コーヒーやお茶などの色素が歯の表面に沈着すると、着色汚れとなって残ることがあります。
着色汚れについて、なんとか自力で除去しようと考える方もいますが、このときには絶対にやってはいけないことが3つほどあります。
解説しますので、興味がある方はぜひ最後までご覧ください。
海外製のホワイトニング剤を使用する
自力で歯の着色汚れを除去する場合、よく使用されるのが市販のホワイトニング剤です。
こちらは、漂白成分や汚れを落とす成分が含まれているものであり、厚生労働省などの承認を受けているものは、比較的安全に使用できます。
しかし、海外製のホワイトニング剤には、上記のような承認を受けていない製品も多いため、これらを使用するのは控えましょう。
また、ホワイトニング剤には、漂白成分として過酸化水素が使用されています。
海外製品はこちらが多く含まれる可能性が高く、歯の着色汚れは除去しやすくなりますが、あまりに含有量が多いと、歯の表面にある保護膜が溶かされ、荒れやすくなってしまいます。
果実を使って歯磨きをする
イチゴやレモンなどの果実を使用して歯を磨くことで、歯の着色汚れは除去できると言われていますが、こちらもおすすめはできません。
こちらの方法が効果的だと言われているのは、イチゴやレモンといった酸性の強い果実が歯に付着することで、表面の汚れを溶かすからです。
もちろん、汚れを溶かすことは事実ですが、酸には歯のエナメル質も溶かしてしまう可能性があるため、非常に危険です。
そして、果実の酸によってエナメル質が溶けると、黄色っぽい色味の象牙質が露出し、かえって歯が黄ばんで見えてしまうことも考えられます。
重曹を使用する
自宅で歯の着色汚れを落とす方法として、重曹を使用する方法は有名ですが、こちらもできれば避けてください。
重曹は食品添加物として使用されることもあり、体内に入れても害はありません。
しかし、問題なのは重曹が持つ研磨効果です。
つまり、歯磨きの際などに重曹を使用することで、エナメル質が削れてしまう可能性があるということです。
ちなみに、重曹は体内に入れても問題ないという話をしましたが、お世辞にも低刺激の成分とは言えません。
口内に入れることで、粘膜が傷付いてしまうことも考えられます。
メラミンスポンジで磨く
歯の着色汚れを取りたい場合でも、メラミンスポンジを使用する方法は絶対にNGです。
なぜなら歯の表面を傷つけ、エナメル質を磨耗させてしまうからです。
メラミンスポンジは、メラミンフォームという硬いメラミン樹脂がミクロン単位で発泡した、特殊素材でできたスポンジです。
水に濡らして使用することで、スポンジの細かな網目状の構造が汚れを物理的に削り取ります。
そのため、洗剤を使わずに水垢や茶渋など頑固な汚れを取りたい方にとっては便利ですが、歯に対して使用すべきものではありません。
メラミンスポンジは歯の着色汚れを取るものではなく、歯そのものを削るものです。
そのため使用すると歯の形状は少なからず変化しますし、以前よりも歯の表面がガタガタになり、色が付きやすくなる可能性もあります。
さらに、天然歯が削れた場所によっては、噛み合わせが悪くなることも考えられます。
一度削られた天然歯は二度と元に戻ることがないため、注意してください。
歯の着色を加速させる行動とは?
歯の着色汚れが気になる方は、歯の着色を加速させるような行動も避けなければいけません。
具体的には喫煙や色の濃いものの摂取などが挙げられます。
タバコに含まれるタールという成分は、歯の表面に付着し、喫煙期間が長くなるにつれてどんどん蓄積されていきます。
そのため、歯を黄色く変色させる原因になります。
また色の濃い飲食物の摂取も、歯の着色が気になる方は避けることが重要です。
例えばコーヒーや紅茶、赤ワインなどの飲み物、カレーやケチャップなどの食べ物、調味料などが該当します。
ちなみに、色が濃くなくても着色しやすくなる食べ物は存在するため、前もって把握しておきましょう。
大豆製品などはその代表的な例です。
豆腐や納豆などの大豆製品は、色が濃くありませんが、イソフラボンという着色成分を含んでいます。
そのため、油断して食べていると歯の色が変わりやすくなります。
歯の着色を防ぐための方法
歯の着色を防ぐには、色の濃い飲食物を摂取した後、必ず水で口をゆすがなければいけません。
もちろん、可能であれば毎回食後にブラッシングをすることが望ましいです。
また着色しやすい飲食物を摂取する際は、水や乳製品を一緒に飲むことで、色素の付着を軽減できます。
さらに、ブラッシングの際は研磨剤入りの歯磨き粉も避けるべきです。
研磨剤は、いわばメラミンスポンジと同じように、歯の表面を研磨することで汚れを落とすためのものです。
そのため、汚れを落とす効果は高いですが、その分歯に与えるダメージも大きくなります。
ちなみに、海外製のホワイトニング歯磨き粉などには、高確率で研磨剤が使用されています。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・海外製のホワイトニング剤は安全面で不安があるため、使用すべきではない
・果実を使用して歯の着色汚れを落とそうとすると、エナメル質が溶ける可能性がある
・重曹でホワイトニングをすると、エナメル質や口内の粘膜が傷付く可能性がある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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