虫歯を治療した後は、穴を詰め物で補います。
もちろん、こちらはしっかりと固定されるものですが、キャラメルなどの粘り気があるものを食べると外れてしまうおそれがあります。
他にも、詰め物は意外な原因で外れるケースがあるため、治療済みの方は注意して生活しましょう。
具体的にどのような原因があるのかを見ていきます。
睡眠時の歯ぎしり
虫歯の詰め物が外れる意外な原因としては、まず“睡眠時の歯ぎしり”が挙げられます。
歯ぎしりは、無意識のうちに食いしばったり、歯をこすり合わせたりと、上下の歯が不必要に接触している状態を指します。
特に、横方向にギリギリとこすり合わせる“グライディング”と呼ばれる歯ぎしりは、睡眠時に発生しやすく、虫歯の詰め物が歪んだり、外れたりする原因になりかねません。
中には、朝起きると、枕元に詰め物が落ちていたというケースもあります。
ちなみに、睡眠時の歯ぎしりによって詰め物がグラグラになり、朝の食事や歯磨きの際、特に力を入れていないにもかかわらず、簡単に外れてしまうこともあるため、注意しましょう。
フロス
虫歯の詰め物が取れる意外な原因には、“フロス”の使用も挙げられます。
フロス(デンタルフロス)は、細い繊維を束ねて糸状にしたもので、歯と歯の間の狭い隙間に通すことで、歯ブラシでは落としきれない歯垢をかき出すことができます。
その利便性から、使用している方も少なくありません。
しかし、フロスを使用する際は、鏡を見て場所を確認しながら、ゆっくり動かす必要があります。
逆に、しっかり使用箇所を確認せずに動かすと、歯ぎしり等で歪んだ詰め物に引っ掛かり、簡単に外れてしまいます。
爪楊枝
“爪楊枝”の使用も、意外と虫歯の詰め物が取れやすい原因になります。
食事の後、歯間に詰まった食べカスを取るために、爪楊枝を使用する方がいます。
しかし、このときは比較的強い力がかかっていることが多く、場所が悪ければ、詰め物を引っ張り出すような形になってしまう可能性があります。
また、爪楊枝の使用は、歯茎が下がったり、傷ついたりする原因にもなるため、できれば食後には使用しないことをおすすめします。
二次虫歯
虫歯の詰め物は、治療後の二次虫歯によって外れてしまうこともあります。
二次虫歯は、虫歯治療を行った歯が再び虫歯になる現象です。
詰め物や被せ物の中で虫歯が再発するため、発症・進行していてもなかなか気付けません。
また二次虫歯によって穴が開いてくると、詰め物が合わなくなって浮き上がり、取れそうになったり突然外れたりすることがあります。
ちなみに、保険診療の詰め物は自由診療の詰め物と比べて、二次カリエスが発生しやすい傾向にあります。
詰め物の素材の問題
詰め物に使用する素材の問題により、詰め物が取れやすくなってしまうこともあります。
詰め物にはゴールドやアマルガムなどの金属、コンポレットレジン、セラミックなどあらゆる素材が採用されます。
これらの素材にはそれぞれ違った特徴があり、特に耐久性や接着性には差があります。
例えば保険診療のコンポレットレジンは、自然な見た目が好まれていますが、硬いものを噛んだときの衝撃に弱いです。
そのため、咀嚼した拍子に外れてしまう可能性があります。
一方、ゴールドやセラミックなどは耐久性に優れているため、簡単に外れる心配がありません。
ただし自由診療で保険が利かないため、費用は高くなる傾向にあります。
食生活
食生活の影響により、虫歯の詰め物が外れやすくなることもあります。
特に普段から硬いものや甘いもの、酸っぱいものを頻繁に食べる方は、詰め物が取れるリスクが高まります。
硬いものを噛み続けることにより、歯ぎしりと同じく顎にかかる力が大きくなり、歯にも大きな負担がかかります。
また甘いものや酸っぱいものは虫歯を誘発しやすいです。
土台の歯で二次虫歯が発生すれば、詰め物と歯の接着部分に隙間ができ、いずれは取れてしまいます。
詰め物が外れたときにしてはいけないことは?
仮に詰め物が取れたとしても、捨てずに保存しておかなければいけません。
詰め物の状態によっては、そのままつけ直せる可能性があるからです。
もし廃棄してしまうと、費用や時間が余計にかかってしまいます。
また外れた詰め物を自力で元に戻すのもNGです。
再び口の中に戻したとしても、すぐに外れる可能性が高いですし、誤って飲み込む危険性も高いです。
もちろん、無理に自身ではめ込もうとすれば、詰め物が変形して再利用できなくなる可能性もあります。
さらに、歯や歯茎を傷つける原因にもなるため、必ず歯科クリニックで処置をしてもらいましょう。
ちなみに、市販の接着剤で詰め物をくっつけるのも絶対にNGです。
詰め物の装着には、家庭用接着剤とは異なる歯科専用のものを使用しています。
そのため、市販の接着剤では効果が得られませんし、口内が激しく荒れることにもつながります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・睡眠時の歯ぎしり(特にグライディング)は詰め物が取れる原因になりやすい
・使用箇所を確認せずにフロスを使うと、虫歯の詰め物が外れるおそれがある
・食後に爪楊枝を使用すると、詰め物が引っ張り出される可能性がある
・歯茎が下がったり、傷ついたりする可能性もあるため、食事の爪楊枝はおすすめできない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
患者様のことを最優先に考えた、オーダーメイドの治療プログラムで対応させて頂きます。