皆さんは、磨き終わった後の歯ブラシを、どのように保管していますか?
サッと水洗いをし、歯ブラシスタンドなどに立てている方も多いかと思いますが、実はこれだけでは不十分で、その後の除菌が推奨されているのです。
今回は、歯ブラシの除菌が必要な理由と、具体的な除菌方法について解説しましょう。
なぜ歯ブラシの除菌が必要なのか?
歯磨き粉を水でしっかり落とせば、歯ブラシは綺麗な状態で保管できると考えている方もいるかと思います。
しかし、実際は皆さんが想像している以上に、磨き終わった歯ブラシには、大量の細菌が付着しています。
その上、ブラシの根元に入り込んだ歯垢や食べカスなどは、水洗いで簡単に落ちるものではありません。
このように、細菌や歯垢、食べカスが残った状態で放置してしまうと、さらに細菌の数は増加します。
もちろん、その状態の歯ブラシを使用すると、口内環境は悪化し、虫歯や歯周病のリスクも高まってしまうため、適切な方法で除菌しなければいけません。
効果的な歯ブラシの除菌方法について
歯ブラシを除菌する方法としては、まず重曹水を使った方法が挙げられます。
コップに水100ml、重曹小さじ1杯を入れ、こちらに歯ブラシのヘッド部分を浸けておくことで、細菌の数は減少します。
その他、水を切った後、清潔なタオルで先端を拭き、ドライヤーの冷風で乾燥させることでも、除菌効果が得られます。
ちなみに、歯ブラシには専用の“除菌器”というものが存在するため、経済的に余裕がある方は、こちらの購入も検討してみましょう。
除菌器は、磨き終わった歯ブラシをセットすることで、紫外線を当てて除菌してくれるという優れものです。
価格は3,000~10,000円程度で、充電式のものは外出先や旅行先でも使用できます。
直接紫外線を当てる方法もおすすめ
歯ブラシを除菌したい場合は、直接太陽の光を当てる方法もおすすめです。
具体的には、天日干しで布団のダニやカビを防ぐのと同じイメージで、歯ブラシに日光を浴びせて除菌します。
日頃使用する歯ブラシは洗面所に置いている方がほとんどだと思いますが、週に1回程度、1~2時間ほど日の当たる場所に置いておきましょう。
こうすることで、十分な殺菌効果が得られます。
また直接紫外線を当てることにより、変色してしまった歯ブラシの毛を基に戻せる可能性もあります。
再びキレイな歯ブラシでブラッシングができるため、必然的にモチベーションもアップします。
哺乳瓶消毒液を使用するのも効果的
歯ブラシの除菌には、哺乳瓶消毒液を使用するのも効果的です。
哺乳瓶消毒液は、名前の通り哺乳瓶の浸け置き洗いをするための消毒液です。
ミルクを飲む赤ちゃんがいる家庭では、特に馴染みがあるかと思います。
哺乳瓶消毒液には消毒・殺菌作用があり、本来赤ちゃんに使用する哺乳瓶を消毒するものであることから、安全性は非常に高いです。
詳しい使い方については商品ごとに微妙に異なるため、使用上の注意にしっかり目を通しましょう。
基本的には、コップの中に消毒液を垂らし、あらかじめよく洗った歯ブラシを浸しておけばOKです。
絶対にやってはいけない除菌方法
除菌と聞くと、熱湯消毒や煮沸消毒をイメージする方もいるかもしれませんが、こちらを歯ブラシで行ってはいけません。
歯ブラシの素材は、ポリプロピレンやナイロン、ポリエステル樹脂など、耐熱温度80℃以下のものがほとんどであるため、熱湯を使用すると変形するおそれがあります。
その他、台所用漂白剤を使用した除菌も、身体に害を及ぼす可能性があるため、おすすめはできません。
アルコールを使用するのもNG
歯ブラシを除菌する際は、アルコールも使用してはいけません。
消毒=アルコールというイメージが強い方も多いかと思いますが、消毒用のアルコールは歯ブラシに付着した雑菌にはあまり効果を発揮しません。
実際、口内から歯ブラシにうつる細菌やウイルスの中には、消毒用アルコールでは効かないものが存在します。
またアルコールの消毒効果は、時間の経過とともに働きが低下します。
逆効果とまでは言いませんが、他の除菌方法に比べて効果の高さは期待できません。
もちろん消毒用アルコールだけでなく、普通のお酒を使うのもNGです。
まずは基本的な保管方法を実践しよう
色々と歯ブラシの除菌方法について解説してきましたが、まずは基本的な保管方法をマスターするのが望ましいです。
使い終わった歯ブラシは流水でしっかり洗い、ペーパータオルなどでよく拭いて水気を取ります。
その後、毛先がケースなどに触れないよう、コップやケースに立てるなどして保管します。
このときユニットバスなど、トイレと洗面所の距離が近い場合は、できるだけトイレから離れた場所に保管する方が清潔さを保てます。
ちなみに次のブラッシングまでに歯ブラシが乾燥しなかった場合は、2本の歯ブラシを交互に使うのも効果的です。
オフィスなどで携帯用の歯ブラシを使用する方は、ケースの中の湿気で菌が繁殖しないよう、ケース内もよく乾燥させましょう。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・磨き終わった歯ブラシは細菌や食べカスが残っている可能性が高いため、水洗いだけでは不十分
・歯ブラシの効果的な除菌方法には、重曹水やドライヤーを使用する方法がある
・除菌器の利用もおすすめ
・熱湯消毒や煮沸消毒は、歯ブラシを痛める可能性があるためおすすめできない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。