総入れ歯になることのデメリットについて知っておこう

上下いずれかの顎で、自身の歯がまったくない場合に装着するのが総入れ歯です。
こちらは、当然歯がない方の生活をサポートするためのものですが、歯がある方とまったく同じ生活が実現できるかというと、少し疑問が残ります。
今回は、総入れ歯になることのデメリットについて解説したいと思います。

噛む力が弱くなる

総入れ歯にすれば、上下いずれかの歯がまったくないときと比べて、食事の際にものを噛みやすくなります。
しかし、天然の歯と同様に噛めるわけではありません。

総入れ歯の場合、噛む力は天然歯の20~30%程度しか発揮できず、硬いものを食べる際には苦労する可能性が高いです。
また、全体的に噛む力が弱いことにより、噛み切りにくいもの(メンマなど)も食べにくくなるため、注意が必要です。

なるべく均等に噛むのを心掛けることで、多少は食事の負担が軽減されますが、慣れるまでには少し時間がかかります。

形が合わない場合がある

総入れ歯のデメリットとしては、形が合わない場合があるということも挙げられます。
また、形が合わない場合、痛みが生じたり、簡単に外れたりしてしまうことも考えられます。

ちなみに、形が合わないことを歯科クリニックに相談すれば、入れ歯の調整や修理をしてもらうことは可能です。
しかし、根本からつくり直さなければいけない場合、作成から半年以上経過していなければ、保険診療を利用することができません。
つまり、半年以内のつくり直しは自由診療となり、高額な費用がかかるということです。

総入れ歯にして、顎の骨や歯茎が痩せてしまうと、つくり直しが必要になることも十分に考えられます。

メンテナンスが大変

メンテナンスの手間がかかることも、総入れ歯のデメリットの1つです。

総入れ歯の場合、しっかりと装着されていたとしても、歯茎との間に食べカスが入ったり、汚れが付着したりすることがあります。
こちらを放置していると、入れ歯の変色や口臭などにつながるため、洗浄は欠かさずに実施しなければいけません。

また、総入れ歯を洗うには洗浄剤、固定するためには安定剤が必要であり、これらはもちろん購入費用がかかります。

口内の健康問題が生じる

総入れ歯を装着していると、口内の健康問題が生じることがあります。
こちらは、総入れ歯がその下の粘膜に当たることによって起こるものです。

総入れ歯は患者さんの口に合わせて作製されるものですが、どうしても多少は粘膜に負担がかかり、場合によっては炎症を起こします。

また入れ歯を長い時間装着していると、口内の清潔さを保ちにくくなり、カンジダ菌による感染症などのリスクも高まります。

カンジダ菌による感染症は、舌や粘膜に白い苔のようなものが付着したり、粘膜がヒリヒリしたりといった症状を伴います。
さらに、場合によっては味覚障害を引き起こすことも考えられます。

食べ物の味が変わる

総入れ歯にすることにより、以前よりも食べ物の味や食感を感じにくくなることがあります。
なぜなら、総入れ歯は口の中を覆うようにして使用するからです。

また食べ物の温度に関しても、覆われている部分が多い分、以前よりも感じにくくなります。
食事の美味しさは、素材や味の濃さなどで決まっていると思われがちですが、実際は温度も重要な要素です。

さらに温度を感じにくくなると、熱いものに気付かずに口内を火傷してしまうリスクが高まります。

ちなみに金属が使用されている金属床義歯は、熱の伝導性に優れているため、温かいものや冷たいものの温度を感じやすくなります。

コミュニケーションを取りづらくなる

総入れ歯にしたことにより、自身の口元が気になってしまい、他人とのコミュニケーションが取りづらくなることもあります。
例えば口を大きく開けて笑ったり、話したりすることができなくなることが考えられます。

また食事に関しても、できるだけ口元を見せないように、一人で済ませることが多くなってしまい方もいます。

ちなみにコミュニケーションが取りづらくなると、職場などでも馴染めなくなったり、生活の豊かさが失われてしまったりすることも考えられます。

種類によっては割高になる

総入れ歯を選択する場合、種類によっては金額が割高になります。
特に自身の要望をすべて満たす入れ歯を選ぶ場合、高額な費用がかかる可能性が高いです。

例えば噛みやすさや違和感の少なさ、審美性や食事の快適さなど、入れ歯を作製する際にはさまざまな要望があるかと思います。
しかしこれらをすべて満たすとなると、基本的には保険診療の総入れ歯では対応できなくなってしまいます。

また自由診療の入れ歯は保険が適用されず、患者さんが作製費用を全額負担しなければいけません。
自由診療の総入れ歯の場合、30万~200万円程度と、歯科クリニックによって実際にかかる金額は大きく異なります。
いずれにしても、一度に高額な費用を用意しなければいけないのは確かです。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・総入れ歯になると、天然歯の20~30%程度の力でしか噛めなくなる

・形が合わない場合、痛みが生じたり、すぐに外れたりするのも総入れ歯のデメリット

・総入れ歯にはメンテナンスの手間や費用もかかる

・メンテナンスを怠ると、入れ歯の変色や口臭の悪化につながるおそれがある

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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