歯の表面がザラザラになる主な理由を知っておこう

何気なく、舌で歯の表面に触れたときに、これまでよりもザラザラした感触があったという方もいるかと思います。
また、歯磨きをした直後でもザラザラが残っているとなると、その理由について気になるでしょう。
ここからは、歯の表面がザラザラになる主な理由について解説したいと思います。

プラーク、歯石が付いている

歯の表面がザラザラする理由として真っ先に挙げられるのは、やはりプラークや歯石の付着です。

プラークは食後6～8時間程度でつくられるものであり、丁寧に歯磨きをすれば基本的には落とせます。
しかし、歯磨きが不十分な場合は、いつまでも歯に付着したままになり、舌で触れたとき常に歯の表面にはザラつきが見られます。

また、プラークを十分に落とせていない状態が続くと、唾液に含まれる成分と混ざり、歯石が形成されてしまいます。
歯石は基本的に歯磨きで除去することはできないため、こちらが原因のザラつきを除去したいという方は、歯科クリニックに通うしかありません。

表面に傷が付いている

歯の表面がこれまでよりザラザラするという場合、表面に傷が付いている可能性があります。

例えば、歯磨きの際に力を加えすぎていたり、研磨剤入りの歯磨き粉を使用したりしていると、細かい傷が付いてしまうことがあります。
もちろん、ほんの数回このような歯磨きをしただけで、表面が傷つくことは考えにくいですが、継続すると無数の傷になり、ザラザラした感触につながるため、注意してください。

ちなみに、噛み合わせが悪かったり、硬いものを頻繁に食べたりすることでも、歯の表面に傷が付くことはあります。

虫歯ができている

歯の表面がザラザラする場合、初期段階の虫歯ができている可能性もあります。

初期段階の虫歯を発症すると、歯の表面で脱灰が起こり、少し溶けたような状態になります。
また、こちらの段階では、まだほとんど痛みもないため、虫歯だということに気づくのが非常に難しいです。

実際痛みが出る前に歯科クリニックに訪れることができれば、歯を削らずに治療したり、少ない範囲の治療で済んだりするケースが多いため、違和感がある方は一度確認してもらうことをおすすめします。

詰め物や被せ物が取れた、欠けた

詰め物や被せ物が取れたもしくは欠けた場合も、歯の表面がザラザラになることがあります。

また、補綴物が取れたり欠けたりした部分は、放置していると磨き残しが発生しやすいです。
そのため、虫歯を発症するリスクも高くなります。

ちなみに、補綴物が取れた部分のザラザラは、歯の表面が傷ついた状態と似ています。
しかし、舌で触るとより大きなザラつきや凸凹が気になる場合もあるため、食事を摂る際などには違和感を覚えやすくなります。

歯が溶けている

歯の表面がザラザラする場合、歯が溶けていることも考えられます。
こちらは虫歯ではなく、酸蝕歯と呼ばれるものです。

酸性度の高い食べ物や飲み物を頻繁に摂取すると、口内が酸性に傾きます。
酸性に傾くと、少しずつ歯の表面が溶けてしまうため、歯がザラザラの状態になります。

具体的には歯の表面のエナメル質が、酸性度を示すpH値5.5以下になると、溶けてしまうケースが多いです。
そのため、柑橘類やお酢、炭酸飲料などの飲食物を頻繁に取っている方は要注意です。

ちなみに、酸蝕歯は病気が原因で起こることもあります。
胃食道逆流症などの胃や食道の病気、あるいは暴飲暴食といった生活習慣などで胃酸が逆流する状態が続くと、酸蝕歯を引き起こしやすくなります。

歯の表面のザラザラを予防するセルフケア

歯の表面のザラザラを予防するには、やはり毎日のブラッシングが欠かせません。
プラークが付着しないように、丁寧に歯を磨きましょう。

プラークはリンやカルシウムなどが作用して固まると歯石化し、ザラザラの原因になります。
一度形成された歯石は、自宅でのブラッシングだけでは除去することができません。

ただし、キレイにしたいからといって、歯を磨くときに力を入れすぎるのはNGです。
研磨剤が入った歯磨き粉を使用することも、かえって歯の表面を傷付けてしまうことにつながります。

ちなみに、ブラッシングで磨き残しが多い箇所は歯石ができやすいです。
そのため、以下の点は特に丁寧に磨きましょう。

・歯と歯の間
・歯と歯茎の間
・上顎の奥歯
・下顎の前歯の裏側 など

歯の表面のザラザラを改善するプロフェッショナルケア

初期虫歯によって歯の表面が少しザラつく場合は、口内を清潔にし、フッ素塗布などで再石灰化を促進させると改善する可能性があります。

また硬いものを食べすぎたことなどにより、歯の破折が起きている場合は、ダメージを減らすための治療を行います。
例えば、噛み合わせの調整や、寝るときに装着するマウスピースなどの治療です。

さらに、毎日のセルフケアがうまくいかない場合は、歯科クリニックで正しいブラッシングの仕方を学ぶことも大切です。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・歯の表面がザラザラになる一番の理由は、プラークや歯石の付着

・歯磨きの力が強かったり、研磨剤入りの歯磨き粉を使用したりしていると、歯に傷が付きやすい

・噛み合わせや硬いものを食べることが理由で、歯の表面が傷つくこともある

・歯のザラザラは、初期段階の虫歯が原因の可能性もある

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!