炭酸水の虫歯リスクと正しい飲み方について解説します

近年、水やお茶の代わりに炭酸水を飲むという方は増加しています。
こちらは、疲労回復効果や整腸作用などが期待できるからです。
ただし、炭酸水にはあまり歯に良くないと言われているため、注意しなければいけません。
今回は、炭酸水の虫歯リスクと正しい飲み方を中心に解説します。

炭酸水とは?

そもそも炭酸水とは、二酸化炭素(炭素ガス)が含まれた水のことをいいます。
農林水産省が定める“炭酸飲料の日本農林規格”では、“飲料水に二酸化炭素を圧入したもの”と定義されています。
上記に“甘味料や酸味料、フレーバリングを加えたもの”も該当します。

また、炭酸水には天然炭酸水、人工炭酸水の2種類があります。

天然炭酸水は、自然に湧き出た二酸化炭素を含んだ水を指します。
採水時にはすでにミネラル成分が含まれているため、口当たりがまろやかなのが特徴です。

一方、人工炭酸水は名前の通り、人工的につくり出された炭酸水です。
飲料水に二酸化炭素を圧入しているため、炭酸の強さを調整できるのが特徴です。

ちなみに、炭酸水には疲労回復効果、腸内環境の改善効果などがあります。
その他肩こりの解消、ダイエットにも効果があることから、毎日飲む習慣をつけている方も少なくありません。

炭酸水の虫歯リスクについて

「炭酸水を飲むと歯が溶ける」という説を聞いたことがある方は、決して少なくないと思います。

結論からいうと、通常の摂取量で歯が溶けることはありませんが、過剰に摂取し続けたり、酸性度が強い炭酸水を飲んだりすると、歯が溶ける可能性はゼロではないため、注意してください。

そして、炭酸水の摂取によって歯が溶けると、表面は粗造になり、虫歯の原因となるプラークもつきやすくなります。
特に、フレーバー付きの炭酸水は、口内を酸性にしやすく、なおかつ虫歯菌が大好きな糖類も含んでいるため、意識して摂取量を減らさなければいけません。

特に注意しなければいけない炭酸水は?

先ほど、フレーバー付きの炭酸水は特に虫歯リスクが高いという話をしました。
中でもオレンジなど、柑橘系のフレーバーが追加された炭酸水、コーラは要注意です。

オレンジやレモン、グレープフルーツなどのフレーバーを加えることで、炭酸水のpHはより酸性に傾きます。

pHとは水素イオン濃度のことで、0~14の数値で液体の性質を表します。
pHが7より小さい場合は酸性、大きい場合はアルカリ性となります。

口内がpH5.5以下の酸性になると、少しずつ歯が溶け始めますが、味の付いていない炭酸水のpHは概ね5.5以下です。
ただし、歯が一時的に溶かされてしまったとしても、唾液の作用ですぐに修復されます。

一方、柑橘系のフレーバーが追加された炭酸水は、オレンジジュースと同等の酸性度を示します。
こちらはpH3.5~4.0くらいで、かなり酸性度が高いです。

ちなみに炭酸飲料の代表格であるコーラのpHは2.2であり、こちらは胃液の値にかなり近く、歯が溶けるリスクは極めて高いです。

炭酸水の虫歯リスクを減らす正しい飲み方

唾液には、口内を酸性から中性に戻す働きがありますが、就寝中は分泌量が減少します。
このことから、口内を酸性にする炭酸水は、就寝前に飲むべきではありません。

その他、炭酸水を口の中に溜めて飲むことも、虫歯防止の観点からはおすすめできません。
口内に炭酸水が滞在する時間が長いと、それだけ歯が溶けるリスクは高まってしまいます。

一方、強炭酸やフレーバー付きの炭酸水であっても、ストローを使用して摂取すれば、歯に触れる時間が短縮でき、必然的に虫歯リスクも軽減されます。

自宅で炭酸水をつくるのもおすすめ

市販の炭酸水には強炭酸のものが多く、そのまま摂取すると歯が溶けたり、虫歯のリスクが高まったりする可能性が高いです。
頻繁に炭酸水を飲む方は、一度自宅で微炭酸のものをつくってみましょう。

つくり方としては、まず重曹とクエン酸を混ぜて二酸化炭素を発生させ、最後に水と合わせるだけです。
このような微炭酸の炭酸水であれば、よほど過剰に摂取しない限り、歯が溶ける心配はありません。

ただし、クエン酸を入れすぎると酸性度は高くなってしまうため、そこはうまく調節してください。

炭酸水以外にも歯を溶かす飲み物は多い

炭酸水は歯が溶けたり、虫歯のリスクが高まったりする原因になりますが、他にも歯を溶かす危険性がある飲み物が存在します。
こちらは、pH5.5以下の飲み物がすべて該当します。

中でも、ほぼ確実に歯を溶かすほどの酸性度を持つ飲み物としては、果汁飲料とスポーツドリンクが挙げられます
これらの多くはpHが3.5前後であり、歯を溶かすリスクを持っています。
特に、スポーツドリンクは砂糖が大量に含まれているため、摂取することで虫歯のリスクが大幅に高まります。

また、酒類の中にも、酸性度の高いものが含まれています。
例えばチューハイや梅酒、ワインなどは特に酸性度が高く、日常的に飲んでいる方は歯が溶かされている可能性があります。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・過剰に摂取し続けたり、酸性度が強い炭酸水を飲んだりすると、歯が溶ける可能性がある

・炭酸水によって歯が溶けると、虫歯の原因となるプラークもつきやすくなる

・炭酸水の虫歯リスクを減らすためには、就寝前の摂取、口に溜め込むことを控えるべき

・炭酸水を楽しむなら自宅で微炭酸のものをつくるのもおすすめ

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!

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