磨き粉には、適切な量というものが存在します。
こちらは年齢によって異なり、以下が目安とされています。
・6ヶ月~2歳:約3mm
・3~5歳:約5mm
・6歳以上:約1cm
上記の目安以上、歯磨き粉を使用しても、すべて使いきれない上に、口の中が泡だらけになってしまい、かえって歯磨きの効果を弱めるおそれがあります。
歯磨き後のうがいは控えめに
歯磨き粉を使ってブラッシングした後には、数回コップに水を注ぎ、しっかりとうがいをしている方がほとんどだと思いますが、実はこちらの行動も間違っています。
多くの水で何度もうがいをすると、歯磨き粉に含まれる薬用成分が完全に洗い流され、効果が弱まってしまうおそれがあるからです。
よって、歯磨き後のうがいをする際は、15ml程度の水を口に含み、5秒程度1回だけゆすぎます。
目安としては、ペットボトルのキャップ2個分くらいのかなり少ない量です。
これで、歯磨き粉を洗い流しつつ、なおかつ薬用成分を口内に残すことができます。
歯磨きには2分以上かける
歯磨き粉を使用してブラッシングする場合、歯列全体を磨く時間は2分以上かけるのが理想的です。
これくらいの時間をかけなければ、歯の奥まった部分や歯と歯の間などの汚れを十分に落とすことができません。
またフッ素などの有効成分を行き渡らせるためにも、最低2分以上はブラッシングを行うことをおすすめします。
ちなみに、電動歯ブラシの場合、ブラッシングの目安である2分を知らせてくれる機能がついていることが多いです。
具体的には、2分もしくは2分の直前に音や光を発して通知してくれる機能です。
歯磨き後30分は飲食を避ける
ブラッシングによって歯磨き粉を丁寧に行き渡らせた後は、基本的に30分は飲食を避けなければいけません。
ほとんどの歯磨き粉には、有効成分としてフッ素が含まれていますが、こちらが口内に浸透するまでにはある程度時間がかかります。
そのため、ブラッシング後すぐに飲食をしてしまうと、フッ素が口内から取り除かれてしまう可能性があります。
フッ素は口内に入れるだけでは意味がないため、ブラッシング後の飲食を避けるために、前もってお腹を満たしてくことをおすすめします。
もちろん水分についても、歯磨き粉を使ってブラッシングを行う前に摂取しておくべきです。
適切な磨き方を実践する
適切な磨き方を実践することも、歯磨き粉の効果を高めるためには大切なことです。
ブラッシングの基本は、歯ブラシを歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに動かすことです。
こうすることで汚れが除去しやすくなりますし、歯磨き粉の有効成分を全体に広げることができます。
またブラッシングの際は磨き残しを防ぐため、歯の外側や内側、噛み合わせの面を意識して丁寧に磨くのもポイントです。
歯ブラシ選びを工夫する
歯磨き粉の効果を高めるためには、セットで使用する歯ブラシの選び方にもこだわらなければいけません。
歯ブラシについては、さまざまな種類がありますが、基本的にはヘッドが小さめで毛の硬さが普通のものを選ぶべきです。
ヘッドが大きいと細かい部分まで磨けなくなりますし、毛先がやわらかいと十分に汚れがかき出せません。
また毛先が開いた古い歯ブラシでは、プラークを効率良く除去できませんし、歯磨き粉の効果を引き出すのも難しくなります。
そのため、1ヶ月に1回は歯ブラシを交換することをおすすめします。
ちなみに通常の歯ブラシ以外にも、歯磨き粉の効果を高めてくれるデンタルケアグッズはあります。
例えば電動歯ブラシや、毛束が1つになっているタフトブラシ、歯と歯の間などの汚れが落としやすくなる歯間ブラシやデンタルフロスなどは、必ず併用すべきだと言えます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯磨き粉の効果を最大限に活かすには、乾いた歯ブラシにつけて歯を磨くべき
・歯磨き粉の適切な量は年齢によって異なる
・歯磨き粉をつけすぎると、かえって歯磨きの効果が弱まる可能性がある
・薬用成分が洗い流されないよう、歯磨き後のうがいは控えめにすべき
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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