食後に爪楊枝を使用し、食べカスを取り除いている方はいませんか?
特に、ランチ後のサラリーマンの方にはよく見られる光景です。
今回は、食後に爪楊枝を使用するメリット・デメリットについて、虫歯予防の観点から解説しましょう。
爪楊枝を使用する方はものが挟まりやすい
食後に爪楊枝を使用する方は、歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなっています。
また、よくものが挟まる原因としては、主に以下のことが挙げられます。
・虫歯ができている
・歯周病で歯茎が退縮している
・歯並びが悪い
・噛み合わせの問題
虫歯菌が口内の糖をエサに酸を出し、歯を溶かしてしまうと、歯に穴が開いてそこに食べ物が詰まりやすくなります。
また歯周病によって歯茎が退縮している方は、歯と歯の間や歯と歯茎の間に隙間ができ、食べ物が挟まる可能性が高いです。
さらに歯がキレイに並んでおらず、隙間やガタガタに重なっている部分がある場合も、そこに食べ物が挟まることがあります。
ちなみに歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、歯の一部にだけ強い力がかかり、歯並びを悪くすることがあります。
そのため、人より食べ物が挟まりやすく、爪楊枝を使用する機会も増えやすいです。
食後に爪楊枝を使用する方の割合
全国のYahoo! JAPANユーザーを対象に行われたアンケートによると、食後に爪楊枝を使用したことがある方は、全体の約88%にも上ります。
つまり、ほとんどの方が爪楊枝を使用した経験があるということです。
ただし、毎回使用する方はそれほど多くありません。
食後に爪楊枝を使用すると答えた方のうち、“毎回使う”と答えた方は約12%しかいませんでした。
この結果からも、必要なときだけ使っている方が多数派であることがわかります。
また、食後に爪楊枝を使用する理由としては、以下のような回答があります。
・歯に食べカスが残っていると気持ち悪い
・食べカスが残っているのを人に見られたくない
・食後の習慣として何となく
・歯磨きの代わり
食後に爪楊枝を使用するメリット
食事の後に爪楊枝を使う方の多くは、すぐに歯磨きが出来ない状況にあることが多いです。
冒頭でも触れたように、昼休みに会社の外でランチをした後や、食後すぐ帰宅しないときなどです。
食事の際、歯に詰まった食べカスは、そこから8時間ほど経過すると歯垢に変わってしまうため、本来であればなるべく早く取り除かなければいけません。
毎日ように長時間放置していると、たとえ帰宅後に歯磨きをしていたとしても、虫歯のリスクは高くなってしまいます。
このような理由から、食後に爪楊枝を使用し、歯垢になる前に食べカスを除去することには、虫歯を予防できるというメリットがあると言えます。
食後に爪楊枝を使用するデメリット
食後に爪楊枝を使用すれば、確かにある程度の食べカスを除去できますが、こちらの行動にはデメリットがあることも覚えておきましょう。
爪楊枝を使用するとき、無理やり先端を歯間に入れようとする方がいますが、こうすることで歯間が広がり、食べカスが詰まりやすくなることで、虫歯のリスクが溜まってしまう可能性があります。
その他、尖っている爪楊枝の先端が何度も歯茎に当たることで、傷をつけたり、出血したりすることも考えられます。
もっと言えば、傷ついた部分に関しては、痛みから歯磨きを避けるようになり、それが虫歯につながることも考えられるため、注意してください。
食後の爪楊枝はマナー的にもあまり良くない
食後に爪楊枝を使用することは、食事のマナー的にもあまり良い行動ではありません。
食事を終えた後、そのままテーブルで爪楊枝を使用する方も多いかと思いますが、基本的にこちらはマナー違反です。
また、手で口元を覆って爪楊枝を使用する方もいますが、厳密にはこちらも食事マナーに反しています。
そもそも、人前で爪楊枝を使用すること自体がNGなのです。
正しいマナーは、爪楊枝を持って化粧室に行き、鏡の前で使用する方法です。
こちらはマナー的にも良いですし、鏡を見て汚れを落とせるため、爪楊枝で歯茎を傷付けてしまうリスクが低くなります。
食べカスはフロスで除去するのがおすすめ
食後すぐに歯磨きができない場合は、爪楊枝ではなくフロスを使用するようにしましょう。
フロスであれば、爪楊枝よりも歯間が広がったり、歯茎を傷つけてしまったりする心配が少ないです。
その他、フロスを使用し、いつも同じ箇所で引っ掛かったり、フロスが切れてしまったりする場合、虫歯や詰め物、被せ物などの問題などに早く気付くことができる可能性もあります。
フロスには細菌の除去効果もある
フロスは安全に口内の汚れを除去できるだけでなく、細菌も除去できます。
一方、爪楊枝では細菌を除去できません。
そのため、より口内環境を良くすることができるのは、やはりフロスを使用したケアだと言えます。
また、爪楊枝は歯と歯の間などに挟まった食べカスを除去できますが、歯面に付着したプラークを除去するのは難しいです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・食後に爪楊枝を使用することで、食べカスが歯垢に変わり、虫歯につながるリスクが低下する
・爪楊枝で無理やり食べカスを取ろうとすると、歯間が広がる可能性がある
・爪楊枝の先端が何度も歯茎に当たることで、傷ついたり出血したりすることもある
・食べカスはフロスで除去するのがおすすめ
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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